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慢性の痛みの語り

当時日本ではリリカしかなかったので海外に情報を求め、トラマール、アセトアミノフェン、ノイロトロピンを出してもらって、ペインコントロールが図れるようになった

そのとき(2011年当時)日本で認可されているお薬がリリカ(一般名:プレガバリン)っていうお薬のみで、で、それを最大量飲んでまして、プラス、リウマチの治療としてステロイド剤も飲んでたので。ですので、たぶん、痛みは、和らがなかったと思います。で、うーん…、私はもっと痛みを緩和してほしいと希望したんですけれども、先生自身がもう、「日本で認められてるお薬がこれしかなく、ほかの治療の施しようがない」と、はっきり言われました。「もうこれ以上の治療を望んでも、私は……、これ以上の治療は、できません」と、先生から言われました。

で、そのときに先生がおっしゃったのが、「もうこれが日本の医療の限界」って言われました。日本の医療が限界…って思ったときに、海外はどうかって考えました。

―― そうですよね。

そう考えていろいろ海外の文献をあさり、漢方薬ではどうなのかとか、もうそこまで掘り下げて。

なので、プラスアルファして、その、リリカ以外のお薬で対処できる方法として、海外の文献ではトラマール(一般名:トラマドール)というオピオイド系のお薬と、あとアセトアミノフェン、ノイロトロピン(一般名:ワクシニアウィルス接種家兎炎症皮膚抽出液)、その3種類が、結構メジャーで使われてるようで。で、そのお薬を出させていただいた上で、星状神経節ブロックもやっていただける先生を別のまたクリニックの先生にお願いして…、2つのクリニックに通いながら、漢方と内服薬と星状神経節ブロックを続けて治療してました。

慢性の痛みの語り

日常生活に支障をきたすような強い痛みで、「線維筋痛症ではないか」と指摘され、専門医を受診して診断を受けた。リリカを半年飲み続けたが全く効かなかった

もうとても我慢ができないぐらいの痛みが続いて、仕事や日常生活にも支障を来すようになったのは2010年の夏ごろ…です。もう仕事、助産師として働いていたんですけれども、仕事終わったらもうぐったりして、もう職場の更衣室で立てなくなる…ぐらいで。すぐに家に帰ることもできず、病院の受付のソファーにずっと2時間も3時間も……、こう、ずっと座って耐えてるのが勤務のたびにありました。おかしいなと思ったので、普通の整形外科に行って内服薬をもらったり。それでも効かなかったので、あとはペインコントロール…を行う、えっと、病院にも行って、それでも治まらずどうしたものかってもう、そのときはもう本当に痛みで、寝れないぐらい。もう体に布団を掛けても、その重みで痛いっていうようなことが続き…、ずっと不眠が続いてイライラして、家族や職場の方にも、こう、八つ当たりするような(笑)、精神的にも、もう限界のような日が続き……、そのうちペインコントロールのペインクリニックの先生に、「もしかしたら線維筋痛症じゃないか」と、こう、指摘を受けました。

……初めて診断下されて(涙声)、あの、でも、その当時リリカ(一般名:プレガバリン)というお薬しか日本で認可されてなく、全く効かず……、その半年ぐらい、そのリリカを飲み続けてたんですけれども、全く効かず。そのうちリウマチにも罹ってしまい、ダブルパンチで…、物も持てなくなり…、杖歩行になりました。……階段から、階段降りるときも、手すりにもつかまってるのに足元がふらついて……、転げ落ちて、頭を打って、気を失って、目覚めたときにもうその場に泣き崩れてしまい、「私、一体どうなるんだろう?」って、ずっと思って(涙声)。

慢性の痛みの語り

今はノイロトロピンとトリプタノールを半量と抑肝散を飲んでいて、痛みが強いときにはリリカも飲む。ロキソニンは(CRPSの)足の痛みには使わない

えっと、今、麻酔科でコンスタントに飲んでいるのはノイロトロピン(一般名:ワクシニアウィルス接種家兎炎症皮膚抽出液)とトリプタノール(一般名:アミトリプチリン塩酸塩)10(㎎)を半分(笑)ですね。あとあの、頓服で抑肝散という漢方をもらっています。それだけです。で、レスキュー的にお守り的にリリカ(一般名:プレガバリン)。リリカはレスキューで使う薬じゃないんですけれども…、私、(痛みが強かった時に)なんかとてもこう救われたという思いがあるので(笑)。こう、あ、来たかなと思ったら、3、4日飲んだりとか…。あとは、そんな感じですかね。ロキソニン(一般名:ロキソプロフェンナトリウム)は、あの、頭痛とか肩凝りに飲むことはありますけれども、足には効かないともうわかっているので、あの、レスキューとして飲むことはないです。

ただ、この思い込みも結構馬鹿だなと思うところがあって、1回この左足をドアにバーンとぶつけて、すっごい痛かった時期があって、そのときにリリカを飲んで、「ああ、私、馬鹿」って思ったんですよね。こういうときはケガの痛みなんだからロキソニンでいいじゃんって(笑)。なんかこう長年やっていると思い込みみたいなものもあるかなって。私の左足だって、ぶつけて痛いことぐらいあるわと思いましたね。 私より後に診断が付いた患者さんなんかは、どんどん新薬が出てますよね。……ので、その辺の話になるとついていけないことが多いです。あの、医療用麻薬とか使っておられる方がおられて聞かれたりするんですけども、自分、全く使ったことがないので、それはわからないです。

―― 現時点の痛みではそういうものを必要とはしないっていう。

しないですね。大体何となくもうわかってきたので、あの、動かしすぎというか、体、無理をしたときと、あと睡眠不足がてきめんに来るのが不思議なんですけども、半徹夜とかすると足痛いんです。

―― やっぱり脳なんですね。

そう。これ、やっぱりすごい謎なんですけども、急性期のころから、睡眠と足はすごい関係していて、私の場合。…ですね。

慢性の痛みの語り

線維筋痛症の診断後は、リリカを処方され、体調にあわせて飲む量を調節するように言われている。副作用でぼうっとした感じになるのでなるべく飲まずにやり過ごす

一応お薬は痛みを、まあ何ていうか、鈍くする薬はもらってるんで、それだけじゃなくて、ほかのところも鈍くなってるんですけど、本当に自分が起きてるか寝てるのかわからんような、ぼうっとしたような感じになって、ちょっと運転はあんまりそういうときってしないんですけど。歩いていても、例えば普通の家の中で歩いてもちょっとぶつけたりとか、体の感覚が変わっているんで、こう高い、高低差のあるところね、足ぶつけたりとかいうのはありますね。

お薬はその痛みに合わせて、ちょっと、例えば、「2錠飲むところを3錠飲むようにしなさいね」とかは言われてるんですけど、あんまり強いのを飲むとね、本当にほかのことができなくなっちゃうんで。

―― 差し支えなければ、今飲んでるお薬の、どんなお薬を飲んでいるかっていうのをちょっと教えてもらっていいですか。

はい。あの、リリカ(一般名:プレガバリン)って呼ばれている薬の25mgを処方されてるんですけど、それを調子、あの、「体の具合に合わせて、どうでもひどいときには2錠飲んだりとか、あの、75(㎎)を3錠までで調節するように」とは言われてます。

―― ほかはありますか。

えっとね、ちょっと名前忘れたんですけど、例えば何だったかな。一応もらってるんですけど、あまり僕、薬飲むと副作用で、あの、眠く、寝れないときにちょっと眠気をね、誘発するような薬ももらってるんですけど。…でも、今もう仕事が自分のペースでやってるんで、別に眠れなければそれでいいかな、みたいな感じで過ごしているんで、そこまではお薬いただいてないんです。本当にどうでも行かなくちゃいけない状況で、痛みが我慢できないときに薬を飲むぐらいで、普段は痛ければ痛いなりに、あの、何とかやり過ごすという生活スタイルになってますね。

慢性の痛みの語り

ペインクリニックの医師に(開胸術後疼痛症候群のような)固定した痛みには効かないと言われた。痛みに関しては栄養補助ドリンクを飲んで気晴らしするくらいにしている

―― もう薬に関しては、まあそんな試してはいらっしゃらないと思うんですけど、どれも今のところ効いたって感じはないんですね?

ないです。

―― ロキソニンって、さっきチラッとおっしゃっていたんですけど、ロキソニンは飲まれたことが?

えっと、飲んでもだめって言われたから、あの、飲んでないです。あの。

―― 飲んじゃだめ?

そのペインの先生が、あ、いや、飲んでもロキソニンというのは一時的な痛みを、例えば歯の痛みとかそういうのを抑えるんであって、こうやってもう固定した痛みにはロキソニンは効かないから、それはあの…、だめですって言われたんです。それはペインの先生から言われましたから。で、私もそういうもんかなと思ったから。ロキソニンは退院して、なんかちょっと歯をきれいにしたときに、何かちょっとここら辺のところが痛くて、そのときにロキソニン飲んだんですね、歯医者さんから(もらって)。それで、あ、ロキソニンってこういうふうにね、一時的な痛みを止めるんだっていうのがわかったので、あの、一切飲んでないです、この痛みに関しては。むしろ、ドリンクのほうがちょっと気持ち軽くなるかなっていうときがあったんですけれど。今はあんまり、気のせいかなぐらいです。

―― ドリンクっていうのは、よくある栄養補助ドリンクみたいな?

そう、そう、そう。100円かそこらのね。だから、もっと高いのを買えば、きっと、ね、結構いい、1、000円ぐらいするのとか、3、000円ぐらいするのがあるっていうんですけれどね、そこまでする気は全然ないですし、気分転換で、ああ、ちょっと1本飲んでいけば、ちょっと楽かなという程度です。

慢性の痛みの語り

重いものを持ちあげて腰を痛めたあとは湿布薬やボルタレンの座薬や飲み薬を使って5-6年は様子を見ていたが、次第に効かなくなって手術を選んだ

―― 23年前に、えーと、ボンベを持ち上げたときから少し痛くなって、で、お薬をそのときはボルタレンを、えー、調整して、それ以外には何か。

えーと、貼り…、えー、冷湿布だけですね。あと、ああ、ボルタレン(一般名:ジクロフェナク)の座薬も使ってて、最初は25ミリから始まったんですけども、結局50ミリ使い出して、それでも足りず飲み薬と両方併用しながらやっていって、結局は…、えー…、効かなくなってしまったというのもありますし、結局痛みにかまけて、あの、何ていうんですかね、運動ももちろんしなくなりましたし。痛いからできない。やったらまた痛くなる。たぶん薬が増える。もういやって。結局何もせず、そのまんま来ちゃって、結局は、えー、手術に至ったっていう感じですかね。

―― 5、6年はお薬で様子を見て。

そう、見て、はい。

慢性の痛みの語り

市販薬をいくつか試したあと、病院でロキソニンを処方してもらった。最初はとてもよく効いたが、そのうち薬を飲んでも全く痛みが消えなくなってしまった(テキストのみ)

あの、お薬についてなんですけれども、最初のころは、本当に市販しているバファリンを飲んでいましたので、バファリンを飲んだり。あ、ちょっと慣れてきたから効かなくなったのかしらとか思って、セデスに替えみたりとか。で、やっぱりセデスのほうが効くわと思っていたら、やっぱり効果が減ってきて、じゃあ、今度は、あの、えー、病院に行って、あの、処方してもらおうと思いまして、えっ、ロキソニン(一般名:ロキソプロフェン)。ロキソニンを飲みましたら、えー、最初はとっても良く効きましたので、あの、ロキソニンを結構、そうですね、あの、よく風邪引いたときに解熱鎮痛でもいただくので、あの、1日3回飲んでも大丈夫のお薬でしたから。あの、私の痛みに対しては、敏感になっていましたので、そんな回数、気にすることなく1日、3錠飲んでおりました。

そうしましたら少し、そうですね、そんなに感じなかったんですけれども、少し気持ち悪いかなって。胃のほうがちょっと痛んだのかなというふうに思いまして、そしてお医者さまに伺ったら、「強いお薬なので、胃の薬も一緒に出しますよ」というふうにおっしゃいましたから、それからは胃薬を、あの、併用するようにして。ただ、胃薬を飲みますとお腹が空いちゃったりするので、自分としては、まああの、たくさん飲むようなときには胃薬を飲み、そうでもない、1日夜だけ飲む、ロキソニンを飲むときには胃薬は飲まないような形で、少し自分で胃薬については調整をしたりして、あの、やっておりました。

ところが、そうですね、もうだんだんロキソニンを飲んでも全く痛みが消えない頭痛に変わってきました。それで、もうこれではどうにもならない。そのどうにもならないときに職場で、あの、痛みが度を越してしまって勤務中に吐いてしまったり、あの、真っ青になって授業ができなくなってしまったり、24時間、朝まで寝ないと治らなかったり、主人がマッサージしてくれてないと眠りにさえつけないほど痛かったりして、本当にどうしたらいいかわからなくなった時期がありました。

慢性の痛みの語り

事故は通勤災害だったため労災保険の給付を受けられたが、半年程度で症状固定とみなされた後は給付を打ち切ろうとする意図があからさまだった

―― 先ほど、ちらっと裁判の話をされていたんで、事故、もう随分前の話ですけども、その事故のときのとか、保障とかそういうものはあるんですか。

うーん、それが結局、通勤災害だったんですけど、あの…、まあ変な話、第三者、こういう、まあ通勤災害、使ったんですけど。まああの、症状固定というのが半年とかその程度までは、まあ何とか――何とかというのも変ですけど、まあある程度は見てくれるんですけど、まあそれ以降は……。労災がね、まあ変な話ですけど、なんか認めないような動きになっちゃうんですね。……で、僕、あの、審査会まで、審査請求までしたんですけど、審査請求でだめだと今度なんか、あの、要するに…、えっと、あの当時だと労働局だから厚生労働になるんですね(*)。立場的に誰になるかわかんないですけど、それを訴えなきゃいけなくなっちゃうから。……だから、その辺のことも結構……ね、自分では、まあ正直、自分では、そのことに関しては全く非がゼロなのに、ああ、労災ってこういうもんなんだっていう嫌な思いのほうが。
僕には今もやっぱ、あの、労災に関しては、そのときの、――例えば手ケガしました。切りました。そのときの医療費だとか短期的なものに関しては、目の前のものには、あの、対応してくれるんですね。まあ労災があるだけマシっていう、労災隠ししている会社もあるぐらいですからね。だけど、長くなってくると今度とにかく打ち切り攻撃がものすごいんですね。

…そうすると、うーん、審査会の資料なんかも、僕、家にありますけど、まあそれは見る人の視点によっても違うかもしれないですけど、その事故の内容と現状と、で、何でそういうふうになったということの内容が長い文章で書いてあるんですけど、言い方、悪いですけど、めちゃくちゃですよね。役人がめちゃくちゃなことを考えて、なるべくこう、言い方、悪いですけど、救済しないで切ってやろうという意図が見えるような。

(*)労働保険審査会に対する再審査請求の結果に納得できない場合は、国を相手取って行政裁判を起こすことができる

慢性の痛みの語り

圧迫骨折で動けなくなったことの証明として治療で使用したステロイドの量を全部チェックし2回目の申請で障害年金をもらうことができた

一応その働いてるときに放送大学で福祉というのを勉強してたので、その福祉のほうで何とかならないかと思って、まず、○(中部圏にある市の名前)の市役所の障害福祉課のほうに電話して聞いたら、まあ来てくださいというのが多くて。何回電話しても、やっぱり来てください。行くことができないから電話しているのに、来てくださいって言われても、行けたらそんなあの、障害者としての福祉課に電話するっていうこともないのにというふうに思ったんですけども、もうしようがないので、そこはあきらめて、保健所のほうに電話をして、保健所が力を貸してくれたので、保健所の人と障害福祉課の人が協力してくれて、何とか家で生活できるようにということができました。

あと社会福祉事務所のほうに行って、障害者年金が下りるように、書類を書いたんですけど、1回目は却下されました。その却下された理由が、本当に病気でいろんな、ところが悪くなって、最終的にその圧迫骨折を起こしてしまって動けなくなったというのを証明するために、一番いい方法として、「ステロイドを使った量を全部、最初から最後まで書いてください」ということを言われて、そういうの、治療で使ってきたステロイドの量をもう全部書き出して、えー、で、どういう症状が起きたっていうのも書いて。それを間違ったことを書くといけないと思って、一度その担当になってもらった先生にチェックをしてもらって、問題なかったかどうかで、というのを聞いたら、これでいいだろうということで出したら2回目で受かりました。

それで障害者年金をもらうようになりましたけども、働いた年数としては、あの、若かったので、発病したときが20代だったので、あの…、厚生年金としては、その、えーと、月々払っている金額が少ないので、その厚生年金と、あと国民年金の金額としては少ない金額になってしまいましたけども、まあ、何とか生活できるような金額だったので、それで今もそのまま生活してます。

慢性の痛みの語り

(うつ病と診断されていたので)障害年金をもらうことができたが、痛みをもちながら手続きをすることはとても大変で一人ではできなかったと思う

障害年金のほうがすごく難しくて。あの、それこそインターネットとかで漠然とそういうことがある、そういう制度があるんだってわかって。ただ、自分がそれに、その病状とか障害に当てはまるのかとかも全然わからなくて、ただ、もう何かもう、全然働けないし。もうその当時お医者さんから、「年単位で仕事はもうできないよ」って言われていて。

でも、一番大変なのが年金事務所のやりとりと――年金事務所で説明を受けても、今よりもかなり具合が悪かったので、説明されていることが理解できなくて混乱したりとか、あとカルテがないってなったときに、その後どうしたらいいかっていうところとかの救済策までは教えてくれないんですね。「制度として、これ以上は無理だ」とか言われてしまって終わりで。

最初のころよくわからないんで、とりあえず言われた書類を出して、1回目、審査通らなくてとか、そういうこととかがこうあって。別に意地悪されてるわけではないんですけど、自分がこう、痛いし、具合悪い中、役所とかそういうところに行って、自分の思いどおりの結果が出ないから、もうそこでも混乱して、もう泣いたりとか、で、結局1回目通らなかったりとかして。だから、精神的にもつらいし、年金事務所に往復する体力がもうなくて。体調いい日、比較的に体調いい日に行くんですけど、それでも、ものすごくやっぱり、もう、行くのが大変で。

結局、自分では何もこう、どうしようもならなくて、社会保険労務士さんとかにお願いとかをしたんですけど。