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篭島充(かごしま・みつる)
循環器専門医、新潟県厚生連上越総合病院長
筑波大学医学専門学群を卒業後、佐久総合病院、信州大学を経て上越総合病院に勤務して、循環器内科、救急医療の分野で上越地域を代表する医師として診療に携わっている。
平成29年から同病院の院長に就任して地域医療に貢献している。
語りの内容
まず基本は薬なんですけど、いろんな種類の薬がありますが、個別の薬のことを細かくお伝えする必要はないかなと思うんです。
ざっくり分けるとですね、症状を楽にする薬、例えばたまったお水をおしっこにして体の外に出して、つまりおしっこの量を増やして、うっ血の症状である息切れとかむくみとかを楽にする薬ですね。
患者さんにとって効果が目に見える薬がまず1つのグループとしてあります。
もう一方ですね、心臓の負担を軽くして、心不全が悪化してゆく傾きをなだらかにして、次の悪化までの時間を長くする。それから生存率を高めて入院する回数を減らす。
つまり心不全の先の経過を良くする薬だけど患者さんに効果が分かりにくい、(いわば)患者さんにとっては、効き目の見えない薬。
大きく分けて2種類あるんですね。
効き目が分かって患者さんにとってこの薬は私を楽にしてくれるっていう薬と、患者さんにとって、効き目が見えにくい、だけど心不全の治療にとってはものすごく大事なのでやめちゃいけない薬と大きく2つに分かれるんですね。
患者さんは最初のほうのお薬はご自分で効果が分かってるから飲んでくださるんですけど、後の薬は根気よく飲むことがなかなか骨が折れるかもしれないんですね。
でも実はこういった薬のほうが大事なんです。ですから、とにかく処方された薬をきちんと飲むことです。
われわれ多くの心不全の患者さんを診察してきましたけど、ま、これ言ったら叱られるかもしれませんが、患者さんってびっくりするぐらい、薬を自分で調節したり飲まなかったりしてるんですよね。
自己判断でやめないで。
なぜかと言うと、医師はですね、効果が見えない、将来を良くする薬のほうを大事だと思ってむしろ出しているので。
薬を調整したい、あるいは薬飲んで効果がはかばかしくない時は、必ず担当医と相談しながら対応するのがいいかなと思います。
以上が薬ですね。
循環器専門医・篭島充医師体験談一覧
- 様々な原因で心臓の働きが悪くなり、悪化と治療を繰り返しながら長い時間をかけて心臓の馬力が落ちてゆくのが心不全
- 高血圧の影響で心臓が弱ってゆく。また、高血圧、糖尿病、コレステロールが高い、喫煙などは動脈硬化につながり心不全となる
- ほかに心不全をきたす心臓の病気には心臓弁膜症、心筋症、不整脈などがある
- 先天性の心臓病は心不全の原因になる。子どもの頃、治療が行われるまでに受けた心臓のダメージや手術の後遺症が後年影響する
- 心不全では心臓が血液を送り出せないために起こる症状と血液が渋滞したときに起こる症状があり、心臓だと気づきにくい場合もある
- 体重増加、むくみ、息切れ、疲れやすさや食欲不振という症状が出たら、心不全の可能性があるので早めに受診した方がよい
- じっとしていても息が苦しい、血圧の急激な低下や上昇は心不全かもしれない。レッドカードと思ってすぐに受診した方がよい
- 症状を楽にする薬は効果が目に見えやすい。心臓の負担を軽くして心不全の悪化を抑え経過をよくする薬は効き目が見えにくいが大切
- 薬の効果と副作用は関連しているので、その人の適切な血圧、脈拍数、腎機能の値、水分量を勘案して処方量が決められている
- 一般に脈がゆっくり過ぎる人に必要な心拍数を保障するのがペースメーカ。逆に早くなりすぎた脈拍をとめる機能が付いたものもある
- カテーテルという管の中を通していろいろなものを心臓に持っていき、治療することをカテーテル治療という
- 冠動脈の狭くなったところを越えてその先までガイドワイヤーを通して風船やステントを持って行き、血管の壁を内側から押し広げる
- 最近は心臓弁膜症で、カテーテルを通して折りたたんだ人工の弁を持ってきて、替えたい弁の所で広げて留置する治療もある
- 心房細動では、細い電極のカテーテルを入れて心臓の中から心電図をとるように情報を集め、不整脈の信号が出ている部位を焼く
- タバコは何一ついいことはない。お酒は飲みすぎないこと。ストレスは血圧を上げて脈拍数を増やす方向に働き、心臓の負担を増やす
- 筋肉を上手に動かすことが心臓の負担を軽くする。楽にできて気持ちがよく、ちょっとだけきついぐらいの運動がいい
- 肥満は動脈硬化を進める。食べ過ぎて太ると心臓の負担が増えてしまうので、適正体重の維持が大事


