投稿者「dipex-j」のアーカイブ

前立腺がんの語り

超音波検査と触診を受け「様子を見よう」と言われたが、不安だったのですぐに専門医で生検を受けた。その後、転移の有無を調べる画像検査を受けた

超音波診断でおなかに当てて、その全体を見てみましょうと、前立腺をですね、しこりがあるかどうか。それからもう1つは触診といいまして、肛門から指を突っ込んで前立腺全体を触って固いものがあるかどうか調べてみたと。確かにPSAは高かったんですね。高かったんですけど、見当たらないから、まあ先生は様子を見てみようと。で、3カ月後に来てくださいということをおっしゃったもんで、不安だったもんで、1カ月後にもう一度測ってくれませんかということをお願いしたら、前立腺がんはそんなに早く進行しないから、3カ月単位で大丈夫ですよと、そうおっしゃったんで帰って来ました。自覚症状は何もないですから。

――それでもやっぱり不安になられた?

それはインターネットを見てみて、発見が…医者に通っていたんだけど、発見が遅れて結局手遅れになったという人の例も見とったもんですから。自分はやはりそうはなりたくないもんですから、非常に不安になりました。家内もその乳がんということで、見つかったもんですから、余計不安になりまして。それでまた別の病院に行きました。

前立腺がんの語り

PSA検査は腫瘍マーカーの中で一番頼りになる指標だ。健康な人も受けるのは大切だと思う

前立腺がんの患者にとって、前立腺がんになってない人にとっても、一番の指標、頼りになるのがPSA検査ですね。これがいわゆる腫瘍、PSA検査というのは腫瘍マーカーのひとつですけど、私の知る腫瘍マーカー的な検査の中では、PSA検査は非常に信頼がおけるんじゃなかろうか。あとは少なくともPSA検査みたいに信頼がおける腫瘍マーカーの検査というのは、私あんまりないんじゃないかと思うんですね。ですから、ある程度の年齢に達した男性は、やはり血液検査のそれの項目の中にあるわけですから、何かのときに病院に行ったら、ましてや泌尿器科を訪ねたら、これは必ずどこの病院でもPSA検査はやると思うんですけど、レントゲン検診、なんとか検診的にね、PSA検査を受けられて、その数値を自分がね、毎年掴んでおくというのが、これ前立腺がんになって治療中の人だけじゃなくてね、健康な人もPSA検査を受けるというのは非常に、大切なことだと思いますね。

前立腺がんの語り

検診は大事。過剰医療や精神的負担などのリスクもついてまわるが、患者にとって早期発見は非常に大きなメリットだと思う

検診ということに関しては、やはりいろんな問題あるにしても、私も、とにかく声を大きくして言うことは、やっぱり検診ですよね。とにかく早く見つけて早く処置をするということが一番大事だろうし、だからこそ私自身は、幸運だったかもしれないけども、まだ4年目に入ったばっかりですけども、元気に働いていられるということはありがたいなと思いますね。ええ。
結局、検診することにおいてですね、やはり機械による傷を受けるとかですね、あるいは本来ならば、何でもなく過ごせるような微少ながんだとか、しなくてもいい手術をしなきゃいけないとか、いろんなものが…過剰医療とかですね、やはり、本当は見つけなくてもいいようなものまで見つかるということにおいて、それを言われた患者さんにしてみれば、非常に、肉体的にも、ある意味では精神的な、むしろこっちのほうが大きいんでしょうけど、そういう精神的な重荷というものを負うようになってくると思いますね。そういうような問題というのはあると思いますよね。だけど、そういうリスクがあるにしたところで、やはり検診というのは受けてですね、早目に見つけるというほうが、やはり患者さんにとっては非常に大きなメリットがあるんだろうなと思います。ええ。

前立腺がんの語り

周りには50歳以上になったら、PSA検診を受けるように勧めている。前立腺がんは痛みなどの症状が出ないから怖い。必ず受けた方がいいと思う

PSAというのは、オプションだと思いますけども、わたしは分かりませんが。まあ金額的に安いと思うんですよ、正直言って。オプションですけども。だからやっぱりね、50歳以上の人はPSAの検査をしていただきたいと。やっぱり…何ていうかね、分かんないから、なおかつそこをね。血液検査で分かりますから。ほんとに痛くもないし。ただ、もうお金だけがかかるんであって、あと何もないですからね。そこで異常があれば、すぐに手を打つことができると思うんで。本当に、PSAっていう血液検査をわたしはお勧めしたいと思います。

――周りの方に、ご自身が前立腺がんにかかったと、それを通じてPSA検査ってすごく大事なんだよと。

「やりなさいよ」って言っていましたよね。正直いって50歳以上過ぎれば。そんなにほら、苦痛でないですからね。胃カメラ飲むとか、大腸検査のそういうカメラじゃないですから。ねえ、簡単なことでしょ、血液検査ですから。それで分かるんですから。何も怖がることないですよって言いましたね(笑)。
胃とかなんかはね、胃が痛いとか、様々ありますよね。そんなの全然ないですから、前立腺の場合は。だから怖いんです。だから、わたしが言いたいのは、PSAっていう血液検査をちゃんとしていれば、まあ出る場所もね、ある程度さまざまですから、難しいところに出る人もいるでしょう、それは。簡単なところに出る人もいると思いますけれども。やはり毎年やっていれば、1年やらなければ2年で変わりますよね、その分だけ進行するわけですよね。そうすれば、やはり自分も手術をしても、かなり大変であろうし。だから一番、やっぱり早期発見、その早期治療というか。そのためにも、先ほど申しましたように、やっぱり必ず受けていたほうがいいじゃないかなと、自分の体験として言いたいですね。はい。

前立腺がんの語り

前立腺がんについて全然知らなかった。泌尿器科は検査が恥ずかしいという誤解がある。どういう検査か分かれば、気軽に受けられるのでは

うん、何にもない。最初全然、言われるまではそういうこと(前立腺がんの知識)が分からなかった。でも、よく後からいろいろ情報を聞くと、前立腺肥大とかいうのは尿の出方が、おしっこの出方がこう途切れたりとか、出方が悪いとかいうのは、そういう可能性があるよっていうのを、今になってからいろいろ詳しくなってきて。じゃ、もしかしたら、尿の出方が悪いんだったら、ちょっと前立腺の検査を「別に泌尿器科行ってどうのこうのって恥ずかしいあれはないよ」って言って、ただ血液検査でPSAという腫瘍マーカーを「これを検査してください」って言えばね、すぐ分かるんだから「血液検査したほうがいいよ」って。みんなそういう…ねぇ、泌尿器科だっていうと「何か嫌だな」「前立腺がんって何か検査するの嫌だな」っていう誤解があるんでね。一つ一つのがんの腫瘍マーカーを、みんなが具体的に分かっていれば、逆に自分である程度思い当たるような、気になるがんがあったら、とりあえず血液検査で腫瘍マーカーを、検査するのが一番早いかなって。大雑把でもね。生検をするとかそういう細かい検査する前に、第1にまず、PSAが4以下だったのかどうだったのか、それをチェックするだけでも早期の病気の発見にね。

前立腺がんの語り

同窓会で前立腺がんやPSA検査のことを聞き、簡単だというので冷やかし半分にかかりつけ医で測ってもらったら、ごっつい高いと言われた(音声のみ)

おかしいっていうのはないんですよ。まあ、故郷(くに)へ帰ってきて…ふるさとなんですけど、高校時代の同窓会がありましてね。これがよくあるんですよ。で、昔は全然、現役のころは全然ね、地元におりませんでしたから出たこともないんですけれども、ひょこっと顔出したら、中学校の時一緒やった人とか、大学の時一緒やったというような人も来ていたもんですから、まあ、そこ好んで行くようになりまして。
で、その仲間たちの話を聞いている中でですね、3人が前立腺がんやという話だったんですよ。前立腺がんいうのは、あまり自分もよく知らなかったもので「どないなるんや?」いうて「そんなん簡単に検査できるよ」というような話を聞きましたもんでね。かかりつけの医者いうのがまあ近所にございますんで、内科のお医者さんなんですけど、で、まあ、どういうんか、冷やかし半分ですね「私のPSA何ぼですか」いうて、「測ってください」って聞きに行ったんですよ。ほんだら測りましょうっていうことで、「重篤な悪い状態だったら、すぐにお知らせしますから」言うんですよね。まあ、その医者には1カ月に1回ぐらい行くことだったんですが。で、血液検査してですね、何もおっしゃってくれないので、私はもうそんなこと忘れてしまっているような状態で。で、次行ったらね「あなた大変ですよ、PSAごっつい高いですよ」という話だったんですよ。で、まあ、それが分かったんが139だったんですね。139いうたら、僕の聞いている範囲では、ものすごい高い数なんですよ。皆、3人の方は10とか15とかの段階で見つけているわけなんですね。私の139いうたら、ごっつう高いなっていうんで、でまあ、その開業医の先生も、「早う大きな病院行って調べてもろたほうがいいよ」ということで、「紹介しましょう」ということで、初めの…いわゆる国立病院へ紹介してくれたんですよね。

前立腺がんの語り

肺がんを疑ってがんセンターの呼吸器科を受診したとき、ふと思い立って隣の泌尿器科でPSA検査を受けたら、値が高かったので定期的に受け始めた

僕はちょっと特異なケースかもしれませんけど、何か自覚症状があったとかいうんではなくてですね、たまたま私、50代中ごろに、咳が出て胸が痛くて、そういう自覚症状があって、非常に困ってたんですね。で、あるがんセンターにかかってですね、検査してもらって。最初なんともなかったんですけど、そのうちにあの、ちょっとおかしいなっていうことになって、精密検査をするようになったんですね。それは口からワイヤーを入れて、肺の中に入れて、サンプルを採ってきて検査する、がん細胞の検査をする。それをやったんですけども、実際には何も出なかったんですね。だから肺がんの恐れはまったくないということで、そのときは無罪放免になったんですけども(笑)。でもね、やっぱり恐いじゃないですか。そういうこともあり得ると思って、その後定期的にそのがんセンターには通っていたんですね。あすこは何て言いましたっけ、呼吸器科ってところなんですけど、通ってたんですね。そうしましたら、たまたまその呼吸器科の隣が泌尿器科だったんですよ。で、呼吸器科はもう本当に、いつ行っても20~30人の患者が待ってまして、それこそ半日以上かかっちゃうんですよね、いっぺん行くと。ほとんど待っている時間で、終わっちゃうみたいな。で、隣の泌尿器科はもう、いつ行っても2、3人しかいなくって(笑)。なんだここはと思ってたんですけど、じゃ待ってる間無駄だからね、時間的に。僕も年だから泌尿器科の検査でもしてもらおうかと思って行ったんですよ。で、検査したんですよ。検査って、PSAの検査ですけどね。

――ご自身ではPSAについて、どんなふうに理解されていたんですか。

要するに血液の中にある、特異なたんぱく質の濃度を測ることができる検査なんですけど、その濃度が一定の数値以上になると、がんの可能性多くなるという…ま、言ってみれば指標ですよね。そういうふうに理解しています。それがいきなり10.5ぐらいになってたんですね、最初。で、これはおかしいっていうんで、定期的にまたPSAも測るようになったんですね。ですから、それ以来泌尿器科も行くようになってしまって、定期的に。で、だんだん数字が増えてったんですね、数値的には。

前立腺がんの語り

かかりつけ医で前立腺がん検診のユニークなポスターを見て、PSA検査を受けてみようと思った

たまたま家内と2人で、かかりつけ医へ行ったときに、待合室にとってもユニークなポスターがはってあったんですね。それは、どういうポスターかというと、まあ、しかるべく年齢に達した紳士が小用を足している姿なんですが、これがまたね、とてもユニークな絵だったんですよ。それで、待合室にいてそのポスターを見ながら、いずれ診察室から呼ばれた。で、先生に診察を受けるときに「先生、待合室にすごくユニークなポスター出ていましたよ」と。「ハッハッハッハ。前立腺がんのね」「そうです」と。「男性は60歳を過ぎたら、予防的に前立腺がんの検査を受ける必要があると、これは簡単な検査なんだ」というふうな意味のことが書いてあったと。で、「私もあと半年で70歳を迎える」「幾分遅いかもしれないけれど、ユニークなポスターを見てたら僕も受けたくなった」と。「だから先生、この近くに前立腺がん(検診)を受けられるようないい病院があったら教えてください」というお話ししたんですね。
そしたら、かかりつけの先生は「すぐそばにとてもいいお医者さんがいるよ」というふうにおっしゃったので「じゃあ、受けてみる?」と言われたので、「ぜひ、この機会に。いいチャンスだから受けてみたい」というふうにご返事しました。そしたら、そこで「じゃあ、この今日診察終わったら、すぐ僕が紹介状書いておくから、都合のよろしいときにね、そこの病院行きなさい。近いところだから」と言って、前立腺がんの検査を受ける覚悟を決めたわけです。

前立腺がんの語り

PSA検査を知らなかった。発見が遅れて亡くなった人も知っているし、今では職場の同僚で年齢の高い人には受けるよう勧めている

問題は、PSAの検査があるっていうこと自体を知らなかったんですよね、私が。で、現にですね、今年のお盆の13日に、亡くなった方がいるんです。私の三つ上の方でね、その方も前立腺がんなんですよ。で、前立腺がんの発見が遅くて、他のところへ回りましてね、がん細胞が。で、病院で一緒になったんですけど「僕はもう発見が遅かったもんだから、もうよそに転移してしまってね、もう手術できないんだよ」って。「まあ、あと2年か3年ぐらいしか、多分生きてはおれんだろう」ということで。
もっと早くね、何かその…会社自体もPSAの検診があるっていうことをね、どうも知らなかったみたいなんですよ。で、その後私は、だから「PSAっていうのがあるから、年取った連中は、皆受けたほうがいいよ」ってことでね、社内的にはかなりPSAを、健診のときにPSAを皆受けています、年寄りはね。

前立腺がんの語り

ふらつきが続いていたために受診した内科で、検査の際についでにPSA検査も勧められたので受けた

内科の先生のところに行って、血圧測ったけど別にどうもないし。ほいで「じゃあ、血液検査しましょう」っていうことで、ついでに、知らなかったんですけど、PSAか。「あれも見とくね」って言うけ「はい、お願いします」って言ったら、検査結果のときに、「前立腺がんの疑いがあるから、大きい病院で精密検査したら?」「行きなさい」って紹介状もらって。そして生検っていうんかな。それをしてもらったら「立派ながんですよ」言われて。それで見つかりました。

――ついでに受けた?

うん、ついでにうけたの。それは、あくまでも別で…。高血圧とか糖尿とか、それから貧血、何かそういったのを調べよういうことで、血液検査…血液採ったんだけど、「どうせ血液採るんだから、PSA検査もしとこうね」って。そのPSA検査が何か、おれは全然知らなかった。そして検査結果が出てから「いや、実はこれ前立腺がんの検査で、がんのそれ(疑い)が強いから、精密検査受けなさい」って言われて。それで受けたんで、ついで。