いっぺん生検やりましょうということになったわけです。で、生検をやりました。そうしたところ、10本のうち1本出たんですね。
でも、(がんが)見つかっちゃった以上、どうしようということになりますよね。で、そのときのですね、マーカーの値はですね、まあ順に毎年上がり続けていたわけです。最初の年は1.幾つでした。その次は2.幾つで、大体3すれすれぐらいだったんですね。で、まあ4以降が怪しいと、いうことになっているようですけれども、でも2から4の間でも20%ぐらいはがんが見つかることがあるよ、ということですから、マーカーは必ずしも、どんぴしゃりというわけでもなさそうだ、ということでございますよね。
投稿者「dipex-j」のアーカイブ
前立腺がんの恐ろしいところは、全く自覚症状がないままに、転移をしたり、相当悪化した状態で、例えば骨が痛くなったら、実は前立腺がんの転移だったというような例があって、非常に、そういうふうになりますと治療の方法がないというような状態になってしまいますのでね。今のところ、PSAしか早期に発見できるマーカーがないわけですから、ぜひそういう家系の方は、若いうちから受診なさるとか、あるいは検査に積極的に、病院に通いに行くとか、そういうことは必要だと思いますね。まあ50代、50歳になったら、もうとにかくPSAを受けるというくらいに、もう日本人もならなきゃならないのかなと思っています。
えーとね、前立腺がんについての予備知識ですよね。やっぱり不安を持ってましたね、うん。高齢化に伴って罹病率が結構高いですからね。だから、いつかはやられるんじゃないかなっていうふうに考えてましたよ。で、今の天皇が罹患されたっていうことをお聞きしたのは、私がそういう診断を受けるちょっと前でしたよ。2年ぐらい前だなっていうふうに、思うんですけどもね。だから、まあ誰彼なしに襲う内容だなというふうに思いますね。これ確かにね、前立腺がんっていうのは、高齢者にはもうかなりの確率で、発生する病気だなというね。
で、自分でそういったオプショナルな検査であるよっていうふうにお聞きしたときに、すぐに手を挙げて受検したのも、やっぱり念のためにっていうか、やっぱりそういう恐怖心があったもんですからね、やりました。確かに予備知識的なものはありましたね。
でも、今度かかって分かった…進行が遅いだとか、年齢が高かったら「ああ、そうかい。まあ、ほっときゃいいわ」っていうようなものも一つの選択肢だって、そういうことを知ったのは、自分が実際に前立腺がんになってからのことなんですけれども。漠然とした恐怖心っていうのはありましたね。
その、私いつも疑問に思うのは、もっと前立腺がんがどこにあるかって、もっとはっきり分かればね、それはそれをちゃんと取ればいいんですから。だから何か…PSA値だけで何か、何しろ「前立腺がんだ」っていうんで、やたらめったらそこら辺をこう、いじくり回しているような気もしないでもないんですけどね。まあ取るっていうのは、もちろん一番いいのかもしれませんけどね。全部取ってしまう。いや…それにしても何か、必ずしも100%ではないんですよね、あれ、根治手術っていいますけどもね。だけど、まあ私の場合は、まあ良かったというふうに思っているんですけどね、ええ。
PSAの健康診断をしたことによる死亡率の低下はないということがアメリカで研究発表されて、それで厚生省のほうでどうこうっていうことで、地方自治体がですね、PSAの健康診断をなかなか追加しようとしていないですね。それに対して、がんにかかった人の掲示板でも問題になっとるんですけど、やはりPSAの検査っていうのは健康診断で絶対やるべきだと。非常に今増えてますし、で、その、前立腺がんの人が確かに、高分化がん、中分化がんの人が8割を占めておるんですけど、低分化がんの人も2割いるわけですよね。そういう人たちのためにもですね、PSAの検査を、ぜひともですね、健康診断の中には入れていただくと。で、50歳過ぎたら必ずやると。会社の健康診断でもPSAは入ってないんですね。そういうことでPSAというのは非常に重要である、ということで、ぜひとも健康診断の中に入れて欲しい。ただ血液検査をするだけですから。胃がん検診とか、ああいうのに較べて非常に楽ですから、ぜひともこういうものは入れていただきたいと、そういうふうに思っております。
それはたまたまね、僕が毎年人間ドックを受けていた病院は、われわれが知らないうちにPSAの検査もしていたんですよね。で、そのデータがずっと年ごとにあって。それで僕は最後、会社辞めるときに受けて、急に(値が)大きくなったということが分かったわけですよね。だから、幸運だったんですよね、それは。別にPSAも、検査してくれって言わなくても、ずっとそういうの(検査)をされていたんで。で、今は皆さんは、されているのかどうか知りませんけども、まあやっぱり年取ってきたら、するべきですよねえ。確かそのときはね、その会社は40歳以上は、毎年人間ドックを受けろっていうことになっていたと思うんですよね。ええ。で、毎年受けていたんですけど。その最後の人間ドックで、要精密検査になった…っていうんで、まあ幸運と言えば幸運だったかもしれませんよね。それを受けなければ分からなかったわけですよね。
天皇陛下がなられたということは聞いとって、あれは年寄りの病気だと。70歳80歳の人がなる病気だっていうことを聞いておりまして、私まだ60歳ですから、私はまだどうってことないと。で、自覚症状が出てくるもんだと思っていたもんですから、まったく自覚症状もないですし。だから私にはまったく関係のない病気だと。むしろ胃がんとかですね、そういうものを心配していたと。そういうことで毎年健康診断はやっていたんですけど、胃がんとかですね、そういう方面ばかりで、前立腺についてはまったくやっておりませんでした。
――で、最初に行かれたところで、9.1という数字が出たんだけれども、問題ないという。
まあ、大したことないなというぐらいの言い方だったです、はい。
――それをご自身では心配になられて。
いや、心配っていうか、PSAが何かわからなかったもんですから。で、JICAがPSAを非常に重要視するっていうことが(ボランティアの)応募用紙に書いてあったもんですから、PSAって何かなと思ってインターネットで調べてみたら、やはり、あの非常に高いということは、前立腺肥大か前立腺がんのどちらかだと。それをはっきりしないといかんということが書いてあったもんですから。そしたらあの基準値が4なんですけど、4を遥かに超えて9.1だったもんですから、それでちょっとびっくりして調べ出したと。
いわゆる市町村でやっている住民健診みたいなものありますね。あれには確か入ってないと思うんですよね、PSAは。あれはやっぱり、少なくとも何歳以上はね、必ず入るようにすべき検査じゃないかなと思っています。そのために改めて病院に行くか、何かで…風邪でかかったときに、採血して検査しますよね、普通の。それに「PSAを入れてください」って、患者のほうが頼むということも、個人が頼むことも、不可能じゃないんでしょうけど。やはり健診に入るのが一番いいんじゃないのかなと思ってますね。確か入っていませんよ、PSAは。
まあ、本当にあれに入れるべきだと思います、健診の項目の中に。メタボであれだけ騒ぐくらいならね、PSA検査ひとつぐらい、もっときちっと入れたほうが。メタボの1cm、2cmよりもはるかに、PSA検査の数値の動きのほうが、はるかに重要だと思いますね。
平成16年に、PSAが5.4になった。前の年がいくらだったのか、ちょっとよく分からないんですけども。で、当然人間ドックの結果というのは、ドックを受けたとき、すぐ注意しなけりゃならないことについては…そのドック受けたときに、わたしが受けたのは成人病センターですから、そこでお医者さんから、いろんな注意を受けますけども。いろんな数値関係から何からはね、早くても3週間から1ヶ月ぐらいかかるんだよね。で、7月にドックを受けて、7月の中旬かな、中旬ころドックを受けて。わたしのところに通知が来たのがね、8月の中旬ころだったんだね。だから1カ月ぐらいかかっているんだね。そんときにPSA5.4で。PSAの基準が4なんですよね。で、そこまで、だからPSAの腫瘍マーカーを測るオプションだということぐらいで、前立腺というのは何が基準で、どんなものかっていうのは、一切もちろん分からなかった。ほんで、すぐ精密検査を要するというふうに、ただ書面で出てきた。で、来てから、1週間ぐらい経ってからね、すぐ近くの病院に再度検査行ったら、そのときは7.4になっていたんですよ。だからドックを受けたときから、1ヶ月ちょっとぐらいで、2ポイント上がっていたわけよね。で、こういうドックの結果から、今、測ったらこういうふうになりましたっていうことを、お医者さんに全部データ見せましたので「これは即、前立腺がんだっていう診断されるのは、30%ぐらいですけれど、生体検査したらいかがですか」ということを、初めてそのときに言われてですね。そんときに、このがんという現実の言葉を聞いたときには、もうやっぱり、頭真っ白になりましたね。
で、まあ振り返ってみると、初めは4ちょっと越えた時点で、その時点では、まだ生検っていうことは言われなかったですね。それで病院としては、その上がり具合というか、そういうのを見てですかね、時期を選んで生検しようっていうことになったんだろうと思うんですが、その具体的な説明がなかったんですわ。ただ「今はあんた、このぐらいだ」というだけで。「グレーゾーンで、上がり具合を見て、急に上がったら生検やるよ」とか「それまでは検査をしたほうがいいよ」というふうな、そういう具体的な説明をしてもらえなかったんですね。ほいで泌尿器科って結構みんな忙しいみたいですね。ほんで、予約して行ってもですね、結構1時間ぐらい待たされるのは当たり前でね。そいで来て、その結果が「はい。おかしいなあ、尿の出が少ないな。おかしいな。はい、次。薬飲んで、次」ちゅう程度で、説明がなくてですね。まあ、質問する余裕とか、そういうものっちゅうか、こちらの精神的な余裕を与えてくださらんもんで、質問もできんもんですからね。それで、ついついその行かなくなってしまったというのは、私の思うところですけども。病院側にしてみりゃね、そんなぐらいなことで、関わり合ってはおれんと言うんですけども。要はもうちょっと早く生検受けておれば、今知ったことですけど、前立腺のとにかく中に納まってる状態やったら、ほとんど心配はない病気ですからね。そんなふうに、今は。要は、その適当な時期が、ちょっと素人で分からんですけども。早い時期のいい時期に、先生の判断やけども、そこで生検受けたら、わりかし手術方法とか、いろいろ選択肢もたくさんあるみたいですし。
だから先生も、PSAとそれから生検との関係ですかね。一番いい時期を、患者によーく説明してもらって。その点、受ければそんな手遅れとかいうことはないし。患者に納得できる説明をして、生検の必要さですかね、それを。ただ4を越えたから、はい生検ということもないみたいですもんね。その時期が難しい。先生たちもきっと難しいと思うんですけれども。