投稿者「dipex-j」のアーカイブ

乳がんの語り

胸を失いたくない一心で、ラジオ波や超音波でがんを焼き切る方法などを調べたが、まだ実験段階であり、お金もかかるので、やはり手術しかないということだった(音声のみ)

乳がんって分かったときに、あの、ま、そのころには、とにかく、インターネットでいろいろ情報を探しまくっていたので、いろんな方法があるとか。それから、母が、ま、乳がんになって手術したころには、結構、しっかり取って、あばら骨が見えるような感じで、しっかり取って、で、もう、全部取ってしまえば、そのあとは、特に薬とかも飲まずに、まあ、何ヶ月に1回か定期的に経過観察をしていただけで、薬も何もなしでっていうような状況だったんです。
で、とにかく、思ったのが、胸を、なくなるのが嫌だっていうことを思って。で、その後のことっていうのは、全然何も考えずに、とにかく胸がなくなるのは嫌で、できるだけ胸をなくしたくないって思って。それで、今度またいろいろ調べて、で、あの、手術しなくて済む方法はないかというようなことも考えて、で、ラジオ波で焼くとか、何か、超音波で焼ききるとか、何か、いろいろな、その最新の方法があるらしいっていうのを知って。で、そういうものなんかはどうなんだろうっていうことで、その、告知してくだった先生に次にお会いしたときに、いろいろと質問をぶつけてみたんですが、私の場合は、その中心部のわりと真ん中辺で、浅い部分にできていたので、その超音波で焼ききるとかっていう場合には、皮膚に近いので、あとが残るんじゃないか。それから、大きさから言って、ちょっと大きくなっちゃっていたので、ま、1回どころじゃない。何回かやらなきゃ駄目だろう。で、まだ、それも、治験段階とか、あの、実験的な標準的じゃない医療方法で、そういうのはあるけれど、その焼ききるとかっていう方法。ただ、私の場合には、まあ、それを、自分でやりたければ、紹介はするけれど、やるとなったら自費で、で、それも、何回も何回もやってうまくいくかどうか分からなくて、やり終わって、あとが残ったりして、ものすごいお金がかかるなんていう話を、いろいろ聞いたりして。で、その焼ききる方法は無理だな。やっぱり、手術しかないなっていうことだったんですが…

乳がんの語り

検診を受けてはいたが、人任せだったと思う。検診は重要だが、それで安心せず、自分で触って調べたり、おかしいと思ったら相談するなどしてほしい(音声のみ)

職場で、毎年やっていた婦人科検診っていうのは、あの、子宮がんの検診と乳がんの検診で、胸は、確か5千円ぐらい払って、超音波で調べてもらう検診です。それで、その超音波で、超音波で調べていただいて、触診と超音波で調べていただくんですが。私も10年以上ずうっとそれを毎年続けていて、それで、あの、以前ですと、その先生が何か、影が、何か変な影があったりしたときには、「ちょっと何か変だよ、ここの辺」っていうふうに、画像を見ながら、教えていただけて。で、そういうときには、そのあとに「ま、何か変な影が、ちょっとあるけど」って言われたら、その先の検査。マンモグラフィを撮りにいったり、それから組織を取ってもらったりということも、実際に、以前あったんです。で、そういうふうに教えていただければよかったのに、その最後の検診のときだけは、そのとき、たまたま、若い女医さんだったんですけど、「どうですか」って聞いたら、「あとで報告書を出しますから」で終わりだったんです。
それで、その最後の検診のときだけは、それまでは、その前の年までは、「どうですか」って聞いたら「今のところ大丈夫ですよ」とか、そういうやりとりがあったのに、最後のときだけは、「どうですか」ってお聞きしたら「報告書を出しますから」ということで終わりで。で、きた報告書には異常なしって書かれていたんです。それで、私は、異常ないものだって思って、ずうっとおいて、で、治療がある程度落ち着いたあとですね、乳がんになって手術して、抗がん剤だの何だのが終わって、落ち着いたときに、そういえばと思ってその報告書を出して、よく見たら、触診では何か異常があるけれど、異常、何かがあるけれど、超音波の結果異常なしっていうそういう診断、その報告だったんです。で、私は、その結果しか見てなかったので、別に問題ないと思って、自分で触りもせずに問題ないんだと思って、人まかせだったんですね。
で、あの、問題ないと思って数ヶ月経ってから、自分で触れてしまって、何これって思って発見したんですけれど。ですので、検診もその診てくださる方によっては、ちゃんと診てくださっているかどうかが、あと、その画像の読み取りっていうのも、技術が多分あると思うんですね。で、私のその患者仲間でも、そのしこりのないタイプのがんの方とか、いろいろなタイプがあるようで、経過観察しているうちにちょっと、早期発見にならなくなっちゃったとか、それから、結構その検診で見つけてもらえなかったとかいう方も結構いらっしゃるんですね。
ですので、あの、検診を受けるっていうことは、すごく重要なんですけれど、でも、検診だけで、全てが発見されるわけじゃないなというのもあるので、検診はもちろん受けていただきたいんですけど、それは、広く皆さんにもっと検診してねっていうのはあるんですけど。検診だけで安心しないで、自分でもよくこう触って異常がないか調べてみるとか、それから、何かおかしかったら、別の先生のところに、別の病院なり何なりに診てもらうとか、それから、専門医に診てもらう。乳腺の専門医、経験のある方と経験のない方では、その微妙に何か判断が違うみたいなので、やっぱり、その経験のある先生にもう何かおかしいなと思ったら、経験のある先生に診てもらわないと、見過ごされてしまうっていうこともあるんじゃないかな。
私は、とにかく見過ごされたと思って、腹が立ったときがありましたから、それはすごく思います。ですので、人任せにしないで、自分でも触ってみるとか、それから、検診相手もその選ぶとか、それから、おかしいなと思ったら、その専門医のところに行ってみて相談してみるとかっていうことは、あの、絶対やっていただきたいなっていうのは、広く皆さんに世間の皆さんに言いたいと思っています。

乳がんの語り

母親が乳がんだったので、40歳になる前から検診を受けていたが、結局ソーセージのような塊りに自分で気づいた。検診10ヶ月後だった(音声のみ)

私の母が乳がんで手術をだいぶ前にしていましたので、私も、あの、まあ、気にしていて、それで、40になる前ぐらいから、職場の婦人科検診というのはずうっと毎年受けていまして。それで、この乳がんになる直前にも、やはり婦人科検診を受けて、それで、超音波でちゃんと(乳がんの)チェックはしていただいて、異常なしという、えー、ま、結果報告書はもらっていました。
ただ、その、半年、10ヶ月後ぐらいに、自分でなにげなく触ったら、胸に、何かソーセージのような塊が、触れてびっくりして、変なもんがある。で、もうすぐにこれはおかしいと思って。で、病院をどうしようかっていうのを考えて、どこの病院がいいか。その検診を受けたところでは、「異常ない」って言われていたので、あんまり小さいところでは当てにならないと思って。専門の病院をどうしようって思って。専門の病院を探すのに1ヶ月ぐらいかけて。で、インターネットや何かで、ここならいいんじゃないかという専門のところをみつけて、そこに電話をして、で、診察を受けて、確実にがんになっているっていうのが分かりました。

乳がんの語り

休職中は自分の立ち位置がなくなったと感じ、不安だった。8ヶ月の休職後に復帰したが、休職中の給与や評価、復職後の異動など恵まれていたと思う

その、休んでる間というのは8ヶ月間だったんですけれども、何かすごくやっぱり不安だったんですね。ずっと仕事してきて、勤めてきて、いわゆる自分の立ち位置の一つがなくなってる、ぐらついてる、そういう感じがすごくあって。でも、やっぱり、抗がん剤のせいで、あのー、いろんなとこしびれたりだとか、気力が続かないとか、いろいろありますから、やっぱり無理もできない。いろいろあって。だから、そのー、早く復職したいけど、いつになったらいいんだろうって、その、ところがすごくありましたね。で、先生は、「一応、その、抗がん剤やってる間、休みたいということであれば、それなりに診断書を書くし」ということだったんですが、「いいタイミングで働きたいので」ということで、あのー、去年の3月に復職という形でした。
で、復職して1ヶ月ぐらいやっぱり、なんかこう、前の調子には戻れなかったんですが、で、前の仕事に戻るのは無理というのはみんなが判断、周りもみんな判断していて、ですから、24時間呼び出されるような仕事はまず無理だと思いますので、実際に夜中でもお客さまに駆けつけるというのはしょっちゅうありましたので、ま、そういう仕事からは外してもらって、で、なおかつ、あのー、以前からやりたいと言ってたところの仕事に移していただいて、そういう意味ではすごく、その、恵まれてたと思います。なかなかそういうことができなくて、職場の中で、やっぱり体の問題だけじゃなくて続かなくなるっていうケースがよくあると聞くんですけども、私の場合は、そういう意味ではすごく周りに恵まれたなというふうに思っているんです。しかも、その、近所のクリニックは、土曜日に抗がん剤を打ってくれたので、会社のほうにもあまり迷惑をかけずにやることができました。
そうですね、就職というか、あの、勤めるということについて、勤めを続けるということについては、がん患者の皆さん、すごく大変だっていう話をよく聞いてるんですけども、多分その点でいくと私は恵まれているんだろうなというふうに思います。しかも、あの、8ヶ月間ずっとお給料出てましたし、それで前半のその年の休んだときも含めて評価が下がったわけではないので、普通の評価でいられたので、すごく周りに恵まれたというふうに思ってます。

乳がんの語り

肥満は乳房再建術の傷の治りに影響するので、ダイエットを勧められた。運動嫌いだったが、再発予防のためにも必要だったので、食事に気をつけ、ジムに通っている

――少し、こう、痩せなくてはというふうになられたみたいなんですけど、その辺って、その手術にやっぱり関係してくるんですか?

傷のつきが悪いみたいです。実は、あのー、がんのこの手術したときに、乳輪の傷がなかなか付かなかったです。太ってたので。で、それのあれがあるので、その、「痩せなきゃ駄目」って言われたときに、ある程度納得はしました。で、自家組織のほうはお腹から取るので、その、そこの傷はかなり大きいですから、そのことを考えれば当然なのかなと。まあ、まあ、言われるまでね、できなかったのを、減量できなかったのはあれですけども(笑)。まあ、そう言われてみれば当然だしということで、ちょっと頑張ろうと。その病院の先生に言われて、その日のうちに、あの、スポーツジムに行って、会員になりました(笑)。あの、動くの、スポーツ大嫌いで、もう、小さいときからやったことがない、ほとんどやってない状況でしたけど、まあ、いざとなればやるしかないので(笑)、やりますね。

――その辺のどうやって体重を落とされたのかっていうことも一つ参考になるかと思うんですが…

もう本当に基本的なんだと思うんですけど、運動と食事と、食事は何かを食べないとか何かを食べるではなくて、全部を全体的に量を減らすのと間食をなくす。で、夜遅く食べないというのもあるんでしょうけど、私はちょっとそれはできなくて、やっぱり9時、10時になってしまうときがあるので、そこはちょっと目をつぶって。でも、まあ、量的には少し減らしてということで。ただ、運動は、今までやらなかったんですけども、その分、週3回以上という形で通ってます。
で、やることはもう本当にちょっとで、エアロバイクをやって、ウォーキングを30分ぐらい、ランニングマシンの上でウォーキングを30分ぐらい、あと、ストレッチをやってというぐらいで、全部で1時間半弱ぐらいなんですけど、やっぱり違いますね、そこは。今まで、あの、食事だけでやろうとすると、もうすぐにこう、何て言うか、根気が続かなくなってしまうのと、で、やめたら途端にがんとのび、上がってしまう。増えてしまう。でも、今は、ちょっとぐらいだったらば、あの、食べ過ぎたなと思っても、運動のとこへ行けば何とか持ちこたえられる感じがあるのと、それから、あと、早く汗をかくようになって、あのー、動き出してすぐ、すぐこう、体が温まってくるような感じになってきたので、だいぶ違ったかなと思ってます。
閉経後の一番のリスクの高いのがやっぱり肥満だというふうに、肥満が一番リスク高いと書いてあるので、それにもあわせて、結局ダイエットはどっちでもやらなきゃいけないんだったなというふうには思ってますけど(笑)。何か脂肪がエストロゲンに変わってしまうという、エストロゲンの代替の形としてしまうということなので、私はだから、あの、ホルモン(受容体)、陽性ですので、ここは本当に気を付けないと、というふうに思ってます。

乳がんの語り

再建方法には、自家組織による再建とインプラントによる再建があり、それぞれに医師の話を聞いた結果、自家組織を使う方法にした。そのために15kgダイエットした

体が落ち着いてきたら、やっぱり皆さん、再建という話が出てきて、で、オフ会に行ったときに、去年の7月にオフ会に行ったときに、皆さん再建の話がどんどん出てて、大きな、その、2つの流れで、自家組織による再建とインプラントの再建。で、どっち?という話になって。そのオフ会では、どちらかというと、えっと、自家組織のほうがかなり評判がよくて、じゃ、私もそうしようかなというふうに思って、その、そこ(病院)を探して。ただ、両方聞いてみたいので、あのー、自家組織のほうとそれからインプラントのほうと両方、先生の予約を取って行ってみました。
で、えーと、自家組織のほうでやりたかったんですが、やりたいと思ったんですけども、行っていきなり言われたのが、まず、「痩せなさい」と。あのー、「とにかく痩せなければというか、標準体重でなければこの手術はできません」と言われて。で、もう、ちょっと、「そうですか」と(笑)。かなり太ってましたから。もともと太ってたのに抗がん剤でまた太りましたので、じゃあ、どうしようかと思って。で、インプラントのほうの先生に行ったらば、その先生は、あまり、あの、そういう、痩せなさいというふうなことは特には言われなかったんですけども、保険もきかないし(*)、金額がもうびっくりするような金額。いわゆる片側だったらば、あの、幾らというのが、両側だとその2倍になってしまうので、もう、普通の車が1台かな(笑)、とかいう感じですね。そうすると、どうしようかと考えまして、結局、あの、何とか痩せて自家組織による再建したいなというふうに思って、今、頑張ってます。えっと、去年の9月からで15キロ痩せたんですかね。で、何とか今そっち向けて、まだ4~5キロ痩せなきゃいけないんですけども(笑)、そこ向けてちょっと頑張ろうと思ってます。

*2013年7月より、乳がんで乳房切除術を行った患者さんの乳房再建に限り、一部のティッシュ・エキスパンダー(皮膚拡張器)とブレスト・インプラント(ラウンド型)を入れる場合、さらに2014年1月より、アナトミカル型(しずく型)インプラントを入れる場合、健康保険が利くようになりました。ただし保険適用対象となるには、認定医療機関であることやインプラント等の種類に制限があります。

乳がんの語り

両側乳がんで内視鏡下の手術を左右別々に受けた。術後病理診断で左右ともに断端陽性であることがわかり、再度、再建を前提に乳房切除術を受けることにした

それから、そうこうしているうちにまたすぐ左のほうの手術になって、こちらはそういうふうな、石灰化以外のものがない状態だったんですけども、見えてる部分だけ、映ってる部分だけだと、120度もない、えっと、まあ、そうですね、60度から100度、うん、60度かそこらぐらいというふうに最初の予定だったんですけども、取っても取っても断端陽性がなかなか消えないという、術中に(検査を)やっても(断端陽性が)なかなか消えないということで、それは(手術前に撮った)MRIとかに映ってるものともだいぶ違うという状況で、で、一端やっぱりそこでやめて、もう一回、そこを取ってみて、ちゃんと病理の結果を見てやろうということになったんですね。
で、(術後)病理(検査)の結果が出るのに1ヶ月半ぐらいかかるんですよ。で、それを、そうしてるうちに、その、えーと、左(の手術)が終わってからやっと右の(病理検査)結果が出るという状態だったんです。そうしたところが、右もやっぱり、「右は断端陽性があります」と。で、右のほうに関して言うと2種類のがんなので、まあ、そこはどっからどう流れていったのかよく分からないとかっていうとこもあって、で、左側も結局、断端陽性が全然消えない状態でしたので、最初は温存で、両方とも温存で放射線って言ってたんですけども、結局はもう全部取るしかないだろうと。ま、逆に言うと、形も崩れてしまってるので、取って再建したほうがいいんじゃないかという話になって、基本的にそれを受け入れてやることにしました。

乳がんの語り

内視鏡下の手術で、右側は当初の予定より、大きく切除したので、乳房の形を整えるためメッシュを入れた。しかし後にアレルギーで取り出さなければならず、形が崩れてショックだった

そのときに、えーと、そうですね、120度、120度ぐらい取る形になるんですかね。そうするとやっぱり形が崩れちゃうので、「メッシュというものを入れて、それ、そこの病院では、形を整えます」と。で、「それを入れると、その周りに体液が集まってきて、形がきれいに戻ります」というふうな形のものだったんですね。で、まあ、私自身は、あまり形にこだわりませんでしたので、「もし、広がったりとかその場所が悪かったりとかしていったら、全部取っても構いませんよ」という話はしたんですが、まあ、「そういうことでもないので」ということで、まあ、メッシュを入れてということでやりました。
で、実際に取った後、右側のほうを聞きましたらば、と、1.2キロとか取ったということで、もう、ちょっとびっくりするぐらい取られちゃったんですけど。で、その、メッシュ入れてるので、水はたま、水っていうか体液がたまってくるんですね。と、何か、ぽっちゃん、ぽっちゃん音がするんですね。これ、多分、あまり経験したこと、あの(経験)した人はあまりいないと思うんですけど、外側が大きかったのと、その、取った部分が大きかったので、もう、ぽっちゃん、ぽっちゃん音がしたんですね。で、そういう状態で、2週間ぐらいしたらもうあまり外から見て分からないぐらいの形になります。で、傷も小さいし、痛くもないし、内視鏡でやってこんな楽なんだというのは思いました。それは確かに。しかも、こんなに形がきれいに戻るんだったら、ああ、よかったなというふうに思ったんですね。
で、そうこうしてるうちに、ところが、右、あ、左の手術の前に、その、結局取ったところの、とこで熱を持って、赤くなってしまったんですね。それはメッシュ入れるために、その、アレルギーを起こす人っているって話は聞いてて、あ、その可能性もあるなと思ったんですけど、熱を持ってしまったので、やはり、遠い病院でしたけども、そこまで入院、行って入院という形になりました。
そのときに、えっと、まあ、どうするかっていうことで、「そのメッシュ、その、合わないんであればやっぱり取るしかない」って言われて、「じゃ、まあ、取りましょう」という形で取ったんですけど、その後の形を見たらば、あまりにも悲惨な形になってしまってるので、それはかなりショックを受けました。せっかく、ああ、こんなきれいだったのになあという、思ったのに、もうとてもすごいショックでしたね。

乳がんの語り

トラブル続きで治療のスケジュールがどんどん遅れていったので、先が見えない状態だった。疑問や希望を主治医に伝え、スケジューリングを考えていった

まあ、その後もかなりトラブル続きだったんですけども、えーと、「まず、先に、その、右側を全摘しましょう」と。「でも、その前にちょっと期間が空くので、抗がん剤を始めましょう」ということになったんですけれども、抗がん剤始めたらば、えっと、白血球がガンと下がって、で、緊急で入院させられたりとかいうことが、まあ、病院が遠かったということもあって、その、心配されたんだと思うんですけども、そういう形であのー、入院したりとか、あと、まあ、近所のクリニックのほうで、抗がん剤も続けてたんですけども、そこでもやっぱり何度か、白血球が下がり過ぎて、近くのところを紹介されて入院という形になりました。で、本人的には、もう全く、その、痛くもかゆくも熱もないし、何ともないんですけど、数値が悪いから、結局、その、危ないからと。あの、後で考えると当然なんですけれども、これはなかなか納得しがたいというか、そういう感じでしたね。
で、えっと、病気自体は、その病理の結果とかを見ても、それほど悪性度高いわけでもないし、命は大丈夫なんだろうなっていう感じはあるんですけども、治療がどうなるんだっていうのが全く見えない状態。しかも、休みを取ったんだけども、いつになったら復職できるんだという計画が立たない、という状態だったんですね。そのときすごく思ったのは、乳がんは特にそうかもしれないですけども、あの、いろんな治療を並行してやったりすると思うんですね。手術はほんのごく一部で、抗がん剤だったり、分子標的剤だったり、いろいろあるんですけれども、そういうものと、その、いわゆる、そういうもののスケジューリングですね。これがなかなか大変なんですよね。特に私のように手術を後でもう一回やらなきゃいけないような場合には、例えば前の手術のせいで、えっと、あの、何というかな、貧血ぎみになってたりすると、手術ができないからって延びてしまう。でも、延びたところで、その、結局、そうすると、そのままずんずん、その、全部スケジュールがディレイしてしまうと、もういつになるか分からない(笑)。で、並行してできるものはないのかということを(笑)、結構思いまして、先生にお願いして、で、右側を全摘した後、もう抗がん剤を終わらせてしまって、えっと、FECを終わらせてしまって、それから、もう一回左のほうの全摘という形をとっていただきました。

乳がんの語り

紹介されたクリニックの提携病院で内視鏡手術を受けた。内視鏡だと傷が小さく、痛みがない点はいいが、時間がかかるので、両側乳がんだと一遍に手術ができなかった

病院に関しては、最初、選択は特にしていないんですね。紹介されたクリニックに行って、そこと提携している病院ということで、まず、そのままの流れで内視鏡(手術)、その先生は内視鏡でやられたので。で、いろいろ調べて、そのときに調べてみたんですけども、内視鏡について特に問題がありそうなことは見えなかったので、やってみようというふうに思いました。まあ、あの、逆に言うと、取っても、何て言っていいんでしょうね、内視鏡じゃなくても何でも、その、あまり形にこだわらなかったので、それは、いいやと、病気をちゃんと取ってもらえばそれはそれでいいという感じでしたので、そのままって感じですね。ただ、その、ガイドラインを見て、その、標準のあれ(治療)にはなっていないと。私の受けたところの病院はたくさん症例があるけども、あとはあまり多くなくてということを初めて知ったという状態でした。
乳がんに関しては、その、いろんな先生がいろんなやり方でやられてて、何が正しいというのはあまりはっきりはしないですけども。ただ、まあ、内視鏡でやったこと自体は後悔してないです。というのは、やっぱり傷が小さいので痛くないんですね。痛みは全然ない。そこがやっぱりいいとこですね。ただ、両方一遍にできないんですよ。やっぱり片側ずつしかできなかったんですね。だから、私のように両側で、しかも、まあ、最初から全摘と分かってたらどうか分かりませんけども、しかもこう、何ていうかな、やらなきゃいけないような場合には、うーん、普通の手術のほうが負担は楽かな、(負担は)ないかなと、体のほうに負担はないのかなというふうに思います。やっぱり全身麻酔でやる手術というのは後が大変ですよね、体的にはね。できれば回数は少ないほうがいいと思います。

――内視鏡で、あの、取るということで、傷が小さいということをおっしゃってたんですけど、まあ、一遍にできないっていうことは、それは何か理由があるんですか?

やっぱり時間かかりますね。あの、もともと標準的(な方法)でも3時間ぐらいはかかるんじゃないですかね、あの、部分の場所でも。私のように、取ってる最中に、手術の最中の病理検査で断端陽性が消えなかったりするとものすごく時間かかるんですね。で、私は、左側は6時間とか、7時間とかそんな形でかかってましたね。それだけやっぱり時間かかるものなので、両方一遍にはできないんだと思います。

――分かりました。はい。

その点がデメリットですね、やはりね。そういう意味では、温存したい人で、その、あまり大きく広がってない人とか、あまり大きくない人だったら、内視鏡でやったら後が楽なのでとってもいいと思うんですけど。

――傷の大きさというのは、ちなみにどのぐらいなんですか?

えっと、脇が2センチぐらい、脇の下ですから、腕をこうすると、全然見えない。で、あとは乳輪のところに沿ってやりますので、あの、見えないですね、そういう意味では。だから、すごくいい手術だと思います。