インタビュー41

インタビュー時:57歳(2017年5月)
疼痛期間:4年
診断名:線維筋痛症の疑い

首都圏在住の女性。2013年1月頃から、両方の手が石のようにこわばって痛みとしびれを感じるようになった。最初に受診した整形外科では骨などの異常はなく、線維筋痛症の疑いで大学病院の精神科を紹介された。検査でリウマチなどの他の病気の可能性は否定されたが、3度目の受診で突然治験参加を打診されたことに不信感を抱いて通院をやめ、以来医療機関は受診していない。鍼灸や整体でも改善は見られなかったが、今は痛みと折り合いをつけながらやっていこうと思っている。

インタビュー39

インタビュ一時:55 歳(2017 年2月)女性
疼痛期間:24 年以上
診断名:オーバーラップ症候群*(全身性強皮症、シェーグレン症候群)。

近畿地方在住の女性。29 歳から全身の痛みがあり、大手の臨床検査専門会社で 14 年間(2年間は休職)働いていたが、腰椎圧迫骨折を機に40歳で退職した。ステロイド治療を受けるが効果はなく、現在も痛みは続いている。認知症の実母と二人で、在宅支援を受け生活している。病老介護で経済的に不安定な状況である。絵本や詩集を楽しみ、人との交流を持つなど、ポジティプに過ごすことで、痛みを受け入れている。

*オーバーラップ症候群:複数の膠原病が重複して発症する状態

インタビュー37

インタビュー時:50歳(2017年2月)
疼痛期間:20年 
診断名:右脳被殻出血、右顎関節症。

甲信越地方在住の女性。一人暮らし。45歳の時に脳出血により、左半身不全麻痺になり、現在も左半身全体に強い痛みとしびれがある。強い痛み止めを飲んでいるため、足の指の骨折にも気がつかないほどである。さらに20年来の顎関節痛があり、口腔外科も受診している。現在は、頓服の痛み止めを使い、訪問看護などのサポートを受けて日常生活はなんとか自立できている。就労支援の一環で、革で小物を作る作業をしており、好きなことに集中していると一時でも痛みから気をそらすことができる。

インタビュー35

インタビュー時:54歳(2016年12月)
疼痛期間:20年
診断名:脊椎損傷後神経因性疼痛。

首都圏在住の男性。30歳の時に交通事故により、両手足が完全麻痺となり、日常生活は電動車椅子を用い、ほぼ24時間介助者とともに過ごす。事故後4年目ぐらいより、両足と右腕、特に手先が強い痛みに襲われるようになる。疼痛が出始めてからも、心療内科医として働き、大学で教鞭をとっていたが、次第に業務との折り合いが困難となり5年前に退職した。現在は市民活動に参加したり、医療系の学生に重度障害者の在宅ケアについて教えたりすることを通じて、自身の体験を社会に還元することを目指している。

インタビュー33

インタビュー時:57歳(2016年10月)
疼痛期間:12年
診断名:胸椎・頚椎・腰椎後縦靱帯骨化症

北海道在住の女性。夫と2人暮らし。40代半ばに強烈な腰痛が出るようになり、検査の結果、後縦靱帯骨化症の診断を受けた。腰椎の手術を4回受けた。現在も常に腰から両足にかけて、足の指先の痛みがあるが、鎮痛剤は効果がないため飲んでいない。患者会の運営に携わったことや、難病患者団体で相談活動に参加したことが、自分の生き方を変えることにつながった。さらに行政や国へ当事者として、障害者政策などの要望を伝えていく役割を見出だした。

インタビュー29

インタビュー時:59歳(2016年9月)
疼痛期間:13年
診断名:不明

東海地方在住。女性。夫(家族インタビュー05)と二人暮らし。2002年(44歳のとき)に夫の運転する車で事故にあい、頸椎の脱臼骨折による頸髄損傷で四肢に麻痺やしびれが残る状態となった。2003年頃、ひざ下の焼かれるような痛み、指先からひじにかけての刃物で切られるような痛みが出て現在も続いている。リハビリテーション科やペインクリニックなどに連携して対応してもらうことができた。痛みがあっても、夫や娘家族などのサポートも得ながら、主婦として生活できている。

インタビュー27

インタビュー時:55歳(2016年8月)
疼痛期間:14 年
診断名:線維筋痛症。

近畿在住の女性。41歳ごろより職場のストレス、突き指などがきっかけで肩、腕や指先の痛みが出た。45歳からは痛みが全身に広がり、48歳でやっと線維筋痛症と病名がついた。鎮痛剤や漢方薬などは効果がなかったため、現在は通院していない。24時間常時続く痛みはあるが、家事全般を夫に担ってもらい、激痛があるときは体を休めて、日常生活を送っている。人前で歌ったり体験談を話したりするなどして痛みを忘れられる時間を作っている。

インタビュー25

インタビュー時:51歳(2016年7月)
疼痛期間:17年
診断名:脳幹部不全損傷

首都圏在住の男性。2001年の交通事故の後、右上半身を中心に痛みと麻痺が出た。様々な診療科を回って薬や神経ブロックなど様々な治療法を試し、回復の兆しが見え始めた2014年1月のある朝突然、激しい痛みとしびれが左半身に生じた。事故時の脳幹部損傷が原因の中枢性疼痛という診断を受け、医療用麻薬と硬膜外神経ブロックで痛みのコントロールを図るが、痛みがゼロになることは全くなく、薬の副作用で頑固な便秘になり、現在も食事がのどを通らない状態が続いている。

インタビュー05

インタビュー時:50歳(2014年12月)
疼痛期間:10年
診断名:慢性頭痛

首都圏在住の女性。小学校の教諭として多忙になった40歳頃から激しい頭痛が始まり、ゾーミッグが処方された。痛みへの不安から服用回数が増えほぼ毎日のように飲んでいたら、動悸・吐き気等が生じて、医師にゾーミッグの飲みすぎを指摘された。今は月3回以内、どうしてもつらい時しか服用していない。湿布や塗り薬、マッサージ、温泉などを取り入れて、自分で調整しながら痛みとうまく付き合っていかなくてはと考えている。