アーカイブ

臨床試験・治験の語り

インタビュー33

インタビュー時年齢:52歳(2015年4月)
味覚障害の治療薬の治験(第何相かは不明・プラセボ対照試験)に参加

北海道在住。2010年ごろに友人に誘われ、治験の会社に登録し、健康な人を対象とした第1相の治験を2度経験。そのときに知り合ったCRCに2014年ごろ味覚障害の治療薬の治験に誘われ、治験ではどのようなことをおこなうのか興味もあり参加。第1相試験の経験があったので、不信感や不安などは全くなかった。第1相試験の報酬は高額で、味覚障害の治験は少額だが、報酬の差は治験参加の決め手ではなく、自分が条件に合うかどうかが参加の決め手だった。

臨床試験・治験の語り

インタビュー32

インタビュー時年齢:79歳(2015年4月)
C型肝炎の治療薬の治験(詳細不明)に参加したが、副作用が出て中止。

北海道在住。C型肝炎でインターフェロン治療を受けていたが、2000年ごろ、主治医から治験参加を勧められた。娘や友人にも反対されたが、当たり前のように飲んでいる薬も誰かが治験をやったものなのだから、自分で役に立つのならと受けることに決めた。しかし、試験期間の半ばほどで、副作用と思われるサルコイドーシス(「肉芽腫」という結節が皮膚や目、肺など、全身の臓器にできる病気)になり、中止となった。

臨床試験・治験の語り

インタビュー31

インタビュー時年齢:60代(2015年4月)・男性
通年性アレルギー性鼻炎の治療薬の治験(第3相・プラセボ対照盲検試験)に参加。

首都圏在住。新薬の研究開発に携わった後、知り合いから治験を紹介され、被験者の立場を経験したいと治験に参加。概要を知っている薬剤の治験だったので、快諾した。治験に参加して金銭的なメリットも感じた一方、もっと詳しい情報と、実薬だったか、プラセボだったかは知らされてもよいのではないかとも思った。医師が過剰な負担なく治験ができるようになるとよいと思っている。

臨床試験・治験の語り

インタビュー30

インタビュー時年齢:33歳(2015年3月)
脊髄損傷に対する再生医療の臨床試験に誘われたが、不参加。

関西地方在住。高校生のときに事故のため頸髄を損傷し、車椅子で生活している。当事者団体の会報誌で再生医療のことを知り大いに期待するようになった。2005-6年ごろ、慢性期脊髄損傷に対する自家嗅粘膜移植による再生医療の臨床試験があることを知り、期待して説明会に臨んだ。しかし、初回受診時に実際の外科手術の映像を見て不安になり、期待される回復も限定的だったので、しばらく考えているうちに、それきりになってしまった。

臨床試験・治験の語り

インタビュー29

インタビュー時年齢:54歳(2015年3月)・女性
強度近視の矯正のための眼内レンズの治験に参加を希望したが、条件に合わず不参加。

関西地方在住。総合病院にCRCとして勤務。中学生の頃からコンタクトレンズを使っており、レンズを入れても0.7くらいの視力しかない。2010年、レーシックなど検討してインターネット等で検索していたところ、前房にレンズを埋め込む、フェイキック眼内レンズの治験を知った。自分に合っていると思って検査を受けたが、埋め込む部分が薄すぎて参加不可だと言われ、がっかりした。

臨床試験・治験の語り

インタビュー27

インタビュー時年齢:42歳(2015年3月)・女性
乳がんの免疫療法の臨床試験(【1】)に参加を希望したが参加不可。代諾者として、小学生の息子を近視の視力回復治療の臨床試験に参加させた(【2】)。

関西地方在住。自身は2009年に乳がんを発症。当時は治験コーディネーター(CRC)として働いており、術前化学療法をおこなっている最中にがん免疫療法の臨床試験【1】を見つけ、応募して検査を受けたが、「条件に合わず参加不可」という結果が届いた。2012年に学童対象のオルソケラトロジーの臨床試験【2】が近くの大学病院で行われていることを知り、近視が進んで眼鏡を使用するようになった小学生の息子を参加させた。

臨床試験・治験の語り

インタビュー26

インタビュー時年齢:47歳(2015年2月)・女性
がんのワクチン療法の有償治験*(比較対照試験ではない)に2010年から参加中。

東北地方在住。2010年に乳がんが見つかり、抗がん剤治療を受けていたが、それだけでは納得できず、ワクチンの治験に参加。がんを治したいと強く思っており、経済的な面で苦しかったときもあったが、ワクチンを打った方が調子がよいと感じているので続けている。これだけ実績あるワクチンがなぜ国に認められないのか疑問に感じている。将来的にはこの治験が無償で行われるようになればよいと思う。

*これは特定の治験薬(丸山ワクチン)だけを対象とした仕組みで、1997年に定められた「医薬品の臨床試験の実施の基準(新GCP)」に基づく、今日の一般的な治験の枠組みから外れた例外的な試験です。

臨床試験・治験の語り

インタビュー25

インタビュー時年齢:77歳(2015年2月)
【1】心筋梗塞のあとの抗凝血薬の治験(詳細不明)に参加、【2】脂質代謝異常改善薬の治験(第3相・プラセボ対照試験)に参加

北関東地方在住。2005年に心筋梗塞を発症し、地域の基幹病院で手術を受けた。その後、その病院で2回治験に参加(2005年ごろと2013-14年)。その病院を信頼していたので、お礼の意味も込めて協力した。普段から薬を複数飲んでいるので、治験の薬が増えても負担にはならなかった。偽薬が含まれる治験にも参加したが、偽薬かどうかは気にならなかった。

臨床試験・治験の語り

インタビュー24

インタビュー時年齢:80歳(2015年2月)
肝臓がんの治療薬の治験(第何相かは不明・プラセボ対照試験)に参加したが、再発のため中止。

首都圏在住。2009年にC型肝臓がんが見つかる。人の役に立てると考え、主治医から紹介された治験に2012年頃から2年間参加した。経済的に余裕がなかったこともあり、治験に参加することで検査や薬の費用免除があったことはとても助かった。再発したため治験参加は中断した。費用面の援助がなくなったことは非常に残念だが、人の役に少しでも立つことができてよかったと思っている。

臨床試験・治験の語り

インタビュー23

インタビュー時年齢:72歳(2015年1月)
2型糖尿病の治療薬の治験(詳細不明)に参加したが、4カ月で中止。

九州地方在住。25~6年前に糖尿病と診断されたが、2013年ごろ「治験に参加しませんか」と通院先の病院から電話がかかってきた。病院で説明を受けた際、負担軽減費が支給されると聞き、それも参加の決め手のひとつになった。しかし、参加同意後に自分でインスリンを打たなければならないとわかり、少し嫌だなと思ったが、一度同意したからやめられないと思った。途中で条件に合わなくなり中止になったが、採血も注射も嫌いだったのでそれでよかったなと思っている。