それと、あのセカンド・オピニオンではないんですけれども、親しくなったお医者さんに、こうこうこう言われちゃったんだけど、先生だったらどう思う?とかね。ちらっとそういう雑談ふうのことが聞けた。で、医師は、「原則的にはきちんと診察室でないと私は答えません」と言いますけれども。うん、それでも、それ実績が大分出てきましたねとか、本学でもやっていますとか。で、何々先生が非常に権威だそうですね、とかいう情報はくれますから。はい。そういう意味ではね、非常に医師の知り合いが大勢いたというのは良かったなと思うんです。
投稿者「dipex-j」のアーカイブ
要するにセカンド・オピニオンということがよく言われてますね。それでITでですね、セカンド・オピニオンについて少し調べてみたわけですね、調べたわけです。これは娘がインターネットで探してくれたんですけど、こんなようなね(資料を見せながら)、「セカンド・オピニオンって何?」というような。それとかですね、それから…まあ、セカンド・オピニオンについてだけでこれだけのインターネットでデータが出てきたわけです。それから、あの(都内の地名)というところがありますね。そこで、がん全般についてのセカンド・オピニオンというのをやっているというインターネットが出ていまして、これは重粒子線の病院の院長をされた方がね、Aさんという方ですけど、これ相当の権威だろうと思いますね、その方がセカンド・オピニオン、がん全般についてのセカンド・オピニオンを引き受けようと。結構ね、料金が高いと言う人もいるんだけどね、僕はね、1時間で1万円、こういう高名な先生がね、相談に乗っていただけるんだったら、安いなと思いましたけどね(笑)。
で、いろいろ悩んでですね、どっかほかの病院に行って、もういっぺん相談してみようかとも思ったんですけども、あんまり、どこがいいのかわかりませんしね、正直言って。そしたらたまたま新聞の広告で、よくほらある特定の病気のシリーズ物で、いろいろあるじゃないですか、素人向けの。その中にもちろん患者の体験談も入っていれば、医者のコメントもあれば、そういう形で1つのシリーズとして、1つの病気のね、説明するようなあれがあったんですよ。で、あの、じゃあこの先生いいかもしれないっていうんで。それでですね、その当時はある病院の助教授だったかな。その当時…泌尿器科の。で、初めて行って、実はこれこれこういうわけで、がんセンターのほうでがんだって言われたんですけども、先生にセカンド・オピニオンを求める意味でも、どうしたらいいのかわかんないので来ました、いうふうに言ったんですね。
その病院に…そうですね、4年ほど行ったんですよね。通ったんですよ。で、まあ、先生が何人か、3人ぐらい替わった時点で、ある先生がね、非常にまあ…「私は人気のある先生です」みたいな自己紹介があって。で、「私を慕って遠くから来てくれる患者さんもたくさんいらっしゃるんです」って。で、「あなたの場合は」ときたわけですね。「この薬はね、もうあと3年ぐらいしか効かないですよ」と。「もちろん効かなくなったら後の手はあるんですけど」って言われたんですよ。で、自分としてはね、分かるような…分からんような有効期限をはっきり言われるのはつらいんですよね。何か分からんでね、で、そのうちに死んでいくわというんやったらまだいいんですけど、あと3年ぐらいですよという、まあ…ことを言われて、それがつらくって。セカンド・オピニオン欲しいなということで。それで地元のいわゆる大学病院へ行ったんです。そのときは、セカンド・オピニオンいう言葉が流行りだしたか、まあ僕が知ったかどうか知らないんですけど、そんな時期でして。で、何も持たないで、ただ意見ね、この大学ではどない言うんやと、こういう状態になったらどない言うんやということだけを聞きたいと思って、行ったんですよ。ほんなら、曜日が決まってるからこの日に来なさいということで。で、その指定された日に行きました。
がんという病気に対しては、全てのがんに知識・技術を相当以上の技術をもって治療に当たれる、携われる、診断ができるという医者は恐らくいないんです。呼吸器がんなら呼吸器がん、消化器がんなら消化器がん、消化器の中でも胃・肝臓・大腸、それぞれに専門がまた分かれます。ですから、そういう臓器、疾病にあわせた専門家を探す。その専門家に偶然会うんじゃなくて、そういった専門家に診てもらえるような知識。今でしたらば何らかの、いくつかの方法で、そういうことを探る方法があると思います。昔は内科の先生でも、あの有名な先生に手術してもらいたい、そういう人がいっぱいいました。今は、内科医は手術はしない。手術するのは外科医だというふうに多くの知識の人は持っているでしょうけど。がんに限らずなんですけど、病気は、専門家がさらにいろいろに細分化されて、それぞれの専門家がいます。そういう意味で、専門家を探す1つの手段が、セカンド・オピニオンという制度でもあるわけですので、どんなにいい、素晴らしい先生にかかっておられていても、いざというときセカンド・オピニオンという制度を活かして、正しい診断、正しい治療を受けられるように心がけるのが、私たち一般人にとって一番大切なことじゃないかなと思います。
それはもう、いいとか悪いとかの問題以前で、がんと言えばセカンド・オピニオンというのは、それはもうワンセットですよね。別に1軒目が嫌だからというんじゃなくして、もう一遍それで意見を聞いて、1軒目に戻っても、もちろんいいわけですから。やはり複数の先生のご意見を聞くというのは必要ですから、もうセカンド・オピニオンに限らず、サードでも、私の場合はフォースまで行きましたけど、まあ、どんどん意見は聞くに越したことはありませんので、お勧めしますね。あちこち聞かれたらいいと思います。
選択をする上では、やっぱり、病院や…先生から、主治医の先生からそういう情報を提供していただく。まあ、圧倒的に情報不足っていうふうな状態に置かれていることはあるんですけど、仮にその方のように、そういう情報を提供していただいたとしても、自分である程度、その中でやっぱり、これがいいなっていう判断っていうか、取捨選択ができるようになるような、そういう…うーん、何ですかね…まあ、知識っていうとおかしいんですけれども。研究っていうこともやっぱりやらなきゃいけないように思うんですね。あんまり人任せではやっぱり駄目かなという気がしますね。やっぱり本当に、ある程度自分でも希望を失わずに、一番自分に合った治療方法を、いろいろな手段で選択をするということを前提として。なおかつ自分自身の研究ですね。これをやらなきゃいけないかなっていう。だから、いろんな治療方法を提供されても、本当にその中からいいものを選ぶっていうためには、やっぱり多少は研究しなきゃいかんかなぁって気がしますよ。だから、そういう気持ちも…持たないといけないなって、私は考えますね。
――どうやって研究したらいいと思われますか。一番有効だった情報源は?
まあ、やっぱり随分ね、いろいろ勉強しましたよ。本当に、本も読みましたし、人からも話も聞いたし、だから、インターネットからの資料も取り出したりってこともありましてね、かなり勉強もして、まあ、ここでいいぞっていうのはありましたけどもね、それはね(笑)。選んだらやっぱりもう後悔をしないような、しないで済むようなね、そういう気持ちで。まあ、運が悪かったらしょうがないね、それは(笑)。失敗したとしても…うん、でもまあ命がありゃ、最低何とかね。その辺はやっぱり、きちんとしたものがないといかんだろうとは思いますけれどもね。
まあ組織診断の結果、前立腺がんであること、それも大分進んだがんだと。ひとつは場所的な意味もあるし、がんの進行度もあるし、手術は…まあできませんと。で、放射線治療、化学療法、この2本立てで行きたいと。そして、3~4カ月、半年の経緯を見てもう一回、手術の是非、治療方針その他を決めたいというふうな説明をドクターから受けました。私の選択は、薬だけでやっていただきたいと。放射線は、あまり受けたくないというか、ホルモン療法だけでと。先生も私のその申し入れには、大分抵抗を感じられたようでしたけど、最終的には私の希望どおりでやってみましょうということで、治療が早速始まりました。
ですから、もうあとは、大体もう、先生にお任せするっていうタイプで。私は、細かいことは一切もう「こうしてくれ、ああしてくれ」ということは、先生には言わないで。「先生、とにかくお任せします」という段取りで、やってもらいましたね、全てがね。先生も、もうそのほうが、まあ…治療してくれる(分)には楽じゃないかとは思うんですよね。だから極力わたしはもう、先生にお任せ、お任せで。お願いしちゃいましたね。ただまあ、たまたま先生が、きついことを言ったり、うーん、「これじゃ駄目だ」とか「あれじゃあ駄目だ」とかって、そんなことは一切言わないで、いつもニコニコニコニコしたような先生だったんで。意外と接しやすい先生でした。その点は助かりましたね。中には、仏頂面した先生に行き当たると何だか怒られているんだか、診られているんだか分かんないような先生がいますよね。でも、そういうのは一切なかったです。だから、聞かれればこうだ、ああだっていうことは、意外と気安く答えられて。で、先生のほうも、そういうことは、いろいろ聞きだすのは、そういうかたちで聞いてくれましたから。そういう点は、うんと楽だったです。それで、どっちにしても、そのあとはもうホルモン療法と、ホルモンはもう男性ホルモンを止めちゃったけどね。あとは、放射線治療。放射線治療は、6カ月から8カ月ぐらい経ってから始めますっていうことで。
先ほどもちょっとお話ししたように、放射線でも、IMRTっていうその言葉が、何か魔術のように直感的に「あ、これだ!」っていうふうにこう思っちゃいましたね。いわゆる強度変調っていうその言葉がね、変調っていう言葉が、大変こう何だかね(笑)、気に入ったっていうとおかしいですけども。天のひらめきみたいに。ああ、そうだな、強度をある程度変えて治療するっていう、臓器の形に沿った照射が、その変調によってできるっていうのがね、何かね、こう…非常にこう、現実的に感じるんですよ。で、まあ昔、私若いころ、ラジオ技術に虜になったことがありましてね。それで、ラジオの原理っていうのは、いわゆる搬送波、一定の同じ強さの同じ周波数の電波を、例えばこの人間の言葉だとか音楽によって、これを変調するんだと。で、変調したものを受信機で分離するんですよね。検波っていうんですけれども、分離して必要な、その中から情報取り出すっていう。そういうことが、若いころから頭の中にあったもんですから。その変調っていうの、「ああそうだ。これはやっぱり、X線っていう非常に体に対するダメージの大きいエネルギーを、物理的な方式でその変調を加えることによって、臓器に沿ったものを作り上げていくというやり方。あ、これなんだな」っていうふうにね、思っちゃった(笑)。本当に思っちゃったんです。ほんで、これはやっぱり優れた治療法だなっていうふうにね、思いましたね。そんで、もうまっしぐらですね。それにたどりついたらもうまっしぐら。それを選んだという、そういうことなんですよ。だから言葉のマジックに(笑)…ということですかね。非常に今、もっと優れた方式のものもあるみたいですけども、医者のその技量や知識から離れた、半分ぐらいはやっぱり物理的な知識だとか、スキルだとかノウハウだ、そういうものがやっぱりこう合体をされないと、安心して治療が受けられない性格の治療方法だなとは、もちろん思いますけどもね。まあ、そのために病院をやっぱり選んだというか。