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診断時:50歳
インタビュー時:57歳(2010年5月)
インタビュー家族04 の妻
元立体絵本の作家で、夫と2人暮らし。2003年6月、「若年性アルツハイマー型認知症」と診断される。現在は、大学病院の専門外来に通院中。夫が主治医に相談しながら、アリセプトの他に、個人輸入のメマンチン、八味地黄丸などを購入し、それを服用している。3年ほど前から家事ができなくなり、見当識障害*が現れたため、週3回の家事援助と週1回のガイドヘルパーを依頼している。週に1回はデイサービスに通う。
語りの内容
―― 同じ病気の方たちにこう、いろいろお話をされてますよね
ああ。そうですね。
―― それは何かこう、伝えたいこととかがある?
そう、そういうわけではないんだけど、…うん。
―― どう、どういう思いですか。
うーん、どういうって言われると、な、何、何て言えばいいだろうかしら…。そういうのが一番難しい。
―― そういうのが一番難しい…、 なるほど。
うん。だって、ふだんは…普通だから。うん、だから…、何って言われても。
―― そういうふうにしてること自体が、もう自分の中では普通。
ふつ、あの、そういうんじゃなくて、何、何て言ったらいいんだろうか…うーん……うまく言えない。何て言えばいいのかな、そういうのって。よく分からない。
―― うん。何て言えばいいんでしょうね。うまい言葉が出てきませんが。
そうなんです、すいませんね。
―― いや、いや、いや。とんでもないです。例えば、どっかでまた、「そういう集まりがあるんです」っていうふうに言われて、「ぜひお話しいただけませんか」っていうふうなお話が来たら、それに対しては?
別にあの、悪いことしてるわけない、ないんで、別にはい、はい。
―― きょうも…、皆さんにこうあの、役に立つように…、お話しいただいてるんだけれど。
いや(笑)、…いや、ほんとにあの、それで普通なんです。はい。
インタビュー本人03
- 薬は効いているかちょっとわからないが、多分いいんだろうなと思っている
- 昔ドリルをやっていたが、あれは一番嫌い。もう絶対やらない。
- このカードがあれば、私がどういう人かということがわかってもらえるが、これがないと一人で出かけるのはちょっと怖い
- 落語絵本『まんじゅうこわい』の読み聞かせ (音声のみ)
- 落語絵本の読み聞かせを喜んでもらえるのがうれしい。もし、聞きたいという人がいればまたやりたい。
- 同じ病いの人に向けて、社会に向けて、自分のことを話すことは、特別なことではない。悪いことをしているわけではなく、それが普通なこと
- 不安はあっても自分ではどうしようもない。もういいの。
- ちっちゃい花が好き。咲いているのを見ると、まだがんばっているのね、と思う