投稿者「dipex-j」のアーカイブ

前立腺がんの語り

ホルモン注射の副作用で、非常にだるくて意欲がなくなってひどかったが、飲み薬に変えたら少し体が軽くなった

要するに、1ヶ月もつという、1ヶ月に1回という注射すればいいという。それで6ヶ月やりましょうということですから、1ヶ月1回、もう1ヶ月やって、その後は3ヶ月ということだったんですけどね。もう1ヶ月を2回やったら、もうとてもじゃないけど耐えられませんと言ったわけですよ。そしたら、まあ、錠剤にしましょうと。で、錠剤にしたら、まあまあ何とか少し元気が出てきたと。

――どんな症状が出ましたか。

非常にだるくてね、意欲がなくなってね(笑)、ひどかったですね、あれはね。

――意欲がなくなったというのは、例えば日常生活でどんな感じになったんですかね。

日常生活でも、その、何か、意欲がなくなっちゃうんですね。

――普段こういうことができてたのにできなくなったとかいうこと、何かありますか。

いや、もうそれはね、あのー、あのときは本当にね、えー、何か、あれでね、家内がやっぱり隣で見ててね、非常に影響が大きいというのが分かったらしくてね、それで、まあ、一緒に、そのころは一緒に行ってましたからね、「とても何か負担が大きいみたいだ」ってこと言いましてね、そしたら、それじゃ、錠剤にしましょう。注射を錠剤にして果たして影響がなくなるのかと思ったんだけどね、確かに錠剤にしたら、割合ね、あの、楽になりましてね。

――楽になったというのは、具体的にどんなふうに変化があったんですか。

まあ、動きが、体が軽くなったというかね、少し動けるようになった。

――そうすると、体が動かないと。

動かないというかね、もう非常にだるくなってね、倦怠感というかね、そういうふうな感じでしたね。

前立腺がんの語り

男性機能を温存したいという希望を主治医に伝え、カソデックスを2日に1回というペースで始めたところ、てきめんにPSAの値が下がった

「まあ、しかし、やっぱり男性で終わりたいでしょ」ということで、「そうですわ」言ったら、「ほんなら、まあ、だったら試しにね。注射を打てば、完全にね、駄目になりますから。あの、飲み薬のカソデックスだけでいきましょう。それもね、本当は、本来は毎日飲むんです、あれはね。カソデックスは毎日飲んで、リュープリンは月に1回か、まあ、3ヶ月に1回やね。3ヶ月分の注射打つんですけども、その、カソデックス、2日に1回、最小量でいきましょう。多分、それやったら大丈夫ですよ。あなたは若いし、元気だから」。
それで、えー、2日に1回、仕方なしにカソデックス飲んでたんです。てきめんに(100を超えていたPSA値が)ダッダッダッダッと下がりましてね、今。この前の検査では9.5か。9.5に下がりました。で、ある人が賭けてくれまして、「10以下になったら、まあ、嵐山の吉兆ね」、吉兆でも嵐山が一番いいんですよね。「嵐山の吉兆にご招待しましょう」と。ほんで、この前、そういうことを知ってますから、その町医者が「おめでとうございます。10を切りましたよ」言うて、電話かかってきた(笑)。
ですから、今は、最近は9.5です。まあ、ですけど、それをもうちょっとね、やって、4以下にしたら1回ね、まあ、やめようかなと。ホルモンというのは、その、ある程度、耐性ができますから、効かなくなる。ですから、途中でやめて、また上がりかけたらまた飲むということを考えてるんですけどね。まあ、それでもあかんようになったらカソデックスもある…。えーっと、リュープリンもあるじゃないかいうことで、できるだけ長持ちさせないかんですから、そのうちにまたリュープリンに代わるような。これはアメリカが一番ね、多いですから。アメリカが新薬のね、先頭立って研究してますから、できるんじゃないかなと。

前立腺がんの語り

ホルモン療法は男性機能をシャットアウトするので、「かわいそうに」と言われるが、もともと淡泊なほうだし、欲することもないから不自由はない

まあ一番残念なのはね、あのう、何たって、その、機能がね、男性としての機能をシャットアウトするのが治療ですね。まあそれがまあ、人に言わせると、「かわいそうになあ」ってとしみじみ言いますけどね。別に欲しないから不自由はないよっていうことなんですね。もう、欲するのにできないとなれば、それはなんかかわいそうなんでしょうけれど、そもそもないっていうことだから。まあそれ自体がかわいそうだよって、人は言うけど。

――それはやっぱり、ホルモン剤の影響で、あの、今、欲することがあんまりないっておっしゃいましたけど、その性的なことに対しての、意欲があまり感じないっていうことですね?

そういうことでしょ。いわゆる手術っていうと、睾丸(こうがん)の機能をシャットアウトするんですね。うん、ていうことですから、それと同じ治療がホルモン投与ということらしいんですよ。ですから、男性の機能をシャットアウトするのが主流なんですね。…っていうことなんですよ。だから、当然欲しない、要するに。…ってことなんでしょう。うん。

――そのこと自体で、ご自身に対する、ほかの方はかわいそうだなんておっしゃるけど、あまり自分でそれはつらいこととは思わないですか?

ですね。もともと淡泊だったから、ひょっとしたらこの病気になったのかな、なんて思ったりしてね(笑)。それは分からないですけどね。それはこれから、そういうデータも裏付けで出てくるんじゃないですか。そういう突っ込んだ質問もしたらどうですか。「病気になる前はどうでしたか」っていうね、その項目なんかも貴重なデータかもしれないですよ。うん。実際のところ、まあ淡泊だったですね。うん、それで、この治療をして全くその、欲しない、できない、まあ当然欲しなければしようと思わなくなるから。うん、まあ女房がかわいそうかもしれないけどね、まあ分からないけど。

前立腺がんの語り

重粒子線治療の前後にホルモン療法を受けたが、通勤ラッシュの車内で汗が出たり、皮膚のかゆみや吹き出物が出たりして困った

ホルモンはね、やはり、前立腺のがんを小さくするということにおいては価値はあったと思いますけども、ホルモンはホルモンで、やはり急に発汗作用が出たりね。そういうことにおいてはやっぱり、朝の通勤時間なんかに電車の中で急に汗が出てくるわけですよ。で、ラッシュの電車の中でね、汗も拭けない。そして、女学生なんかに「汚いわね」と言われちゃうとね、何も言えないですしね(笑)。無理に手なんか動かしても別のトラブル出てくるの嫌ですからね、我慢しなきゃいけないし。そういう、何ていうのかな、笑い話みたいなことありましたけどもね。
私にとっては、その治療、あの、重粒子の治療終わって、その後もう一回ホルモンやりましたけど、私にとってホルモンは、効果はあったんでしょうけども、副作用がありましてね。あの、皮膚がかゆくなったり、吹き出物出たりですね、そういうことありましたんでね、自分自身ではあんまり好きな治療ではないですけども、それはもうあくまで私個人の経験ですけどもね。

前立腺がんの語り

ホットフラッシュが大変だった。冬でも汗が出始めて、仕事の打ち合わせ中に汗が出てくると困った

あの、日常生活でちょっと困るというのは、私の場合はホットフラッシュいうのが大変でしたです。えー、冬でもですね、治療、ホルモンを受けてたのは12月の末から4月の半ばにかけてですから、割と寒い時期に多かったんですけれども。冬でもどどっと急に汗が出始めてですね。私の場合、そういうホルモン治療中に仕事関係の打ち合わせまでやってたようないきさつがありますんで、相手の方とお話ししているときに、なぜか汗がだあっと出てくるんですね。で、こっち1人ハンカチ出して汗をばたばたふいているわけですね。だから、そういうホットフラッシュというか、まあ、それが非常に頻繁になってくると。それぐらいですかね。
あと、ホルモンをやめればですね、すべて全部復活しますね。われわれ…あの、お医者さんのほうもですね、そのホルモン剤やめた後のテストステロンの回復ぐあいというのも血液検査で調べるわけなんですけれども、割と早くから、要するに平均的な男性並みの回復いうのは割と早くからしてますけれども。だから、やめればやめたですべて皆、あの、元に戻るだけの話なんで、まあ、大したことはないですけれどもね。

前立腺がんの語り

男性特有の油が酸化したようなにおいが衣服に染み込むことが一切なくなったと妻に言われる

男性ホルモンが普通のときは、ほら、よく、うちの娘なんか言うけど、親父くさいとかね、加齢臭がするみたいなことあったんだけど。そういうの一切なくなりましたね。つまり、ほとんどが、女性ホルモンでしょ、今。あの、いわゆる、男性独特の油が酸化したようなにおいっていうか、一切なくなりまして。むしろ、だから、そういう点においては、うちの家内なんかは、汚れ物、ワイシャツにしたって、あの、お布団の敷布であるとか、あと、かけ布団にしたって、あの、油っぽさがどうしても、ねえ、体から出たものは、そういう繊維ものに染み込むじゃないですか。そういうものが一切なくなったそうですよ。全く。

前立腺がんの語り

カソデックスを使い始めて肌がきれいになり、胸が大きくなり、白髪が黒くなって、ニューハーフみたいだと思う

すごく肌がよくなった。ピカピカなった、それニューハーフなんですね、それ。あと問題は胸が白く大きくなった。これは、しかたがないことなんだけど、それは。最初のうちは、乳首のとこが痛いよって言ったけど、走っているときは、こうやってやったときは、痛いかもしれない。今は、もう慣れたから痛くない。
だから、これの薬がどういうことなのかな。がん細胞を殺しているんじゃなくて、抑えているんかなと思って。この前の質問は、お医者さんに聞いたんですよ。「この、カソデックスっていうやつは、抑える薬なんですか。このがん細胞を、殺すやつですか」って聞いたら、何か抑えているらしいですね。
おれ言う、言うんだわ。何もはずかしいことないから。おれはがんでこういうふうにして、数値はダーンと下がったんだからって言うんですよ。

――周りの方が、ニューハーフという言い方をされるんですか?

いや、わたしなりに言うんだもん。だって、これだよって言う、だって、肌はきれいになったし、おっぱいは出てくるし。逆に白い髪の毛が、だんだんここが黒くなってくるんですよね、これが「はあー」って「女性ホルモンってこんなにすごいのかなあ」と思って。

前立腺がんの語り

ホルモン剤が食欲増進の役目を果たすので、しっかり食べて退院時には5~6キロ肥えてしまった

病院で運動しないで、あの、結構食べてましたし、病院の給食というかそれだけでは足らないぐらいだったんで、自分でよく要らんもんまで買いに行って食べてましたんで、終盤だいぶ太りましたね。ホルモンというのが、ホルモン剤というのがね、割と食欲増進の役目もするんですね。ですから、余計腹が頼りない感じで割としっかり食べましたから、うーん、退院のときには、まあ5~6キロ肥えてましたかね、ふた月弱、ほぼふた月ですけど。まあ、今は戻りました。やはり運動を始めて戻りましたけれども、まあ、ホルモン療法を受けてる間は、ですから、まあ、あの、入るからといって大食いをなさらないほうがよいかと思います。

前立腺がんの語り

ホルモン療法で、乳が下がってきたような感じがしたので、ダンベルを使って筋肉をつけるようにしたら元に戻った(音声のみ)

ただ、変な話、ホルモン、男性ホルモン止められちゃいましたから、何か、こう、乳がこう下がってきたような感じなんですよ。「何か、俺、俺、女になっちゃったみてえなあ」なんてよく冗談言ってね。「どうして」なんて言われると、「何か、鏡見ると、あの、乳が下がってきたような、そんな感じが、いくらかふくらんできたような感じがするぞ」なんて。で、それじゃあしょうがねえな、どうしたらいいかなんつって。それで、しょうがない、このダンベル、ダンベルとその腹筋、これ始めて。で、もう、バカづらして、あの、テレビなんて見ているときは、このダンベルでしょっちゅうこうやっていて。今、ほら、こんなすごいですよ、私は(腕の筋肉を見せる)。ね、それで、あの、ここ(胸)も下がったんが持ち上がってきました。あの、こう、このダンベルでこれやると、この筋肉(胸の筋肉)が動くんですよ。で、上がります、やっぱり。だから、あの、以前より、あの、仕事は辞めちゃって筋肉ゼロになっちゃって。重たいもんもそれこれ持てなくなっちゃたんが、また、元に戻りましたね。
だから、ある程度、やっぱり、その…何というんですか、その、お医者さんで、あの、男性ホルモン止められちゃっても、その、なよなよっとしないで、あの、今言ったように腹筋だとか、あの、ダンベルである程度筋肉つければ筋肉はつきます。これは、あの、わたし、あの、結局、あの、前立腺やって、あの、男性ホルモン止められちゃっている人。これは、私は絶対いいと思いますよ。これやんなくちゃ駄目です。あの、それで、まして、年とっちゃうと筋肉がなくなっちゃって。あの、とにかく、10日も寝ちゃうともう筋肉ほとんどなくなっちゃいますから。だから、あの、ご飯が食べられるようになったら、あの、ある程度の運動をして。あの、筋肉をある程度つけるようにしないと、歩くのにも大変になっちゃうし。

前立腺がんの語り

山の会に入っていたが、ホルモン療法を始めたところ体力が落ち、遅れてしまうようになったので会を辞めてしまった

で、私、そのころ、あの、ちっちゃな山の会に入ってて、よく山へ、ね、一緒に行ったんですけど。何かすごく体力が落ちるっていうか。何ていうかな、そう、こう持久力がなくなるっていうかね。もう遅れちゃうんですよ、どうしても。だるくなるっていうかなあ。で、もうそこで、その会もやめたんですけどね。ええ。もうゆっくり行くときは、もう1人で行かなきゃあかんということになったので。で、まあそういう副作用が、そういう薬を服用している限りはありましたね。
で、そのHIFUの治療をする直前に、もうやめる、それ(ホルモン療法)はやめなきゃあかんということでやめて。それからもう、だんだんとそういう副作用が薄れていって、あの、まあ普通に戻ったという、こう感じですね。だから、別にその、一時的に副作用があっても別にどうっていうことはなかったですよね。だけど、まあずうっとその、やっている人はどうか分かりませんけどね。そういう治療法を選んで、ずうっとね、注射を打っている人もいますからね。