投稿者「dipex-j」のアーカイブ

前立腺がんの語り

進行がんの場合は特に、患者サポートの一つとして、経済的なアドバイスが出来る専門家が医療チームにいてくれるといいと思う

経済的なことは、やっぱりとても大切ですね、すみません。そのサポートを、患者サポートの中で言うと、経済的なアドバイスをいただけるということがとても大事ですね。まあ今で言ったら、フィナンシャルプランナーさんとかね、そういったことをサポートする、がん患者に対してもそういうサポートなんかをする、まあそのプロジェクトチームなんかの一員に、こう専門家の中の、リソースの1つに入っていただけたらいいんだと思うんですけどね。現実的に、問題になりますね。えっと、特に病気が重い場合、まあ進行しているがんの場合はね。

前立腺がんの語り

転移したときに、今の自分の経済力で太刀打ちできるのかという不安は絶えずある。安心して病気になれない

だから私の年金では、がんのあり方いかんではね、惨憺たるものになると思いましたね、私の生活は。あの、薬、今は錠剤にしたけど、あれ、1粒約400円だからね、そうすると4×3=12、1万2千円、そうするとね、あーこれはなかなかね…と思いましたね。うん。結構またかかるんですね。他にもその結構あちこちと、ある、出てくるんですよね。
だからその一番恐ろしいっつうのはそれですね。際限なくこれが、かかるようになったら大変だなと。だから転移って言ったときも一番おっかねえのはそれなんですよね。転移して処方、何やんなきゃいけない、かにやんなきゃいけないなんていったときにね、うーん、今のおれの経済力で、太刀打ちできるのかなあーと、その不安は絶えずね、どこで誰も今んところ診てくれるっていうのは、言ってないからね。まあ、一番大きな、そうだね、安心して病気になれないっていうのは。うん。
相当のんびり屋で、これからも、今までもそうだったし、これからもそれで押し通そうと思ってるのが、おい、どっこい、そうはいかないぞってね。大手を広げてね、待ったをかけられそうな気もするなと思うと。まあ悪いほうへ考える、その、それがトップですね。うん。現実味を帯びた、その不安というのは。特に今度のように足腰がぐっと痛くなると、あれっ?と長引くとね、これはお医者さんがそろそろだって言ってたけど、本当にそろそろになっちゃうのかなあと思って。うん。

前立腺がんの語り

考えても解決するわけではないが、病気が長引くことで、今後お金をどう工面したらいのか、経済的な不安を感じる

だからまあ、一番心配というか、私は(がんに)なったときに…うーん、そうですね。あのー、経済的なのが全てっちゃ言わんけども、経済的なやつが原因で・・・原因でというか、それ未解決。考えても解決するわけないんですけども。「ああ…どうしようかな。どこでどうして金工面しようかな」とかね。で、ひょっと、この病気が、恐らく長引くであろうその後、どうして飯食うていくか。ま、金銭的な、先ほども言ったように、ずっと「恒産ありて恒心あり」っちゃまさにその通りでね。金がないと気持ちも変わらん。何かこうやっていこうと思っていかんと、まあ、一番原点に戻った情けない状況で。

前立腺がんの語り

診断後、気落ちのため全く仕事にならず雇用継続を断られてしまった。65歳前の年金受給を希望したが「身体が動くなら支給対象にならない」と言われてしまった

一応3月で(雇用が)終わって、手続きをして、取りあえずは年金の一部と、それから、今、失業保険ですな。それをもらった中で…それでも月に直すと20万は行きませんわね。まあ、女房と私と2人だけですから、食う分はそこそこ。ところが、ご存じの通り、あと、食う分はそれでいいんですが、光熱費だとか、ほかのまた税金だとかね、必ず払わにゃいかんやつ。それ考えると、完全マイナス、赤ですね。
私が経験してきた中では、少なくとも、(年金支給を)延ばした4年間、その措置ぐらい何とかしろよという。で実は、社会保険事務所(※現在の年金事務所)にも行ってみたんですが、「何か本当に働けませんという証明ができれば、簡単にいく」と。「働けません」ちって、見た通りのあれやから、「どう見てもおっさん、あんた、働けん体じゃないよね」というふうな。「いや、わしはこうして、がんのあれ、ありまっせ」というふうな。「いやそれでも、体動かんのですか?」「うん、ここ(頭)は動かん」って。「体はここまで来たけん、動くっちゃろうね」っていうような話。「ああ、そら出まへんな」って。「出まへんな」っちゅうか、「対象になりませんな」という。
まあ、ルールはそうなっとるんでね。わしは、たまたま…そしたら、今度は、真似する奴が出てくる、必ず。五体満足であっても、ええとこだけ持っていくというね。まあ、それをこう歯止めかけるためのルール、そのためのルールがあるんでしょうけどもね。うん。ということで、今のは愚痴でござんす。
でも、何とかそれはねえ、してもらいたいよねえ。特にわしらの後は、もう65でしょ。65は、今まで…55が60になり、60が65になり、やっていくんで…うん。やっぱサラリーマンちゅうのは、その辺がきついとこですな。うん。やっぱり運ですかなあ。「下駄になり、琴になるのも桐の運」っちってね。うん。

前立腺がんの語り

58歳でリストラされて60歳で年金の半額をもらえるようになるまで、長男の援助をもらっていた。その2年間が一番苦しかった

今、63になって、10月からようやく年金が満額になりました。今は、別に、まあ自分の年金だけで、まあ、生活ができると思います。その前は、まだ、年金のほうが一応、60からもらったんですけども、3年間、半額以下だったもんで、経済的にどうしても家族の援助・・・特の長男の援助がありました。ええ、そのあとの、その前の、ま、2年間が一番苦しかったですね。えーと58で、一応、58まではサラリーマンとして、一応、ま、いい給料、取っとったと思います。でも2年間、リストラを、リストラされたあとに、年金の半額をもらうまでの2年間が一番苦しかったです。58までは、サラリーマン。で、あと、60歳からは、年金の半額、まあ、いただきましたけども、その58から年金の半額60になるまでの2年間が、一番まあ、つらかったですね。

前立腺がんの語り

浮腫のケアのために必要な矯正ストッキングは2万円以上と高額で、およそ6ヶ月で交換しなければならない。保険が利くようになって助かった

ほいで、そのストッキング、高いんよ。大体1万5,000円から2万ちょっと、何したやつやったら、2万2,000か3,000円するわけやな。ほいで、それは、まあ、大体6ヶ月ぐらいで、ゴムが緩んでくるんで、新しいやつを替えないかん。ほうやてに、わりかた高うつくんよ。ほいで、保険でかかったらええのになあっちいうて、大概、まあ、みんな、その(リンパ浮腫ケアの患者)会の人らが、何かそこたいじゅうの(そこらじゅうの)先生らにずっと案内してくれて。それが、まあ、大体伝わってきたんで(保険が利くように)してくれたような格好やな。

――じゃあ今は、負担はどれくらいなんですか。

ええ、あれはね、もう保険でかかるようになってから、3割負担で、ええ、いけたです。

――ストッキング自体も3割負担なんですか。

ええ、負担、ええ。

――じゃあ、随分変わりましたね。

ほうやてに、なあ、3割負担やさけに、2万円でも6,000円ぐらいでね、買えるようになったんよ。うん。ほいで、こういうことで、みんながな、してくれたんで、まあ、こういう浮腫の人が助かるんじゃないかなと思うんやけどね。うん。

前立腺がんの語り

「いい」と言われる健康食品や漢方は全部飲んだ。漢方で月20~30万、その他健康食品だけでも月30万くらいの費用がかかった

それと、漢方もやりましたわ。漢方が高く付くんですわ、これ。漢方ね。漢方も、月30万ぐらいでしょう。それから健康食品もね、アガリスクだとか、フコイダンだとか、あと「いい」と言われることをね、みんなね、全部飲みましたけどね。それも高いですよ。フコイダンなんかはね、1升ビンで20日間ぐらいかな、10日間ぐらいかな。であれが、なんぼか、4~5万かかかりますからね。健康食品だけで30万ぐらい飲んでましたかね。それと漢方ね。漢方、月20万ぐらいかな。今はもう、漢方やめてます。健康食品は今はね、普通の健康食品。まあ、ビタミン類とかね。あの、CoQ10(コーキューテン)ですか、なんやらCoQ10て今…。CoQ10いうのがあるでしょう。コエンザイム。ああ、コエンザイムか。

――はいはいはいはい。

ね、CoQ10ってコエンザイム。ああいうのはね、一般的なやつは飲んでますけどね。あれはそんなに高くないですからね。

前立腺がんの語り

治療を続けるには気を紛らわすことも大事で、それにはお金もかかる。経済的に大変な中で、やりたいことをやらせてくれる妻の支えはありがたい(音声のみ)

やっぱりあの、はっきり言うと妻の支え、理解だと思います。あの、言葉で言うならば。それはなぜかというと、あの、わたしの場合ね、何か、やろう、やりたいっていうようなもので、気を紛らわすっていうように先ほどから言っているでしょう。そういうものっていうのは、結構お金使うのよ。経済的に、病気治療にも、いくらこれからかかるか分からないのに、そういうもの、おれの思いどおりに許してくれている妻がいるということだと思うのね。
それをもう、経済的に大変だから、そんなの駄目、何駄目、かに駄目って言われたらね、多分わたしはもう、きれていた…きれてるちゅうか、簡単に言うともう、じゃ、どうやって向き合ったらいいかって。つまり、気を紛らわすって簡単に言うけれどね、これは、なった者じゃないと多分分かんないと思うけど、四六時中ね、頭から離れないものよ。ましてあの、闘病に入っている方、病院にずっと入院されている・・・入院しなくても自宅療養なされている方。末期で、ホスピスなんかに入れる人はまだいいですよ、お金のある方しか入れないわけだから。そういう方だって、ある意味、家族から支えられているというかもしれないけれども。
それ以前にね、どれだけやっぱり、自分が、なしえたかとか、取り組んだかとかいうことが…ありたいじゃない。例えば、70、80まで生きた方ならいざしらず、わたしらみたいに、まだ50になったばっかりの人間からすると、いやあ、こういうことやったんだ、したかったんだ。あの、自己満足でも何でもいいからね、そういうのが、こう作りたいっていうのが、すごく強くてね。こうありたい。
そうするとね、やっぱり、ちょっとした道具とか(笑)、つまり、アイテムが必要なわけで。手段もね、いろいろ。例えば、車にしたってさ。ね、何回も治療に行くのに、大変な車じゃなくて、やっぱり疲れない車がほしい、必要だ。自分の興味あるものには、惜しまず…惜しまずって言ったらおかしいけど、もう、惜しみながらも、そう考えながらもだけど、結構お金使うわけ。

前立腺がんの語り

高額な試験的治療を個人負担で受けなくても済むよう、臨床試験に国がもっと補助を出し、民間の寄付でも研究が進むよう税制を改革すべきだ(音声のみ)

今一番してもらいたいのはね、何とかペプチドとかっていって、久留米大学かな。そこで取り組んでいるのに、じゃあ東日本でどっか取り組んでるところあるんだかって、ないって言うんだよ。
そういうのを、だからさ、保険きかないんだよね。うん、保険きかないのに、厚生労働省の、文部科学省かな…の補助を受けて、やっているんだ、そういう免疫療法の。すべてそういうレベルで終わってんのよ。ほんで、20人にやってどのぐらい効果があったとかいうデータも、インターネットで見ることできる。だったらさ、少しねえ、フリーにやれるようなところがあっても良さそうなもんじゃないかなあって。そしてそれが、お金が絡むんならば、それこそ公費で。
あと、全額個人負担は大変なのよ。そういう樹状細胞の関係もそうだ、民間でやってるのも、もう、100万200万300万かかるのザラだから。こんなの、普通の人は受けられないですよ。だったらやっぱり、国の機関がね、ある程度補助を出して、取り組んだような、臨床の…試験だったらさ、もう少しもう少しデータとるために、一生懸命になればいいのにねえって。
で、そういうところに寄付をつのったりして、そういう寄付については、税を免除することね。日本の場合、ほら、ちょっとあなたご存知ないかもしれないけど、あの寄付したら、ある程度、所得から免除される制度あるでしょう。その限度は500万なのよ。で、外国なんかは違いますよ。やっぱりそれは社会的な、そういうところに寄付するっていうのが、ステータスになっていて、何千万、何億って寄付する。だからねえ、がん専門の基金なんか、民間に設けていたりとかするわけで。全然、訳のわかんないところに、お金ばっかり流れてさ、日本の国民でこうやって病んでいる人のために使われるようなお金の使い方になっていない。

前立腺がんの語り

今後ホルモン療法が効かなくなったとしても、保険が利かない薬だと経済的負担が重すぎて病気どころではなくなってしまうので、無理だと思う

――経済的な負担は、やっぱり、あの、軽くはないという感じですね。

そうですね、結構、皆さんそうだと思いますよ。うん、あの、お知り合いの方も、いろんなそういう、あの、治療で費用がかかりますって言われますんで。あの、決して、だから、その保険の利かない薬だとかいうのもあるかも分かりませんけど。ま、できるだけね、保険がかからない薬って、とてもじゃないけど、もう、経済的に負担が重くて、病気どころじゃなくなっちゃうなあということは思いますね。うん。

――ご自身としては、その治療の中に、そういう保険が利かないようなお薬っていうのは、あまり積極的には。

うん、まあ、無理でしょうね、やっぱり、経済的にもねえ。うん。