――大学ではずっとその手話通訳者を付けてもらったっていうことだったんですが、そこではパソコンではなくて手話通訳者にしたのは、大学から言われたからとか、何か理由があったんでしょうか。
はじめには、大学のときにはパソコン通訳はほとんど使いませんでした。それは、パソコン通訳のためのソフトがまだ、十分ではなかったからです。パソコン通訳を点字で表すためには、いろいろな工夫が必要なんです。ですが、大学のときにはその専用の知識を持っている人がほとんどいなかったんです。ですので、なかなかパソコン通訳を受けることが難しいという状況でした。
受けられないというよりも、パソコン通訳を使うように、使うような意識がなかったということかもしれません。ですが、大学院に入ったことをきっかけとして、情報アクセシビリティとしての、試しにパソコン通訳を受けることになりました。大学院ではパソコン専用の知識を持っている人がたくさんおりますので、パソコン通訳を点字で受けるようないろいろ工夫もしてもらいました。そのような流れがあって、大学のときにはほとんどパソコン通訳を使わなかったということです。
――分かりました。えーと、大学院でのその勉強は今、こう、パソコンを使ってあまり介助者、通訳者を付けないでやっているっていうことなんですが、授業の内容としては講義が多いんですか。
そうですね。あまり触手話通訳は使わないです。ですが、比率としては半分くらいです。講義の内容に合わせて触手話通訳を使うときもあります。パソコン通訳のときには、主に講義が多いです。そして、例えばディスカッションなどの授業の場合には触手話通訳を利用する。また、大学院では聴覚障害学生だけではなく、視覚障害者、視覚障害の学生も、キャンパス、キャンパスが一緒ですので、そこで講義を受ける場合もあります。で、施設が違います。それぞれ違いますので、パソコン通訳のための設備がない教室もありますので、そういうときには触手話通訳を利用するということになります。
――分かりました。ありがとうございます。そうすると、今の大学院のほうだと、障害学生も多くて、割とサポートを受けるのはスムーズだったっていう感じでしょうか。
はい。そうですね。
――大学院でそんなに困るっていうことは、今のところはないですか。
そうですね。大学と比べると、困ることは少なくなったと思います。