投稿者「dipex-j」のアーカイブ

英国人の乳がんの語り

治療への失望からサポートグループを始めようという気になった

もちろん、このような癌の体験を通じて、この国の国民医療サービスには失望しました。この制度にはがっかりさせられましたし、乞食同然におとしめられただけでなく、人生さえ破壊されてしまったようなものです。私はゼロからやり直さなければなりません。私は自分と同じような人々を助けるため、癌のサポートグループを始めようと思いました。
私と同じようなことが起こったときに彼らが闘う手助けをしたり、癌を克服した先に人生が続いていることに気付かせてあげたり、癌について率直に語り合える場を提供したり、痛みへの対処法を知ってもらったり、家族がうまくやっていくのを助けたり。通院の手助けをすることもできるかもしれません。それだけでなく、彼らに「私も同じでした。私も癌と診断されて、同じ経験をしてきました」と話せば、彼らは本気で耳を傾け、頼りにしてくれるでしょう。自分が実感していることですが、医師に相談するよりも効果的です。患者は医師よりも、仲間の患者を信頼するものです。

英国人の乳がんの語り

サポートグループに参加することの長所と短所について説明している

私たちはおびえ、高揚した気分、落ち込み、情報収集などを分かち合うことができます。誰かのためになることはないかとお互いに注意し合っています。
本当に多くの人が自分たちで集めた情報用のフォルダーを持っていて、書籍などあらゆる物を交換しています。楽しい時間を過ごし、よく笑います。今や私にとってとても大切な女性達が沢山いますよ。
最近、その内の一人を亡くしました。勿論これが病気の現実です。今後も親しい人を亡くすでしょう。私たちはみな同じ気持ちで、彼女が亡くなって淋しく思っています。私は彼女の為に祈ります。これが今できる精一杯のことだから。でも彼女が生きていた時にも最善を尽くしましたし、亡くなったのが私たちではないことは分かっています。これが現実で今後とも起きることでしょう。これがこの病気の特徴なのです。

英国人の乳がんの語り

書類の作成や経済的不安に関してサポートグループから得られた支援について述べている

がんと診断されてから入院している期間中に支払われる給料は、それまで長年働いたというのでなければ、通常の約3ヶ月分でしょうか。もしかしたら、通常の半分の額で数週間から数ヶ月分くらいかもしれません。それと、誰か色々と手伝ってくれる人も必要です。私の場合、キャンサー・ブラック・ケアというサポートグループに本当によくしてもらいました。私に代わって書類を作成したり、電話もかけてくれました。そうやってきちんとサポートしてくれたのです。
問題や心配事を抱えているのは、治療を進めていく上でよくありません。今月の支払いをどうしようとか、子どもたちにちゃんとご飯をたべさせてあげられるかしらとか、どうやってやっていけばいいのか等と心配していては、何もよくならないのです。先程お話したサポートグループのメンバーが私の代わりに色々な書類を書いてくれました。本当にできる限りのことをしてくれたのです。

英国人の乳がんの語り

自分が運営する、乳がんになった若い女性向けのサポートグループについて話している

その団体はThe Young Onesという団体で、レイチェル・ファロンによって2000年10月に設立されました。悲しいことに彼女は炎症性乳がんが再発して亡くなってしまいました。
月1回会合があり、お茶を飲んでおしゃべりをします。ときどき講演会や催しを開いたりします。団体の運営資金をまかなうために、寄付金を集めたりもします。催しは、資金調達のためだけでなく、私たちのような支援団体があることを知ってもらうためでもあります。地域には、私たちと一緒に活動している別の乳がん女性支援グループもあります。
この団体には、家族や友達や子供を連れてきても良いんです。じっさい時々メンバーの友人がきます。おなじくらいの世代、というだけでも共有できるものがあると思うんです。年代によって経験も違ってきます。話したいことがらも違ってくるでしょう。私自身が語ったように、結婚生活にどう影響するかとか、子供への影響はどうか、などです。

英国人の乳がんの語り

自助グループを立ち上げることやその有用性について説明している

(乳がん患者が)感情面でどんなことを必要としているかについては、ほとんど認識されていなかったのです。物事を共有し、語り合うことの必要性についてはほとんど知られていませんでした。私は、皆としゃべったり、他の患者さんの言葉に耳を傾けることが好きでしたが、当時(28年も昔のことです)、それはとても難しいことでした。でも、私が言っているように、それが当時の状況だったのです。あの頃は、ちょっとした反対もあったようですが、でも、それにもかかわらず、私たちはコベントリーにこのグループを立ち上げたのです。まもなく、それは互いを助け合う自助グループになりました。学生さんたちが、立ち上げのための困難な仕事を全部やってくれ、最初の設立会議も準備してくれました。その後は、私たち患者が自分らの力でこれを継続できることを知ったのです。彼らはみな、もし彼らに誰かそれを共有した人、理解してくれる誰かがいれば、乳がんを患ったトラウマ、それはほとんど乳房切除のことですが、そのようなトラウマからとりわけ感情的に回復するだろうと感じていました。そしてその誰かというのは、感情的に深いつながりを持つ家族ではなく、それ以外の人という意味です

英国人の乳がんの語り

自助グループへの参加は、彼女の病気に対する気持ちが、他の多くの女性たちにも共通するものであることを知る機会を与えてくれた

実際に私達が行なったことといえば、輪になって座って、各自の経験を順番に話していくことでした。そうすると参加している皆さんに何が起こっているか理解できます。様々な人々の中に沢山の出来事が起こり、しかも、それらがまた、私達の全てに起きていたことを知って、本当に驚嘆させられました。
ありとあらゆる感情を私達は経験しました――失望感、それに自分が不潔に感じたりもします。とても馬鹿げた感情も存在します。あと知恵として分かる事ですが、これらの感情は辛い経験を通して湧き上がってきているのです。但しその事についてあなたが誰かと語りあったりわかりあえたりすることで気分が晴れたと思います。随分気が楽になっただろうと思います。特に理由もなく憂鬱な気分になることもありましたから。だから
もしあなたが誰かと語り合えたとすると、その行為がとにかく良いことなのだと、伝えたいわ。

英国人の乳がんの語り

がんに関する他の女性の語りは自分の支えにはならなかった

サポートグループへの参加が必要だと感じたことはありませんでした。グループは地元に1つあるはずです。けれども、私は必要な情報をすべて得ることができました。インターネットで検索できますし、医学図書館にもアクセスできます。ですから、情報を得るために手助けが必要だとは感じませんでした。また、私は職場でも家庭でも十分なサポートを受けていました。グループに参加する必要性は全くありませんでした。
でも、ある意味で、サポートが役に立ったかどうか分かりません。なぜなら、私は癌であることをくよくよ考えたくなかったからです。癌であることは私の人生の一部として以前と同じような生活を続けたかったのです。ですから、私は癌が生活の重要な部分を占めてしまうことを望みませんでした。癌を私の人生の一側面だけにとどめ、人生の特別に大きな部分だとは考えないようにしました。

英国人の乳がんの語り

サポートグループに参加しなかったのは病気のことばかり考えていたくなかったからだ

サポートグループへの参加が必要だと感じたことはありませんでした。グループは地元に1つあるはずです。けれども、私は必要な情報をすべて得ることができました。インターネットで検索できますし、医学図書館にもアクセスできます。ですから、情報を得るために手助けが必要だとは感じませんでした。また、私は職場でも家庭でも十分なサポートを受けていました。グループに参加する必要性は全くありませんでした。
でも、ある意味で、サポートが役に立ったかどうか分かりません。なぜなら、私は癌であることをくよくよ考えたくなかったからです。癌であることは私の人生の一部として以前と同じような生活を続けたかったのです。ですから、私は癌が生活の重要な部分を占めてしまうことを望みませんでした。癌を私の人生の一側面だけにとどめ、人生の特別に大きな部分だとは考えないようにしました。

英国人の乳がんの語り

病気になったときに、友人たちがこれまでと同じようにつきあってくれることが、いかに重要かみんなに知ってほしい

ガンになったことのない人に知っておいてほしいことがあるの。それは、ガン患者は他の人たちに関心を持ってほしいと思っているということなの。
いろいろ質問をしてほしいわ。押し付けがましくてもかまわない。この病気になると、ふれあってくれることがただうれしいの。それは、自分が必要とされ、好意をもたれていて、自分の人生が重要なんだと感じさせてくれるの。生きていてほしいと望まれていると。

英国人の乳がんの語り

がんと診断された人にとって、家族や友人からのどんな言葉が支えになるのか紹介している

私からのアドバイスは、もしもあなたと非常に親しい誰かが癌と診断されたら、決して「理解できるわ」とは言わないことです。あなた自身が癌にならない限り、理解することなどできないのですから。その代わりに、その人が1人ではないこと、あなたがそばにいること、一緒に立ち向かうことを語りかけ、確信させるのです。必要な言葉はそれだけです。シンプルに聞こえるかもしれませんが、大変意味のある言葉です。