インタビュー内容テキスト

あの、「この病院では、全摘しないといけない人には、そういうふうに、こちらから言うけれども、こんな初期の部分で、十分に、あの、部分的に手術ができるのに、できる人にしか言わないんだから、大丈夫ですよ」って。で、「女の人が乳房を失うっていうことはね、すごいかなりあとから、響くことだっていうふうに聞いているので、慎重に選んでほしい」って、何度も何度も先生に注意されたんです。ほんとに、何度も、注意してくださったんですよ。ところが、もう思いっきりがいいというか、最初からもうずっとそう思いこんでいまして…。
後悔はしていないというものの、やっぱし…、それほど、自分が女性であるっていうことを意識したことがなかったですのに、あ、考えて考えたうえでやったのに、こういうことなのかっていう受け入れ方を、ができるのは、ずいぶんあとのほうになるまでできなかったです。失った悲しみというのでもなかったですけれども、もう、こういう体なのだっていうのは、受け入れましたけれども。あの、精神的に……、そういう姿であることに慣れるのは、やっぱり、時間かかりましたね。その、片腕がないとか足がないとかっていうような病気ってありますよね。怪我とか病気とか。それと、同じことである。ま、洋服着ているから、あのー、分からないようにね、今はいろんなこう分からないようにできるようになっていますけれども。自分が一番最初に思ったのはね、忙しいときで、遠い病院に行くのも、最初は1~2回車で連れて行ってもらったんです。でも、あんまり、その、仕事に支障をきたすといけないと思ったので、電車で通えるようって思って、電車で行くようになったんですよ。そしたら、雑踏の中歩くんでも、もう、もう、その悪いほうの胸を、こうスルメじゃないですけどスルメ状態みたいにこう意識してしまっているんですね。だから、さっさっと歩いているのにこっち側ばっかり風受けるみたいな感じで、すごく何かこっち側にない、ないっていうのが意識するわけです。「あ、受け入れられていないわ」ってそのとき思いました。「自分で受け入れることができていないからこんなに意識するんやな」って思って。で、傷口は当たると痛いっていうのもありますから、それを避けているっていうのもあるんですけれども。片一方しかないっていうのを、意識したのは、通院するときに意識しました。
だから、ちょっとくり抜いて手術するとかだったら、そういうことなかったわけですよね。そういうの、全然、手術前は考えもしなかったです。だけど、そういう姿になって、「あ、こういうことなんだって、自分の選んだのはこういうことだったんだ」っていうのは、通院するときとか、ま、病院の中で移動するときに、走ってきている人はないんですけど、すごくかばうわけですよ。で、「あ、そういうことなんやな」っていうのが、だいぶ年月経たないと。もう、最近なんかすっかりね、あの、そういう感覚は忘れてしまってますけど、こうやってお話しているとそのときの感覚はより、こう戻ってくるんですけど。そのころは、そういうことばっかりだったですね。

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