※写真をクリックすると、動画の再生が始まります。
インタビュー時:50歳(2017年2月)
疼痛期間:20年
診断名:右脳被殻出血、右顎関節症。
甲信越地方在住の女性。一人暮らし。45歳の時に脳出血により、左半身不全麻痺になり、現在も左半身全体に強い痛みとしびれがある。強い痛み止めを飲んでいるため、足の指の骨折にも気がつかないほどである。さらに20年来の顎関節痛があり、口腔外科も受診している。現在は、頓服の痛み止めを使い、訪問看護などのサポートを受けて日常生活はなんとか自立できている。就労支援の一環で、革で小物を作る作業をしており、好きなことに集中していると一時でも痛みから気をそらすことができる。
語りの内容
平成5年ぐらいになるかと思うんですけれども、あの、顎関節症がわかりまして、それは虫歯、きっかけにということで、だったんですけれども、あの、顎に負担がかかっていることで、あの、治療を始めたんですね。肩首まわりも痛いっていうことなんかも話しながら、だったんですけれども。
で、その治療を、継続的にマウスピースを使ってしていたんですが、その後に、うんと、平成23年、24年ぐらいに、脳出血、右被殻出血をしまして、左半身に、あの、不全麻痺が出たんですね。で、えーと、いったん、こう落ち着いてきていたその顎関節由来の痛みが、歩いたり、体の使い方の負担が変わってくることによってだと思うんですけれども、どうも、こう、喉の違和感とか、こう、顎まわりの痛み、肩まわりの痛みというのがすごくひどくなったということがあって。その、もともと通っていた歯医者さんにもう通えなくなってしまって、新たに自分の近所の、うんと、歯医者さんに通わなければいけなくなって、長く通っていた歯医者さんから紹介を引き継いでもらって。で、今その痛みを治療…、マウスピースをあらためて作り直して様子を見ているというのが1つと。
あの、その、被殻出血の由来のものと思われる半身の痛み・痺れ、それがもうどうにもならないっていうことで、そちらのほうは、そちらの、まあ後遺症とかリハビリも含めた管理のほうの、うんと、痛み止めを使ったりしながらの治療をしているという感じなんですけれども。なかなか治まりづらくて、日常もね、難しいなと思いながら、うん、頑張っているところなんですが。
で、ただ、こっちの痛みが以前の顎関節症だけだったころは、ただ痛い、肩凝るとか、そういうものだったんですが、今は、えっと、脳出血由来のその痛み・痺れを伴った、えっと、訳のわからない、うーん、凝り・痛みに、この周りがものすごく、こう影響されてしまって。顔まわりってうっとうしいじゃないですか(笑)。余計、こう、つらくなっている感じがあるんですね。
インタビュー37
- 理学療法士が定期的に握力や痛みの度合いを測定してくれるので、自分でもそれを数値で確認することができて、リハビリを努力しようという気持ちの支えになっている
- 顎関節症で顎に負担がかかっており、肩・首も痛く治療を始めた。その後、右被殻出血になり左半身不完全麻痺が出て、顎関節由来の痛みがひどくなり、なかなか治らない
- 体を壊したことで、引っ越しを余儀なくされたり、ヘルパーやデイサービスなど余分な出費が増えた
- 動かすのはつらいが、動かさないことへの恐怖、プレッシャーがあり、やり過ぎて余計に壊してしまうことも。リハ仲間は「やり過ぎないで」と声をかけてくれる
- 理学療法士は、終わりのない不都合さを抱える自分に、こつこつ動かして身体が維持できるように付き合ってくれる存在。維持できることが理学療法の効果
- 介護保険で運動主体のデイケアを週2回利用。痛みの一日が始まると思うと、固まって動きたくない…とも思うが、動くと痛みは軽くなり、動けることが喜びになっていく
- 顎関節症の治療の一環として、うつ系のカウンセリングの紹介を受けたが、内にこもっていく、合わないタイプのカウンセリングだった