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インタビュー時年齢:41歳
障害の内容:全身性の肢体不自由(脳性麻痺)
学校と専攻:大学・医学(1995年度入学)・大学院・医学系研究科生体物理学(2006年度入学)

中国地方出身の男性。電動車椅子を使用している。高校までは普通学校に通い、周囲に勧められて進学を決め、首都圏の大学へ進学した。同時に一人暮らしを始めて、「お互いさま」で友人の助けを借りながら生活を続けた。もともとは数学が好きだったが、人への関心が高まり、専攻は医学を選んだ。実習や研修では教科書通りにいかない身体である難しさを感じたが、そのつど周囲とのつながり方を考え、工夫と調整を重ねた。現在は大学の研究者。

語りの内容

やはり後半の病棟実習が、だいぶこれまで(学内の演習)とは違って、処置はいたしませんけれども、問診をしたりですとか、あるいは簡単な診察をしたりですね、そういうところで実際に患者さんと触れるということが始まりました。
そこはやはり、例えば、問診は何とかなるなと思ったんですね。お話をするということに関しては。ただ診察のところで、内科診断学とかありますけれども、例えば打診が結構難しいかもなとか、えー、聴診で手が十分に患者さんのところまで届かないかもしれないなとか、そういうところで幾つか不安を抱えながら、ただ、何ていうんでしょう、そこまで踏み込めずにというんでしょうかね、学生の立場なので、ぐいぐい何というんでしょう、患者さんに協力を求めるわけにもいかず、何となくこう、打診これできているのかな、ちょっと分からない状況。
あとは、あれですね、神経内科の打腱器を使った診察は結構ハードルを感じましたね。神経内科の診断学ですね。このあたりは、あの、少し心配を感じながら実習をしていましたね。
で、自分なりに工夫はしたんですけれど、やはり研修医になるまでの間は学生の身分で工夫をした内容に患者さんを付き合わせるというのもちょっとハードルが高かったので…、少し踏み込めずに不安なままちょっと実習をこなしていたようなところがあるかもしれないですね…。
で、一方ではその知識としては処置っていうものも入ってくるので、実際はできないですけれども、これは処置は自分にとってできるものなんだろうかっていうのは、これもまた不安ではありましたね…。あと手術室に関しては、これは、外科は難しいと思うと、思いました。ここでいろいろチャレンジをするっていうのは、私にはないだろうなというふうに当時は思いましたね…。
一方で、その内科で、患者さんの鑑別診断をリストアップするとか、検査計画を立てるとか先行研究をサーベイして、検査結果を読み解いて、方針を立てるっていうところは、これは楽しいという、楽しいかもしれないと思いまして、わりとそこは張り切ってやっていましたね。
その患者さんの見立てをレポートにまとめて、出して、それが担当の研修医とか、チューベン、オーベン(上級医やより若手の指導医)に採用されて実際検査をしてみたら当たってたりすると、ちょっとこう、これは何か。医療の全てができるわけではないけれども、もしかすると自分が、貢献できる場所があるかもしれないっていうふうに感じることもありましたね…。はい。

私は: です。

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