遺体の身元確認

死没後、その遺体は正式に身元確認されなければなりません。その場合、身近な親族に依頼することが多いのですが、それは必要条件ではありません。火事や爆発で死亡した場合は、歯科治療の記録やDNA鑑定という手段を使って身元確認を行うこともあります。

マーティンは、致命的な事故に合った直後の妻の遺体を見ました。歩道でバスにひかれたのです。二日後、彼は病院で遺体の身元確認をしてほしいと言われました。

レイチェルの息子のデーブがイラクで爆弾によって殺された時、その遺体は飛行機で本国に搬送されました。その翌朝、レイチェルは遺体安置所で遺体の身元確認をしました。夫も娘も遺体との対面を望まず、身元確認に来たがりませんでした。

遺体と対面できない近親者もいます。マシューは、弟のティモシーがバリ島の爆破テロ事件で殺された時、遺体と対面できませんでした。事件発生から数日経ち、遺体の状況が悪くなってしまったため、バリ島の関係当局と外務省は遺体との対面を許可しませんでした。

遺体の身元確認をしないと決めた人も数人います。カレンの母は火事で亡くなったため、歯科治療の記録をもとに身元確認をしました。しかし、彼女は、「実際に行って自分の目で身元確認をしていたらよかったと思う気持ちが半分ある」と言いました。それは、遺体を目にすることで初めて、母は安らかに眠ったのだと自分も納得できると思ったからです。ローズマリーは、二〇〇五年のロンドン地下鉄爆破テロ事件で亡くなった息子の遺体を身元確認することはできたのですが、DNA鑑定で確認ができるならその方がいいと決断しました。

サラの夫は交通事故で亡くなりました。最初、彼女は身元確認を望まず、義理の息子(医者)が来るのを待って彼に身元確認をしてもらうことを望みました。しかし、もう一人の娘の恋人が、代わりに身元確認を申し出てくれことに心が動き、自分で身元確認をしようと決意しました。

サリーと弟は母親の遺体の身元確認をするよう言われました。最初、彼女は確認したくないと言いましたが、弟が自分には遺体が本人のものかどうかわからないと言ったので、サリーが正式な身元確認をせざるをえませんでした。