インタビュー時:56歳(2012年8月)
関係:妻(夫を介護)
診断時:夫58歳、妻53歳

診断される1年ほど前から夫の異変を感じていたが、2009年に前頭側頭型認知症と診断される。夫と介護者、娘と息子の4人暮らし。その後、夫はコンビニなどのトイレからトイレットペーパーを持ち帰ることが続き、2012年警察に保護されたこともあった。なるべく夫の習慣に合わせて対応を工夫してきた。現在は若年性認知症の人を受け入れるデイサ-ビスに週5日通っており、夫に合った対応をしてくれているので、嬉しく思っている。

語りの内容

で……あと、お風呂に全然入らなくって。えーと、最後に入ったのが、わたしの父の誕生日で、2年前の6月13日に東京で集まるときに、娘がどうしても「パパ、臭いから、お風呂入って」っ言って、しぶしぶお風呂に入って…。それから、2年間、お風呂入らなかったんですけども。(笑)そういう衛生面とか身だしなみにこだわらなくなっちゃうんですね。
で、いろんなことがあって、この6月から、デイサービスに通っているんですが。ちょうど丸2年経ったこの間の6月の13日に、デイでお風呂に入ったんです、奇跡的に。で、すごいねっというのが、2年ぶりぐらい。それぐらいお風呂に入らないと。ほかにも歯磨きをしないとか、ひげそりをしないとか、爪切りをしないと、足の爪とかですね。
で、そういうときに、家族会でお会いした奥さんが、ご主人がアルツハイマーの方で、着替えないっていう方がいらして、熟睡中に爪を切ったり、ほかの方も聞いたんです。あの、「熟睡中にシャツを切っちゃうのよね」って、ハサミで。あ、そうだと思って。わたしも、去年は、そういうふうにして、ジョキジョキ、ハサミで…ね。ワイシャツを切っちゃうともったいないので、ボタンの糸をこう切って、ばらばらに、ボタンだけはずすと、朝起きると主人が「おかしいな、ボタンがないよ」って。で、しょうがないから、ほかのに着替える…というようなことをしないと、自分の意思では着替えない。で、ズボンも。パンツは寝ている間に、こう、ひっぱって、ゴムをジョキジョキ切っちゃうと、朝起きて、「変だな、ゴムが切れているんだよ」なんか言って(笑)、「じゃ新しいのにはきかえたら」と。で、「そうだよね」とか言って…はいたりしていたんですね。

私は: です。

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