便潜血検査の実際

便潜血検査は検査の申込み、検査キットの受け取り、採便、提出、結果の受け取り、といったプロセスがあります。事前に準備しなくてはいけない検査キットの入手方法や、採便の回数、検査結果の受け取り方もさまざまです。特に採便は普通の生活の中でほとんど経験しない行為ですので、戸惑ったことがある人も少なくないのではないでしょうか。便潜血検査に関わる些細ではあるけれども実際的な問題について考えていきます。

検査キットの受け取り

便潜血検査は自分で検査キットを使って行います。従って、検査を申し込んだ後にどこかで検査キットを受け取らなくてはなりません。自治体によって、職場の健康診断に組み入れられている場合には職場によって、検査キットの受け取り方は違っており、郵送されてくる場合もありますが、事前に病院などに取りに行く場合もあるようです。自治体の特定健診の申し込み時に大腸がん検診もあわせて申し込むと、正式な申込書と問診票とともに便潜血検査の検査キットが送られてくるという人や、一度も病院に行かずに検査の実施から検査結果の受け取りまで可能なネット検診を利用する人がいました。その一方で、歩行が困難になる持病を持つ男性は、便潜血検査を受ける場合には検査の申し込み、検体の提出、結果の説明、と3回病院に行かなければならず、その負担の大きさから検診には行かなくなったと言っていました。検査の申し込みとキットの受け取りについて紹介します。

便を採る

採便は抵抗感がありますが、それだけではなく採便の際に洋式トイレでは沈んでしまう心配があります。最近ではトイレにそのまま流せる紙がキットと一緒に入っており、それを利用して便が沈むのを防ぐことができる場合もあるようですが、すべての人がこうしたサービスを受けているわけではありません。準備が間に合わずに排便してしまい便がうまく採れなかった経験を持つ人もいました。給食関係の仕事をしている人は1か月に1度の検便が義務付けられており、紙を敷くなどして工夫するうちに慣れてきたと語っていました(*)。最近は低水位に設定できる温水洗浄便座もあると話した男性もいました。また視覚障害の男性は採便および容器に入れるのも自分でやっているといいます。細くて小さな容器は扱いやすいものとは言えないので改善が求められていますが、時々はみ出しても、やはり自分で行いたい行為といえそうです。

*給食関係の仕事をしている人が受ける検便と大腸がん検診として受ける検便(便潜血検査)は検査の目的が違いますので、それぞれ必要に応じて受けなくてはいけません。ただ、採便するという行為は同じですので今回取り上げています。

便潜血検査は便の一部を採取して提出しますが、便の量に対してほんの少量でわかるのか不安を感じるという人もいました。つい多めにとってしまうと語っていました。

2日分の便を採る

現在採便は、検診受診日の数日前に2日分の便を採ること(2日法)が推奨されています。2日分を採取するのは1日分だけのときより、検査の精度(正確には感度)が上がるからですが、かといって3日分も4日分も採るのは大変だということで、2日法が主流になっています。2日分を短い期間に採取するのは、1日目の便を長時間放置すると便中のヘモグロビンが壊され、検出が難しくなるためです。
今回のインタビューでは、2日法で前向きに検査に取り組んでいる人がいる一方で、なぜ2日採らなくてはいけないのかわからない、あるいは納得できないと感じる人たちもいました。(詳しくは「一次検診(スクリーニング検査)と二次検診(精密検査)」 をご覧下さい)

毎日排便している人ばかりではありませんし、排便したとしてもいきんだ時に肛門から出血する場合があります。便潜血検査の結果が陽性だった女性は、その理由を排便の際肛門から出血したためだと思い、精密検査を受けないで過ごしてきました。本人にとって決められた日に採便しなくてはいけないことは困難を伴うようです。