検診で見つからないがん|大腸がん検診の語り

  • はじめての方へ
  • お問い合わせ
NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン

認定NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン
病気や障害、医療の体験談を動画や音声でお届けします

  • 会員の皆様へ
  • 「健康と病いの語り」
    とは

  • ディペックス・
    ジャパンについて

認定NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン。病気や障害、医療の体験談を動画や音声でお届けします

NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン
  • 語り一覧
  • はじめての方へ
  • 健康と病の語りとは
  • メニュー
  • 事務局だより
  • お知らせ
  • 認知症の語り
  • 乳がんの語り
  • 前立腺がんの語り
  • 大腸がん検診の語り
  • 臨床試験・治験の語り
  • 慢性の痛みの語り
  • クローン病の語り
  • 進行中のプロジェクト

閉じる

  • ディペックス・ジャパンTOP
  • ディペックス・ジャパンについて
  • ディペックス・インターナショナルについて
  • 事務局だより
  • 会員の皆様へ

閉じる

>> お知らせをもっと見る <<

閉じる

>> 事務局だよりをもっと見る <<

閉じる

健康と病いの語り

メニュー

コンテンツへスキップ
  • 認知症の語りdementia
  • 乳がんの語りbreast cancer
  • 前立腺がんの語りprostate cancer
  • 大腸がん検診の語りbowel screening
  • 臨床試験・治験の語りclinical trial
  • 慢性の痛みの語りchronic pain
  • クローン病の語りCrohn's Disease
  • 進行中のプロジェクトProject in progress

お知らせ:

2020年1月26日「患者の語りと医療者教育」出版記念イベント開催…(2019年12月13日)

書籍「患者の語りと医療者教育」が刊行されました!(2019年12月12日)

お知らせ一覧

NPO法人 健康と病いの語り ディペックス・ジャパン > 大腸がん検診の語り > テーマ別 > 検診以外でがんが見つかるとき > 検診で見つからないがん

大腸がん検診の語り

検診で見つからないがん

便潜血検査(一次検診)の偽陰性

インタビューに協力してくださった方々に、大腸がん検診の信頼性をどう考えるかということを伺ったところ、ある男性は日本の医療では「悪性なのに悪性じゃない」と言われることはないだろうと話していました。ほかにも便潜血検査の結果が陰性のときと陽性のときがあったのを、「がんなら絶対にマイナスになるはずがない」と思って、精密検査を受けなかった人(「精密検査を受けない理由」のインタビュー21を参照)がいます。

日本の医療はトップクラスだと思っているので悪性なのに悪性じゃないといわれることはないだろう。逆の場合も疑わしきは切るということでいいと思う(音声のみ)

しかし、今回のインタビューでは、便潜血検査を受けていて陽性になったことがなかったにもかかわらず、解熱剤の座薬を使った時の激痛と出血をきっかけに肛門科を受診して、大腸がんがわかったという女性がいました。便潜血検査による大腸がんのスクリーニングは、利便性、経済性、効率性に優れ、特異度が高く感度も比較的良い(※)優れた検査法なのですが、潜血反応が陰性であっても、あとから実は「大腸がん」であったと判明する場合がときにあります。このような場合を「偽陰性」とよび、その確率は1000人につき1~2人程度と推定されています。ここではそのような「偽陰性」のケースについて、体験者の語りをご紹介します。

※ある検査法を用いて病気の有無を判定する場合、その判定の確かさを「感度」と「特異度」で表現し、「感度」は「病気がある人」を「あり」と判定する率、「特異度」は「病気のない人」を「ない」と判定する率を指します。「感度」の高い検査は病気があることを見逃す危険が少なく、「特異度」の高い検査は「病気のない人」を病人と誤診する危険が少ないと言えます。

肛門科で「痔がある」と言われて手術したが、切除した組織を検査したところ、がんだということがわかって、ショックを受けた(テキストのみ)
がんであることと人工肛門になることの両方が同時に来たので、パニックになってしまい、自宅に電話をかけようとして何度も押し間違えた(テキストのみ)

この女性は診断当時まだ20代だったのですが、定期的に便潜血検査を受けていました。一度も陽性になったことはなく、便通もよかったので、自分が大腸がんになるとは思ってもいなかったと言います。

便潜血検査を受けていたのに陽性になったことはなく、いつも快便だった(テキストのみ)

便潜血検査は、便に交じった血液(ヘモグロビン)を検出することを目的としています。しかし、がんがあってもまだ初期の段階で出血していなかったり、がんが胃に近く肛門から遠い部分の腸にあったりすると、便を採っても血液が検出されないことがあり、そういう場合に偽陰性となります。さらに便秘がちな人の場合も、腸内の細菌によって血液が分解されやすく、便潜血の反応が出にくくなると言われています(詳しくは「一次検診・二次検診」の専門医のコメントを参照)。医師が便潜血検査によるスクリーニングを毎年受けるように勧めるのは、このような「偽陰性」によるがんの見逃しを防ぐためなのです。

次の女性は便潜血検査で陽性になったので、大腸内視鏡検査を受けたところ、上行結腸という大腸の中でも胃に近い部分にがんがあることがわかって手術を受けました。潜血反応が出にくいとされる上行結腸のがんだったのですが、彼女の場合はたまたま痔の出血があって便潜血検査が陽性になったことが幸いして、がんの発見につながりました。

便潜血検査で陽性になったのは痔からの出血のせいらしい。上行結腸のがんでは出血があっても途中で吸収されて潜血反応が出ないので、すごくラッキーだったと思う

このように便潜血検査では偽陰性になりがちながんでも、たまたま別の理由で出血があれば、大腸内視鏡検査で見つかることもありますから、毎年便潜血検査を受けることに意味があるのです。ただ、最初に紹介した女性のように複数回受けても陰性になることもあるのは事実で、それを踏まえて、この女性は自分でも便の様子に気を付けたほうがいい、と話しています。

検査のときに出血していなければそのまま通過してしまうので、便の状態に気をつけていたほうがいい。思えば自分もお酒を飲んだ後に下痢を繰り返していた(テキストのみ)

この女性は、飲酒をしたら下痢を繰り返していたのが大腸がんの症状だったのかもしれないと回想していますが、健康な人でも飲酒後に下痢をする人はいるので、それだけでがんと決めつける必要はありません。けれども、自分で気になる症状がある場合は、便潜血検査で陰性だったとしても受診するべきでしょう。この女性はこのほかに、肛門付近に強い痒みがありました。これもおそらく痔から来た症状だったと思われますが、肛門科を受診することに抵抗感があり、先延ばしにしていました。同時に倦怠感もあったということですので、もしその時に受診していれば、もっと早くがんが見つかっていた可能性があります。その経験からこの女性は、検診にすべてを任せるのではなく、自分の体に敏感になって、自分の体調は自分で管理することが大事だと語っています。

肛門のかゆみや倦怠感などがあったが、恥ずかしくて病院に行くことがためらわれた。親に相談しても、「嫁入り前の娘が行くところではない」と反対された(テキストのみ)
やはり自分の身体に対してもっと敏感にならなければならない。すべてを検診に任せるのではなく、自分の体調は自分で管理することが大事だと思う(テキストのみ)

なお、この女性は、がん専門病院で調べた腫瘍マーカーの値がとても高かったので、腫瘍マーカーを検診に使えないのだろうか、と話していました。腫瘍マーカーとは、増殖するがん細胞が作り出すたんぱく質を血液検査で調べるもので、がんの診断の際に補助的に用いられたり、進行の状態、再発や転移の有無、治療の効果を見るために用いられたりしますが、早期診断にはあまり役立ちません。

がんがあっても便潜血検査がプラスになるとは限らないので、検診にも腫瘍マーカーがあればいいのにと思う(テキストのみ)

大腸がんの腫瘍マーカーとしてよく用いられているCEAでも大腸がんのある方のうち40~50%前後の人でしか高くなりませんし、逆にがんがなくても喫煙者では高くなるなど、健康な人を対象とした検診には向いていないのです。

精密検査(二次検診)での偽陰性

便潜血検査で陽性になって、精密検査を受ける段階で、がんが見落とされる可能性はないのでしょうか? インタビューでは、大腸内視鏡検査での偽陰性について話している人もいました。

妻の父親は、精密検査を受けて異常がなかったのに、翌年大腸がんで亡くなった。一概に人間ドックさえ受ければすべて見つかるとは限らない
術後1周年の内視鏡検査の際に横行結腸に6-7ミリのポリープが見つかった。1年前にも2か所の病院で内視鏡検査をしていたが、その時には見つからなかった

このように大腸内視鏡を使っても、精度は100%ではありません。現在、一般に用いられている大腸内視鏡は視野が140度しかありませんので、腸のひだの陰に隠れた小さな病変は見落とされることもあります。しかし、そのような小さな病変はすぐに命にかかわることは多くないので、内視鏡で陰性の結果が出ても、引き続き毎年便潜血検査を受けて、潜血反応が出たらまた精密検査を受けることによって、手遅れにならないうちに発見しようというのが、大腸がん検診の仕組みなのです。(詳しいことは「一次検診と二次検診」の専門医の語りを参照してください。)

大腸がん検診の語り:テーマ一覧

  • 大腸がん検診とは
    • 大腸がんとは
    • 一次検診(スクリーニング検査)と二次検診(精密検査)
  • 大腸がんの一次検診
    • 便潜血検査の実際
    • 便潜血検査の結果を知る
    • 便潜血検査を受けた理由
    • 便潜血検査を受けなかった理由
  • 一次検診で異常が見つかったら
    • 大腸内視鏡検査の説明と準備
    • 大腸内視鏡検査の実際
    • 注腸X線検査とその他の検査
    • 精密検査(二次検診)の結果を知る
    • 精密検査(二次検診)を受ける理由
    • 精密検査(二次検診)を受けない理由
  • 検診以外でがんが見つかるとき
    • 一次検診を受けないでがんと診断される
    • 二次検診を受けないでがんと診断される
    • 検診で見つからないがん
  • 立場によって生じる検診格差
    • 大腸がん検診の受診を阻む社会的要因
    • 大腸がん検診と女性
  • その他
    • 大腸がんの治療

大腸がん検診の語り:関連コンテンツ

大腸がん検診の語りTOPへ
  • 一覧を開閉する

    • 大腸がんと診断されている人
      • 一次検診(便潜血検査)を受けていなかった人
      • 自覚症状が出てから、一次検診・二次検診を受けてがんが見つかった人
      • 一次検診(便潜血検査)を受けて異常がなかった人
      • 一次検診で異常があったが、二次検診を受けずに自覚症状などでがんが見つかった人
      • 一次検診で異常があり、二次検診(精密検査)でがんが見つかった人
    • 大腸がんと診断されていない人
      • 便潜血検査も精密検査も受けていない人
      • 便潜血検査を受けて異常がなかった人
      • 便潜血検査では異常があったが、精密検査の結果がんではなかった人
      • 便潜血検査で異常があったが、精密検査を受けていない人

SNSで共有する

Twitter
facebook
Hatena Bookmark
ディペックス・ジャパン公式facebookページ

利用方法のご注意

  • 報道関係のみなさまへ
  • 教育・講演・研究目的でご利用される方へ
  • ご意見・ご感想はこちら
  • お問い合わせはこちら
「大腸がん検診の語り」のページは、平成22~25年度の厚生労働科学研究費補助金第三次対がん総合戦略研究事業 「【国民のがん情報不足感の解消に向けた「患者視点情報」のデータベース構築とその活用・影響に関する研究】班 (研究代表者・中山健夫)により作成されました。
  • 情報リンク
  • 作成にかかわった人々・組織
  • 語り手の番号索引
  • ページ紹介パンフレット

ページの先頭へ

ディペックス・ジャパン(DIPEx-Japan)について

「健康と病いの語りデータベース」は、国際組織DIPEx Internationalの加盟団体である、認定NPO法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン(通称:ディペックス・ジャパン)によって運営されています。

「健康と病いの語りデータベース」は、英国オックスフォード大学のDIPEx研究グループ(Health Experience Research Group)が開発したデータ収集・分析・公開の手法を用いて作られた、日本で唯一のDIPEx公式サイトです。

ディペックス・ジャパンは認定NPO法人です。皆さまからのご寄付は税控除の対象となります。『患者主体の医療の実現』を目指しているディペックス・ジャパンへのご支援・ご参加をよろしくお願いいたします。

  • 英国DIPExのご紹介
  • 国際組織DIPEx Internationalのご紹介
  • 応援メッセージ
  • healthtalk online
  • dipex international
  • 英国人の語り翻訳版
ディペックス・ジャパン(Npo法人 健康と病いの語りディペックス・ジャパン )
Tweets by DIPEx_Japan

認定NPO法人 健康と病いの語りディペックスジャパンに

  • 参加する
  • 支援する
  • 寄付する
  • 当サイトのご利用にあたって
  • お知らせ
  • 個人情報の取り扱いについて
  • 報道関係の皆様へ
  • 教育・講演・研究目的でご利用される方へ
  • 医療情報に関する免責事項
  • よくあるご質問
  • お問い合わせ
  • サイトマップ

サイト内検索

すべての映像・音声・画像・およびテキストについて、無断改変・無断転用・無断転載を禁じます

認定特定非営利活動法人(NPO)健康と病いの語りディペックス・ジャパン
Copyrightc2007-2019 DIPEx-Japan All rights Reserved.

ページTOPへ
お問い合わせ
SNSで共有する
参加する
支援する
寄付する