症状の始まり

新型コロナウイルス感染症の初期症状といったら、どんなものを思い浮かべますか?

今回インタビューに答えて下さった方々のうち、実際に感染を経験された方は、診断を受ける前に全員が何らかの症状を感じていました。(患者さんのご家族からもお話を伺っていますが、小さいお子さんが罹患されたという方は、お子さんは全く無症状で、通っていた保育園で感染者が出たためにPCR検査を受けてわかったということでした。)

発熱

初期症状の中でもっとも一般的なのは発熱ですが、その出方は人によってまちまちです。微熱で済んでしまう人もいれば、自覚症状もなくいきなり高熱が出る方もいて、その高熱が数日続いた人もいれば1日で下がってしまったという人もいました。

次の男性はコロナ流行の第1波である2020年の3月に発症しましたが、当時は「37.5度以上の熱が4日以上続く」*場合を、コロナの疑いとして帰国者・接触者相談センター等に相談する目安としていたので、熱が出たというだけではPCR検査を受けることができなかったといいます。
*この目安は2020年5月8日の厚生労働省発の事務連絡で削除され、「比較的軽い風邪の症状」でも4日以上続く場合は相談するように変更されました。厚生労働省の新型コロナウイルス感染症の情報ページの「相談・受診の目安」をご覧ください。

鼻水・せきなどの風邪症状

高い熱が出なくても、のどの痛みや鼻水、せきといった風邪のような自覚症状を感じていた人がいました。コロナの流行を気にしつつも、まさか自分がなるとは思わず、きっと風邪だろうと思って市販薬を飲んで様子を見ていた人たちがいます。

感染初期は殆ど風邪の症状より楽だった、というこの男性は、無症状の若者たちが蔓延させているのだと思っていたそうですが、実は50代の自分も「無症状世代」だったのかと驚いたと話していました。

倦怠感

いわゆる風邪のような症状以外では、強い倦怠感を感じたと話す人がいました。熱が出ていればだるさを感じるのは当然ですが、熱も風邪のような症状もないにもかかわらず、これまでに経験したことのない倦怠感があったと話す人もいました。

嗅覚・味覚障害

コロナで特徴的なのは、味覚や嗅覚に異常が出る人がいるということですが、これも全員が経験するものではありません。発熱やその他の風邪症状が出たあとで味覚の異常に気づいた、中には検査で感染がわかってから気づいたという人もいましたが、特にコロナの流行初期にはこれらの感覚障害についてはあまり知られていなかったので、そういう症状が出ていても気づかなかった可能性もあります。

次の女性は新聞記者として武漢の感染者に取材をしていたことから、味覚・嗅覚障害についてマスメディアの報道が流れる前から知っていて、いち早く異変に気付きました。

その他

そのほかにも、あとから振り返ってみて目の焦点が合わなかったり、意識が遠のくような感覚があったりなど、体の状態がいつもと違っていたことを思い出した人もいました。

2021年9月公開

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