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聖路加国際大学小児看護学教室教授。
家族看護、小児看護を専門として、臨床では小児がんや医療的ケアなどの疾患のあるお子さんと家族に出会ってきた。研究では、慢性疾患を持つお子さんと家族が子どもから大人へと移行することへの支援をテーマにしている。現在は大学での講義や研究のほか、小児科クリニックでの臨床にも携わっている。

語りの内容

ーー人工呼吸器は、どういう時に必要になるんですか。

上手に酸素を取り込むために…酸素というのは吸えばいいだけじゃなくて、お胸の中の肺にいっぱい、ブドウみたいに房になって酸素を血液に透過させてくれる(肺胞という)袋がいっぱいあるんですね。
(吸い込むことと透過させること)その両方がうまくいかないと呼吸っていうのが成り立たないんです。
どこかがうまくいってない時には、人工呼吸や気管切開をしようということになります。

例えば、気管がとても柔らかくて、空気を吸おうとするとチューブがぴちゃってしぼんでしまってうまく通せない場合に使う時には、気管切開してチューブを通す。それだけでも気管がうまく広がって、人工呼吸器使わなくても、(気管の)穴さえあればいける場合もあります。

一方で、(気管の)穴はあるんだけど、上手に肺(の周囲の筋肉)を動かすことが難しいとか、酸素の取り込みの量が少ないっていう場合には、少し高濃度の酸素を人工呼吸器で送ることで、すごく効率良く酸素を取り込むことができるんです。

(空気の)通り道が欲しいだけだったら、気管切開だけでも通り道ができてオッケーっていう場合もあるし、もう少し酸素をうまく効率良く取り込みたい、あるいは肺の機能も助けたい場合には、人工呼吸器も使いたいということになります。

人工呼吸器が必要な場合というのは、例えば気管切開はなくても、肺の機能をもう少し助けたいっていう時には、お口からチューブをして人工呼吸器を使うこともあります。
大人でも大きな手術する時に麻酔をすると、自分で肺を動かす機能が、鎮静がかかってうまくできなくなるので、人工呼吸器使いましょうということで、喉からチューブを入れて人工呼吸器につないだりすることがあります。
ですので、人工呼吸器と気管切開は必ずしもセットではないんですけれども、一緒に使うことはよくあります。

ーー人工呼吸器を在宅で使用する時に、注意しなければいけないことを教えてください。

すごくたくさんあります。
お子さんの状況によっても注意するべきことっていうのは変わるかもしれません。
ここでは原則ですけれども、お子さんに必要なように使うっていうのが、まず1つは注意することです。
あとは、人工呼吸器がお子さんの体を助けている状態をしっかり保つために必要なケアをすることが、家の中では必要かなと思います。

一方で、人工呼吸器があると酸素がうまく行っているかなというのがいつも心配になります。SpO2(血中酸素飽和度)を測る、コロナで結構有名になったモニターがありますね。
ああいうのを付けながら、アラームと共に生活するっていうこととかは大変なことでもあります。

いろんな練習したり、お子さんの状態を知りながら、人工呼吸器があっても家族らしい生活を、みんなで暮らせることが、一番大切かなと思います。

ーーお風呂に入ることも、普通にできるんですか。

普通っていう言葉の使い方がちょっと難しくはあるんです。(言葉の意味を)どういうふうに捉えるかという点で。

お風呂も入れます。
ただし、気管と食道は通すものが違う。肺にお水がいっぱい入ると肺炎を起こしたり、感染症になったりがあるので、気管切開をしてるところからお水が入らないようにしたい。

ですので、お風呂の時には、「ここ(喉元)までは浸かれない」ってなりますし、シャワーを使う場合もお水が入らないように注意は必要になります。

ーー人工呼吸器には、どういう種類があるんでしょうか。

大きく言うと、喉、お口、あるいは鼻に通す場合で、喉までチューブを入れて使うタイプと、何かを挿入はしないんだけれども、鼻にマスクをして行う人工呼吸器があります。
それは、お子さんの状態に合わせてっていうことになります。

私は: です。

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