医療的ケア児とは

医療的ケア児とは

医療的ケア児とは、日常生活に人工呼吸器、痰の吸引、経管栄養、導尿など、何らかの医療的ケアを必要とする子どものことを言います。日本には現在、約2万人の医療的ケア児がいると推計されています。
医療的ケア児といっても、その状況は様々です。生まれてすぐに人工呼吸器や経管栄養が必要となり、以後もずっとそのケアが必要な状態が続く子どももいれば、成長するにつれて身体の機能が改善し、ケアの必要がほとんどなくなる子どももいます。そこで、医療的ケア児の健やかな成長を図るとともに、その家族を支え、安心して過ごせる社会を実現するために、新たに作られたのが「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」(令和3年6月)。その基本理念は、以下の通りです。
1 医療的ケア児の日常生活・社会生活を社会全体で支援
2 個々の医療的ケア児の状況に応じ、切れ目なく行われる支援
⇒ 医療的ケア児が医療的ケア児でない児童等と共に教育を受けられるように最大限に配慮しつつ適切に行われる教育に係る支援等
3 医療的ケア児でなくなった後にも配慮した支援
4 医療的ケア児と保護者の意思を最大限に尊重した施策
5 居住地域にかかわらず等しく適切な支援を受けられる施策

参考:厚生労働省ホームページ「医療的ケア児等とその家族に対する支援施策」

この法律は成立、公布されてからまだ間もなく、国も地方公共団体も、また保育所・学校設置者も様々な努力を行っている途中で、地域格差もあります。この動きを加速し、法律の中味を実効あるものにするための原動力は、ケア児を抱えた家族、ケア児を支援している医療・福祉職員、支援グループによる情報発信と活動であり、これまで医療的ケア児とその家族のことを知らなかった方にも是非、見て、知っていただきたいと私たちは考えています。

ここでは、医療的ケア児の家族の語りプロジェクトのメンバーであり、聖路加国際大学看護学教授の小林京子さんに医療的ケアや、医療的ケア児と家族の生活について、できるだけわかりやすく解説いただきました。

在宅で医療的ケアを行うこと

医療的ケアは、本来病院で行う医療行為であり、医療行為ならば本来医療資格をもった医療者のみが行わなければならない行為です(医師法17条)。しかし、医師や看護師など資格をもつ専門家が、それぞれの家庭に24時間常駐することはできません。
そこで、日常的に必要な医療行為については医療的ケアとよび、医療の専門資格のない家族でも担うことができるようになっています。しかし、それまで医療知識については素人であった家族が、訓練を受けたとはいえ、在宅で医療的ケアを担うことに家族は大きな不安を抱えています。
研修をうけたヘルパーや学校教員など、日常的に医療的ケア児に接する人が医療的ケアはできることで医療的ケア児とその家族が生活しやすいような環境整備を政府が進めています。
参考:医療的ケア児等支援者養成研修実施の手引き (厚生労働省)
介護福祉士養成施設における「医療的ケア」の追加について(厚生労働省)

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