在宅に戻る準備

一般的には、退院前に在宅療養での日常を想定した訓練を行ってから退院します。どのような訓練があったのかについてお話頂きました。
通常、退院時はNICUやGCUで母子入院を数日行って退院という流れが多いようですが、この方のお子さんの病院では最低1か月の母子入院を行って退院という決まりがあったようです。
1ヶ月の母子入院の辛さを思い、最初は嫌だったそうですが、自信をもって退院できてやってよかったとの思いをお話くださいました。

退院前に1か月の母子入院で日常的ケア、緊急対応や外出も想定した訓練を受けた。自信をもって退院でき、やってよかったと思うインタビュー02

本退院前には自宅に病院の主治医と看護師が来て、ベッドやアラームの位置や動線を確認してくれ、自信をもって在宅療養を開始できたインタビュー02

次のご家族は、小学生だった双子のお兄ちゃんも含め、家族みんなでケアの訓練を受けたことで、家族の気持ちがぐっと近づいたそうです。

三男が退院するときには、夫、当時小学生だった兄たちも病院で2日間の研修を受け、家族内で三男を迎える気持ちがぐっと高まったインタビュー06

病院と自宅の距離が離れていることからできるだけ自宅で対応できるように訓練してから退院したという親御さんもいました。

退院時に経鼻経管栄養の管が抜けるたびに受診するのは自宅も遠くて大変だと思い、自宅でできるように訓練した（テキストのみ）インタビュー40

次の方のお子さんは生後数か月で亡くなってしまいましたが、クリスマスとお正月に自宅に帰り、家族だけの時間を過ごしました。
自宅での環境を整えるべく様々な専門家が関わり、緊張の数日を過ごしたことは忘れられないそうです。

娘はクリスマスに初めて一時退院し家族だけで過ごした。様々な人が在宅環境を整えてくれ感謝だ。楽しく、緊張の2日間だった （音声のみ）インタビュー26

在宅での気づき

家ではナースコールもできなければ、季節により室温や湿度も大きく変わります。冬場の脱衣所は寒いですし、夏場はエアコンがないと温度も湿度も上がります。
病院とは違い風呂に酸素の出る管もついていないなど、在宅では自分で必要なものを準備し、まずは自分で対処しなければならない緊張感があったというお話もありました。

夫婦2人で生活していた家に息子を迎え、赤ちゃんのいる生活に驚きもあり、病院とは異なる環境で酸素ボンベの位置なども気を遣ったインタビュー13

次の方は、在宅に向けてバギーやベッド周りの棚を探したが、人工呼吸器のついた子に対応できる耐荷重のあるものやちょうどよいサイズが見つからずにとても苦戦されたそうです。

呼吸器を載せられるバギーやベッドサイドの棚を探したが、耐荷重や動作確認の保証がされた製品がなく困った（音声のみ）インタビュー07

在宅環境の工夫

お子さんに医療的ケアが必要になったことで、住んでいた家に不便を感じ、引越しをして人工呼吸器や酸素ボンベといった機器の置き場を確保したり、バギーなどで移動できるように部屋と部屋の間がフラットで、廊下の幅やお風呂の脱衣スペースが広いおうちを探したというご家族が多くいました。
おうち探しのポイントや、家の中でのこだわり、ベッド周りの環境づくりについてお話を聞きました。

新居を建てるにあたり、息子と暮らすことを前提にバリアフリーや天井に窓がある家、加湿や空気のきれいな環境を保つ家づくりをしたインタビュー02

次の方はマンションを選ぶ際の条件についてのお話です。

一軒家からフラットなマンションに引っ越した。病院で家の前の道路幅やマンションの階数など要件をまとめた書類をもらい助かったインタビュー06

この方がお住まいの地域は関東地方の中では雪も降る地域で、車での移動の多い地域です。また東日本大震災の経験からリフォームを考えたというお話です。

リフォームで玄関のバリアフリーや濡れずに出入りできる駐車場、雪の積もらないスペース確保、地震時に安全なものの配置などを考えたインタビュー24

2023年7月公開