自分の時間・自身の成長
24時間のケアに追われ、親が自分自身の時間をとることができない、やっと子どもを預けられる時間ができたら、ただひたすら眠りたいという状況も多く聞かれました。
訪問看護を定期的に利用できるようになったことや、お子さんの成長や就学等をきっかけに、自分の時間をもったり、仕事だけではなく、親の会やNPOへの参加などご自身の活動の幅を広げたりしたことをお話くださった方もいます。
ケアの合間のリラックス方法についてもお話を伺いました。
つかの間の休息
子どもを預ける先ができ、やっとできた自分の時間に何を考え、どんなことをしたのか、お話いただきました。
自分の成長・活動の幅
自分の時間を自身の成長やスキルアップにあてたという方や、医療的ケア児支援に関する様々な活動をされたという方のお話です。
次の方は、もともと会社員だったそうですが、24時間ケアで復帰は難しいと考える中、得意だった文章を書くことを、ケアと両立できる自分の仕事としてできないかを考えてライターの学校に通ったというお話をしてくださいました。
次の方は、お子さんが亡くなったあとに、これまで自分と息子が受けてきた訪問看護の世界で生きていきたいと40歳で看護学校に入り、現在、訪問看護師をされています。
私の趣味・癒し
子どもが保育園に行く、学校に付き添いなしで行く、やっと訪れたつかの間の「私の時間」にどんなことをしたか、趣味や癒しについて伺いました。
次の方は、マクドナルドハウス(注)を利用していた際にチャリティランナーとして東京マラソンを走ったことがきっかけで、マラソンが趣味になったそうです。
沖縄の那覇マラソンに参加した際のお話をしてくださいました。
(注)自宅から遠く離れた病院に入院する子どもと家族のための滞在施設で、高度小児医療を行う病院に隣接して設置され、安価に滞在できる施設のこと。
次の方は、仕事から帰宅してから、お子さんの夜のケアを担当し、お酒を飲んでリラックスして時間を過ごしていたという、つかの間の癒しについてお話くださいました。
自分の時間はほぼない
自分の時間をどのように過ごしているかという問いかけに対し、自分の時間と呼べるものはほとんどなく、起きている間はずっと子どもの体調や機械を確認することばかりを気にかけていたというお話や、「休んでいいですよ」と声をかけられても、自分がやらないといけないと自分自身にプレッシャーをかけていたというお話もありました。
お子さんが小さかったり、体調面で深刻な状況が続いていたり、という場合もありますが、訪問看護の利用上限や時間制限があるなどの制度上の問題や、訪問看護師が滞在中にも家を離れることができなかったという経験をされた方もいます。
2023年7月公開
認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

児童発達支援施設に子どもを預けるようになり、気を張って生活していたことに気付き、自分をいたわることも大事だと思った
療育を利用し、子どもと離れる自分の自由時間が初めてできたとき、近所のスーパー銭湯に行ったことは忘れられない
医療的ケア児のブログで親の会を知り、そこでリアルな仲間と出会って意気投合し、必要なことを訴える強さを身に着けた
懸賞論文が当たり、自分は文章を書くことが得意なのではないかとライタースクールに通い、今の仕事になった
息子が亡くなり40歳で看護学校に入学した。学生時代は人生を楽しむ気持ちになれなかったが、働き始めてから楽しめるようになった
入院中は院内での帳簿つけも気分転換になった。漫画やドラマの続きを楽しみにし、時には友達とテニスをすることもあった
子どもが退院して最初の1か月は緊張で寝ることもできず、休んでいいよと言われても罪悪感を感じた
