症状のはじまりと受診のきっかけ
ここでは、どのように前立腺がんの徴候に気づいたか、受診から診断に至るまでにどのように感じ、考え、行動していたかについて、体験者の声を紹介しています。
排尿のトラブルに気づく
初期の前立腺がんは、自覚症状がほとんどありません。がんが前立腺内の尿道を圧迫する程度に大きくなると、排尿に関するさまざまなトラブルが生じてきます。具体的には、尿が出にくくなる(排尿困難)、尿の回数が多くなる(頻尿)、排尿後に尿が残った感じがする(残尿感)、尿意を感じるとトイレまで我慢できない(切迫尿)、下腹部不快感、血尿などです。
前立腺の良性疾患と思って病院に行く
これらの症状は、前立腺肥大症や前立腺炎(前立腺の良性疾患)の症状に、とてもよく似ています。インタビューを受けた人の中には、症状が出たとき、この良性疾患だろうと思って受診したという人もいました。また、一度医師に診てもらって良性疾患として治療を受け、その後がんが見つかったという人もいます。
他の症状で泌尿器科にかかり偶然見つかる
全く別の症状で受診したら、たまたま前立腺がんが見つかったという人もいました。尿管結石の治療中に、偶然見つかったという人もいましたし、風邪薬のせいで血尿が出て病院を受診したら、がんの発見につながったという人もいました。
整形外科を経て見つかる
排尿トラブルだけでなく、身体のあちこちに不調があったと語る人もいます。特に、前立腺がんは、進行すると骨に転移しやすいがんなので、腰痛や身体の痛みから病院を受診し、整形外科にかかって泌尿器科を紹介され、前立腺がんが見つかったと語る人もいました。
原因が見つからず、診断まで時間がかかる
ある男性は、前立腺がんという診断にたどり着くまで、大変な苦労があったと語りました。胃のむかつき、不眠、しびれなど、原因不明のさまざまな不調があり、積極的に人間ドックやあちこちの病院を受診していましたが、どこでも「異常はない」と言われ続けていました。前立腺由来の排尿障害の症状が軽かったため、前立腺がんだとは思いもよらなかったといいます。
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残尿感があったが、疲れたときに出ていたので、誰でもなるものと考えていた
尿道が燃えるような違和感を覚え、オーストラリアに一人で生活しているので、念のため治療しておこうと思い、かかりつけ医を受診した
診断を受ける約2年前から、下腹がしぶる感じがあったり、お酒を飲んだ後、尿意を我慢できなくなることもあった
血尿がときたま出ていたが、2~3年ほど放ったらかしていた
アルバイトの最中、排尿が途切れ途切れになり、ひどい痛みで動けない状態になった
頻繁にトイレに行きたくなり、思い切って泌尿器科を受診した。前立腺肥大だと思っていた
夜間頻尿があって、内科で薬を処方してもらったが1年ほどで効かなくなり、直腸診で肥大じゃないかもしれないと言われ、検査を勧められた
尿管結石で病院にかかっていたが、膀胱炎になったのがきっかけで、偶然前立腺がんが発見された
排尿障害のある人は注意して飲むべき風邪薬をうっかり飲んで血尿がでて病院を受診したら、偶然がんが見つかった
腰が重く、痛みが出てきて車に乗るのも大変になり、整形外科にかかったが、痛みが引かなかったので総合病院を紹介された
がんだとわかる約2年前から胃のむかつきなど、身体からのメッセージに気づいてはいたが、どの病院でも異常は見つからなかった
