診断のための検査

ここでは、前立腺がんの診断のために必要な、さまざまな検査に関する体験者の語りを紹介しています。

がんの疑いがあるかを調べる

PSA検査で異常が認められたり、何らかの自覚症状があったりした場合、肛門から指を入れて前立腺の状態を調べる直腸診(触診)と呼ばれる検査や、肛門からプローブと呼ばれる器具を挿入して前立腺の内部を画像で観察する経直腸的前立腺超音波検査(エコー)で、がんの疑いがあるかどうかを調べます。

前立腺の組織を調べる

前立腺がんの疑いが濃くなると、最終的な診断のために前立腺生検を受けることになります。前立腺生検とは、肛門から挿入した器具で超音波を用いて前立腺を写しながら、直腸もしくは会陰部(えいんぶ:肛門と陰囊の間)から、前立腺に細い針を刺して、数カ所~十数カ所の組織を採取するというものです。
前立腺生検を痛い検査だと思っていた人は、検査前の不安について語っていました。実際の痛みの程度は、人によって差があり、思った以上に痛かったと話す人もいましたし、痛いと思ったけれど受けてみたら、全然痛くなかったという人もいました。なかには、生検をうけたかどうかさえ忘れてしまうほど印象が薄かったという人もいます。

生検が終わった後、尿道留置カテーテルで痛みを感じたという人や、尿に血が混じったり、排尿痛があったという人もいました。

採取した組織は、病理医によって顕微鏡下で調べられ、確定診断が行われます。まず、採取した細胞のうち何カ所に、がん細胞があるかを確認します。この「何カ所からがんが見つかったか」について、注目していたという人がいました。

グリーソンスコアによるがんの悪性度の分類

次に、がんのタイプを判定します。グリーソンスコアという病理学上の分類で、「悪性度」「がん細胞の顔つき」とも言われ、2~10の数値で評価されます。顔つきの悪いものは「低分化がん」(8以上)、良いものを「高分化がん」(4以下)、その間を「中分化がん」と呼んでいます。

一度の生検でがんが見つからず、診断までに数回受けたという人もいました。中には、受けた病院や施設で、検査結果が違ったと話す人もいました。

ある男性は、海外勤務中に精研を受け、その標本を国内の病院に持って行ったところ評価が大きく異なることに驚いていました。

ある男性は、生検のやり方や採取本数が、医師や病院で違うと聞いて、一体どれが適切なのかがよく分からないと語っていました。生検でがんをみつけられるかは、確率の問題だと話す人もいました。

前立腺生検の結果を聞いたときのことは診断されたときの気持ちもご覧ください。

転移の有無を調べる

前立腺がんと診断されると、がんの広がり具合を確認するため、CTやMRI、骨シンチグラムによる画像診断を受けることになります。CTではエックス線によって、がんのリンパ節への転移や、周辺への進展の有無を確認し、MRIでは、磁気を利用して前立腺内のがんの存在する場所、前立腺周辺へのがんの進展状態をチェックします。骨シンチグラムは、アイソトープと呼ばれる物質を注射して、骨の異常を調べ、転移の有無を確認するものです。
これらの検査では、苦痛はなかったという人がほとんどでしたが、検査を受ける環境が辛かったという人たちもいました。