監視的待機と積極的監視

前立腺癌の中には非常に成長が遅く、何ら問題を生じることのないものがあります。これは、高齢の患者においてはとりわけ真実であり、彼らの多くは癌が問題を生じる以前に、他の原因で死亡してしまいます。と言うのも、現在用いられている前立腺がんの治療法はいずれも、その効果という点でかなり不確かなところがあるため、一部の患者にとっては、頻繁にモニタリングしながら、積極的な治療はせずに様子をみるという“監視的待機”が最良の選択である可能性があるからです。

監視的待機

監視的待機では、症状が現れない限り治療は行わないという方針をとります。監視的待機を選択した場合、積極的な治療を追求するのは、症状が明らかになるか、癌が進行した場合です。PSA検査を定期的に行うことになるかもしれません。

ある患者は、監視的待機は受け入れにくく、選択肢にないことを確信していました。また、監視的待機が前立腺癌患者の重要な選択肢の一つと考えられていることを知らない患者もいました。(一部の患者がこのように考える理由は)おそらく、初期に積極的な治療を行うことが有益でないなどとは信じ難いためでしょう。ある患者は、主治医からアフリカ系の男性には監視的待機は推奨できないと言われていました。

経過観察を選択することを望んだ男性達は、彼らの家族の善意のメンバーや支援グループ、医師達からのかなりのプレッシャーを受け、意思を貫き通すためには貴方はかなり強くなる必要があるかもしれないとコメントした。

経過観察を選択した男性達の意思決定要素は、積極的な治療による利益が不確実であると気が付いたことであり、また治療による頻度の高い副作用としての失禁やインポテンツを避けるためであった。(“治療による副作用”の章を参照。)少なくとも一人の男性にとっては、毎日の放射線治療に伴う日常生活の寸断もまた一つの要素であった。
経過観察を選択した患者達はセカンドオピニオンを探し求め、親族の中のドクターと話をし、治療の選択肢を評価しているアメリカのビデオを見た。

積極的監視

積極的な監視は観察の別の形である。それは患者がより注意深く観察されるという点で従来の経過観察とは異なる。通常、PSAの値をモニターするために1-3か月ごとに血液検査を受けるとともに頻回の直腸内触診を受け、そして新しい徴候を示したかどうかが質問されるであろう。また、数年おきに前立腺の生検を受けるかもしれない。
もしこれらの定期的なテストで癌が進行(成長)していることが示されれば、主治医はその時は手術または放射線療法のような癌の根治を意図した治療を勧めるであろう。
もし、あなたの癌が成長していないか進展していない場合は、積極的な監視を継続することが安全である。

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