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インタビュー時:47歳(2020年12月)
関係:母
医療的ケアのある子:次女10歳
首都圏在住。夫と長女、次女の4人家族。
妊娠中、胎児の脱腸が発見され、出産当日に突如胎児の心拍が下がり緊急帝王切開で出産した。
生後2週間で脱腸の手術を行った際、気管内挿管がうまくいかず脳性麻痺となり、その原因を調べて先天性染色体異常が分かった。
生後3か月、誤嚥性肺炎を起こした際、先天性疾患の特徴で喉の構造が複雑なため、気管切開を勧められ手術をし、現在も気管切開と胃瘻がある。
子どもは現在特別支援学校に通う。
語りの内容
長女の中では、親が死んだ後にね、妹を、私が面倒見ていくのかなっていうことが、高校1年生なんでちょっとあるみたいなんですけど。
本人曰く、自分は世界を股にかける仕事をして、忙しくなるから、いい施設に入れて、妹の面倒は見るっていうふうに言ってくれてる。
ちょっと現実離れしてるかもしれないけど、気持ち的にね、そういうふうに思ってくれてるから、うれしいなって。
ただ、将来のことに関してはまだ(次女は)10歳で、私も47歳なんで、例えば成年後見人とか、(次女が)高校卒業した後、大人になってからっていうことは考えなきゃいけないけれども、今は正直考えたくない。
ちょっと現実逃避。
この辺にやんなきゃ、見ていかなきゃいけないっていうのはあるんだけれども、私の中では正直言って、今まだ考えたくないですね。
妹がいることによって、長女の人に対する優しさとか、ものの考え方とか、今、高校1年生なんですけど、小学生、中学生のときの姿を見てると、もうほんとに、普通の(とは)違うものに、違う現実に常に接している中の受け入れが、すごいできる人間になってると思うんですね。
そういった意味では、彼女にとっては、それが絶対に生きていく上でプラスになるって思っているし、それはすごくうれしい部分です。
インタビュー11
- 長女は、将来妹の面倒をみると言ってくれ優しい心がうれしい。親が年をとった将来を考えないといけない が、今は考えたくない
- 気管切開があり通学バスは乗れないと言われ、苦肉の策で電動自転車に子どもと吸引器と荷物一式を積み40分かけて通学した
- 自治体で医ケア児専用スクールバス制度ができたが、毎早朝に付添してくれる看護師を確保できず週5日中1日しか利用できない
- 学校では気管切開のカニューレが外れると親を呼び出したり、吸引器の吸引圧も変えられなかったり、臨機応変とはいえなかった
- 学校に入ってジェスチャーで自分の気持ちを伝えることを学び、情緒が安定してきた。今では一週間のスケジュールも把握している
- 様々な補助を受けるため障害者手帳が早く欲しかった。自治体によっては、発達の遅れでは手帳がすぐに交付されないケースもある
- 子どもが退院してすぐ訪問看護が週2回来てくれ助かった。今は医療的ケア児の人数が増えなかなか利用が難しいと聞いている
- 絵カードを自作したところ視覚的に一週間を理解し、マカトンで自分や家族の予定を発信するようになった
- 染色体異常の子は第二次性徴に伴い、身体やこころに新たな症状が出てくるようで、娘は側弯(そくわん)が強く出ている
- 休校中は子どもと過ごす時間が長く外出支援がありがたかった。特別支援学校の授業はYoutubeの配信が一度あったきりだった