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インタビュー時:47歳(2020年12月)
関係:母
医療的ケアのある子:次女10歳
首都圏在住。夫と長女、次女の4人家族。
妊娠中、胎児の脱腸が発見され、出産当日に突如胎児の心拍が下がり緊急帝王切開で出産した。
生後2週間で脱腸の手術を行った際、気管内挿管がうまくいかず脳性麻痺となり、その原因を調べて先天性染色体異常が分かった。
生後3か月、誤嚥性肺炎を起こした際、先天性疾患の特徴で喉の構造が複雑なため、気管切開を勧められ手術をし、現在も気管切開と胃瘻がある。
子どもは現在特別支援学校に通う。
語りの内容
医療的にケアのある妹が小学校入って1年生2年生…3年生になるまでかな。
気管切開があるからスクールバス乗れなくて自主(通学)で通ってたので、行く機会もそんなに多くなかったし。
すごく苦肉の策なんですけど、医療的ケアがあるんだけど、座位が取れるっていうことで、学校まで8キロあるんだけれども電動自転車を買って、前載せに子ども乗せて、後ろに吸引器とか荷物全部積んで、天気のいい日、季節を選んで学校に、連れてってました。
どうしてかっていうと、自転車だと40分で片道、時間が読めるんです。電車とバス使うと1時間半かかるんです、片道。
そんなことしてたら、小学6年生のお姉ちゃんのいるおうちの親としては、生活が回らないのです。
でももうどうしても両立っていうか、学校の授業は受けさせたかったし、それだけの発達のある子どもだったので、もうほんとに苦肉の策なんですけど、1年生と2年生の途中まで体も小さかったので、それで通ってました。
雨が降った日とか、すっごい寒い日とかはお休みして。
ただ、暑い日なんかは保冷剤積んで背中に乗せて、通学してたんですけど、体温調整が元々、自律神経がうまく働かなくてできなかった子が、自転車通学することによって、体温調整できるようになったんですよね。
だから、結果的には、まあ、プラスになった。
その後、東京都のいろんな制度が変わって、医療的ケアのある子の通学専用車両っていうのができたので、そのバスで学校に通えるようになって、現在に至ります。
そういう通学手段っていうのが持てなかった私が、小学1年生のときはそういう状況だったのが、今、小学5年生になってこうやって朝「いってらっしゃい」って言って「おかえり」っていうのが、週1回でもできるようになったっていうのは、すごい制度の変化で、ほんとにありがたいと思ってます。
ただ、もっともっと大変なお子さんたちっていうのはいて、課題もあります。
何とか、親の希望とその学校の、安心・安全っていう部分でぶれない、譲れない部分っていうのが、協調し合って進んでね、いろんな面で制度的に(も調整が)学校のほうでも進んでいければいいなって思っています。
インタビュー11
- 長女は、将来妹の面倒をみると言ってくれ優しい心がうれしい。親が年をとった将来を考えないといけない が、今は考えたくない
- 気管切開があり通学バスは乗れないと言われ、苦肉の策で電動自転車に子どもと吸引器と荷物一式を積み40分かけて通学した
- 自治体で医ケア児専用スクールバス制度ができたが、毎早朝に付添してくれる看護師を確保できず週5日中1日しか利用できない
- 学校では気管切開のカニューレが外れると親を呼び出したり、吸引器の吸引圧も変えられなかったり、臨機応変とはいえなかった
- 学校に入ってジェスチャーで自分の気持ちを伝えることを学び、情緒が安定してきた。今では一週間のスケジュールも把握している
- 様々な補助を受けるため障害者手帳が早く欲しかった。自治体によっては、発達の遅れでは手帳がすぐに交付されないケースもある
- 子どもが退院してすぐ訪問看護が週2回来てくれ助かった。今は医療的ケア児の人数が増えなかなか利用が難しいと聞いている
- 絵カードを自作したところ視覚的に一週間を理解し、マカトンで自分や家族の予定を発信するようになった
- 染色体異常の子は第二次性徴に伴い、身体やこころに新たな症状が出てくるようで、娘は側弯(そくわん)が強く出ている
- 休校中は子どもと過ごす時間が長く外出支援がありがたかった。特別支援学校の授業はYoutubeの配信が一度あったきりだった