ほかの患者へのメッセージ
今回インタビューに協力して頂いた方はみなさん、自分の経験を同病の方に伝えて参考にしてほしいという思いを強く持っています。個人の経験はその人固有のものであり、他の人には当てはまらないものもありますが、経験者としての患者の言葉には経験者ならではの患者の知恵が含まれています。これらの様々なメッセージをご紹介します。
あきらめないこと、強い気持ちを持つこと
病気になっても病気のことばかりにとらわれないで、やりたいこと、目標に向かって、遠回りしてもあきらめずにやっていけばいつかはできると言います。そういうあきらめないことが大事だと多くの方がおっしゃっています。
次の男性の語り口調は厳しい言葉ですが、患者自身も努力をすることで周りも助けてくれるという事を理解すべきだといいます。またそのためには自分の体力の限界を知ることも大事です。
一方で、何事にも100%を求めるのではなく、長い療養生活の中では、時には妥協することも必要。そして真面目過ぎずに横着さやずぶとさで、病気とも折り合いをつけていくことが重要だという人もいます。
一人で抱え込んで悩まないこと
多くのベテラン患者さんたちは、病気を一人で抱え込んではいけないと訴えます。家族や近くの人たち、あるいはSNSや患者会など同病の人たちに声をかけて情報を共有したり、気持ちを共有することができれば、自分の気持ちも楽になると語っています。
次の女性は、自分がやりたいことを言葉に出して、周りの人に伝えることが大事だと言います。そうすれば誰かがそれを聞いて助けてくれるはずだと。
次の女性は家族やママ友たちに助けてもらいながら、またヘルパーさんなどの公共のサービスを利用しながら、子育てと自分の病気の治療を両立させています。
薬や治療法の進歩が患者の仕事や生活に大きく影響している
最近は新しい薬が次々に開発されているので、これからの患者は将来を悲観することなく、自分に合った薬を見つけることで、普通に働いたり生活できるようになるでしょう。
自分たちのこれからの取り組み
ベテランの患者さんは若い患者さんに自分たちが元気にしているところを見せることで、この病気の暗いイメージを与えないように前向きに取り組んでいました。
次の医師は若い患者をサポートするために、SNSやサマーキャンプなどを、患者の立場でやっていこうとしています。
2019年6月公開
認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

私の場合は歌があったのがよかったと思う。病気を治すということに目が行き過ぎないようにすることも大事。そして精神のバランスを保つために、喜びにあふれるものを持つことが大事だと思う
病気になったことで諦めなきゃいけないこともあるかもしれないけれど、道は一つではないので、遠回りしてもやりたいと思っていることは、いつかはできると思うので諦めないでほしい
病気になると周りの人間と自分を比べてしまいその差を感じてしまうが、周りの人と一緒にやれることも必ずあるので、そういったところで楽しんでもらいたい
「病気だから助けて」ではなくて「病気でも努力してるから助けてくれる」わけであり、甘えることからは卒業しないといけない。また、仕事をする上で自分の限界を把握することも大事
クローン病の人はまじめで几帳面な人が多いと思う。しかし病気の療養を続けて行く上では、手を抜いたり妥協して折り合いをつけるということも重要なポイントではないかと思う
自分が病気であるということをまず割り切って認めたうえで、色々なことができるということに気付いてほしい。そのためにも同病の人を見つけて仲間を作ることが大事だと思う
医学部の研修で各科を回っている時に、病気だからと言って諦める必要はないけれど無理が利かない時にはきちんとSOSを出して周りに助けを求めることが大事だという事を学んだ
自分がやりたいことを言葉に出すことが重要で、ことあるごとにみんなにそれを言うべき。そうするとそれを誰かが聞き留めて思いもかけない人から応援してもらうことがある
子育て中でも、一時預かりサービスを利用したり、ママ友に助けてもらったり、ヘルパーさんに来てもらったりすれば何とかなるので、一人で全部やろうと思わないことが重要
今新しい薬がたくさん出てきているので、自分に合ったものを早く見つけて社会で働けるようになってほしい
自分たちのように何十年も病気と一緒に生きてきた人間が弱っているところを若い人に見せたくないのでまず自分たちが元気を見せていこうと思う
