医療者とのかかわり

今回インタビューに協力いただいたみなさんは長い間医療機関にかかっており、多くの医療者と関わってきました。多くの方は信頼できる医師や看護師に出会っています。しかし、中には医療者に理解してもらえなかったり、ひどい対応をされた経験を持っている方もいました。その時患者はどう感じ、どうしてほしかったのかを語っています。また発症してから医療者になった人たちは、患者と医療者の両方の気持ちを持って、その関係について語っています。

療養の支えになった

さまざまな医療者と出会う中で療養の支えとなった看護師や医師たちについての語りを紹介します。

傷ついた対応

一方で、医療者の対応に傷ついたという経験を持つ人もいました。次の女性はその経験がトラウマになってその後大腸カメラが受けられなくなったそうです。

次の方は、転院を予定していたが、レミケードの注射のタイミングが合わず、元の病院でもう1回だけ打たせてほしいと希望したところ、なぜできないのか、できないならどのようにしたらよいのか説明もなくひどい断られ方をしたそうです。

治療方針について

次に紹介するのは、治療方針に関する語りです。自分から治療を提案して、主治医と相談しながら決めている人もいれば、患者としてはなかなか自分の意見を言うのは難しいという人もいました。また、担当の医師が変わることの苦労を語る人もいれば、具体的な治療内容の前に患者がしたいことを尋ねてくれる医師について語る人もいました。

医療者と話すこと

治療方針を検討する場面に限らず、どのような状況でも関係性の基本は話をすることです。医療者と話すことについては、相手や状況、内容によってさまざまな患者側の思いや経験が語られていました。次の女性は、同性同士が話しやすいと女医さんに変えてもらったそうです。また、医師に自分の状況を伝える患者力が大切だという人や相手によっては話さないという人もいました。

複数の病気で、それぞれ主治医がいたり、複数の医療機関にかかわりのある次の方は、自分がハブになって先生たちを繋ぐ存在だと話していました。この方はそれを「一人チーム医療」と呼んでいました。

小児科から内科へ

子どもの頃に発症した人は成長するにつれ、小児科から成人の診療科に移らなくてはなりませんが、信頼関係ができていた小児科医のもとを離れ、新しい医療者との関係性を作ることは必ずしも容易なことではありません。医療者間の情報の引継ぎや連携がスムーズに行かないこともありますが、次の方の場合は元々小児科と内科の連携があったので特に問題はなかったということでした。

医療者になった患者

ここからはクローン病を発症してから医療者になった方々の語りを紹介します。患者体験を医療の仕事でどのように活かしているか話しています。次のお二人は医師になった方々です。

次の方は薬剤師ですが、患者の立場になってみると、両者が対等の立場でコミュニケーションをとることが必要だということが分かったと言います。

次の方は、看護師として仕事をするうえで、自分の病気の体験が役に立つことがあったと語っています。

2019年6月公開

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