診断されたときの気持ちー難病という言葉を聞いて
クローン病は難病に認定されている病気の一つです。インタビューに協力してくれた人たちは診断名を聞いて、また難病であることを知ってどのように感じたのでしょうか。
診断を聞いてショックを受けた
インタビュー協力者の多くが人生これからと思っている時にクローン病の診断を受け、難病であり、治らない病気であることに大きなショックを受けていました。中には自分の人生もう終わったと感じた人や、死んでしまいたいと思った人もいましたが、患者仲間との出会いや医師の優しい言葉かけなどで徐々に治療に前向きになっていったそうです。
一旦、同じ炎症性腸疾患の潰瘍性大腸炎と診断された後に、現在は完治の手段がないクローン病であったことがわかり、さらなるショックを受けたと話す人たちもいました。
診断がついたこと自体はよかった
何人かの方は診断までに時間がかかりどんな病気かわからずにいた不安から、難病だったショックもある一方で、診断がついてほっとした、やれやれという気持ちになったと話しています。
難病という言葉のもつイメージ
クローン病の診断がつくと同時に難病という言葉が出てきます。難病という言葉を聞いて、難病=「死のイメージ」とか「絶望的」と思っていたという方々がいましたが、一方で難病に立ち向かおうとして前向きに受け止めた人たちもいました。
自分は寝たきりでも介助が必要なわけでもなくて「難病患者」というイメージと自分の間に乖離を感じていたと話す人もいました。
すでに別の難病を抱えていた方にとっては、難病という言葉に免疫があり、「一生この病気と付き合う」と受け止めたということでした。
幼少時に診断を受けた経験と周囲の反応
小学生~中学生のときに診断を受けた人たちは、当時は病気のことがよくわからなかったと話していました。
難病と診断されたことは、本人だけでなく親や家族にとってもショックな出来事です。
孫が難病と診断されたことを祖母は近所に隠していたと話す人もいました。
クローン病という病名について
「クローン病」という病名については、多くの方が羊を思い出してしまうのでよくないと話しています。
2019年6月公開
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大学院に行き、入りたい会社に入り、結婚を考えていた人生の絶頂期に難病と診断されて、人生終わったと思った。しかし、それからちゃんと20年生きている
医師から「今は完治させる手段がなく一生付き合っていかなければならない」と説明を受け、ショックで不安ばかりだったが、先輩患者を見て自分もやれるという気持ちになった
始めのころは、将来像が描けずにポンコツになってしまったようで、死んでしまおうかと思った。しかし「大変な病気だが一緒に治療していこう」という医師の言葉で治療に前向きになれた
病名を聞いて母はショックを受けていたが、自分は5~6年も病名が分からなかったので、病名がわかり初めて説明してくれる先生に出会えたとほっとした気持ちの方が大きかった
診断名を告げられた時は、診断名が分かってよかったという気持ちと難病で治らないという絶望的な気持ちの半々だった
難病と言われても大変なことだとは思ったが先のことは想像がつかなかった。さんざん病院を回って診断がついたので、やれやれと思った
最初に聞いた時には、「難病=(イコール)死ぬ」のかなと思った。「難病」、「治らない」という言葉にずっととらわれていた部分がある
難病という言葉は最初絶望的な言葉で社会に出るのも怖かったが、今ではそんなに明るいのに難病なの?と言われる。難病はむしろ自分の人生にとって得ぐらいに思っている
初期のころはまだ重症ではなかったせいか、難病と言われたら自分はそれに立ち向かうヒーローになったように感じた。数年かかって病名がついて戦う相手がようやくわかった
クローン病と診断されたときは、すでに1型糖尿病という難病をかかえていたので、ダメージは大きかったが、難病という言葉には免疫があった
12歳で診断を受けたが大人は難病だとわかるとかわいそうな目で見るので悔しい思いをしたこともあった。祖母は自分の家から難病患者が出たことを近所の人に隠そうとしていた
中1で診断を受けて、両親は難病であり治療法も確立されていない病気と聞き、自分以上にショックを受けていた
