手術

クローン病では病気が進行すると、腸管から大量出血したり、腸管が破裂したり、腸閉塞になったりすることがあります。時には命にかかわることもあるので、緊急手術が必要になります。そこまで急を要する状況ではなくても、狭窄、瘻孔、肛門病変があったりして内科的治療が難しい場合は手術という選択肢もあります。しかし手術をしても根治するわけではなく、腸のつなぎ目や別の場所に潰瘍ができてくることがあり、繰り返し手術を受ける人もいて、このインタビューでも最大5回の手術を経験している人がいました。

手術を受ける

腸管破裂で腹膜炎を起こして緊急手術になって、かなり広範囲に腸管を切除した経験について語っている人たちがいました。

大腸は全摘しても命に別状はありませんが、小腸は栄養吸収という役目を担っているので全摘するわけにはいきません。腸管破裂のような緊急事態ではそうもいっていられませんが、通常は小腸はできるだけ残すことが必要で、狭窄部分を切除するにしてもできる限り短い部分を切除したり、腸を切除しないで拡げる手術(狭窄形成術)をするのが基本になっています。それでも再発と手術を繰り返すうちに次第に腸が短くなっていったと話す人もいました。

腸管の切除と同時に人工肛門(ストーマ)を造ることがあります。特に病変部の腸の安静と食事をとるためや肛門の状態が悪い場合にはストーマを造らざるを得ないことがあります。(ストーマに関する語りは「ストーマ(人工肛門)」のトピックを参照してください)小学生の頃に痔ろうの悪化で一時的にストーマを作った経験を持つ次の女性は、出産後に腸の狭窄が進んで手術をすることになり、再びストーマを造りました。

次の女性も度重なる開腹手術の結果、ストーマも造り直すことになったと話しています。

クローン病の罹患期間が長く続くとがん化のリスクが高くなると言われています。次の方はがん化のリスクに加え、痔ろうの手術を繰り返したことでと便漏れもあったので、大腸全摘して人工肛門にする決断をしたそうです。

一方、開腹手術でも腸管を切除しない腸管の拡張術(狭窄形成術)というものもあります。また開腹せずにブジーという鉄の棒で肛門から直腸を広げるという手法もあり、その両方を経験した方がいました。

直腸に長期間クローン病の病変を抱えているとがんが発生するリスクがあり、さらには正確な診断が難しいというデータから、次の方は相当悩んだ結果、がんの確定診断が出る前に直腸の摘出手術を決断した。そして手術の結果やはりがんであったことが判明した。

術後のトラブル

次の方は術後の痛みについて語っています。また痛みのほかにも腸が動くまで歩かなければならないことなど色々な苦労がありました。

次の方は痛み止めがなかなか効かず、麻酔を最大限に使ったために壁の絵が動きだすような幻覚の経験もしました。

次の方は腸管の狭窄部の手術を受けたあと、お腹の痛みに加えて、体液を排出するために付けられているドレーンと呼ばれる管から黒い液が出ていたため、再度緊急手術を受けることになったと話しています。同様に腸管に穴が開いて緊急手術をしたあとに縫ったところが再び開いてしまって再手術になった方もいました。

手術を受けることは簡単に決められるものではありませんが、迷っているうちに腸管が破裂したりすると、こうした術後合併症のリスクも上がります。やると決めたらさっさとやってしまったほうがいいというのが何度も手術をした方の感想でした。

2019年6月公開