サークルなどの活動
大学時代のサークル等の課外活動は、学内外の人と交流でき、イベントに参加するなど様々なことが体験できる機会です。今回インタビューに答えた人たちも、様々なサークル活動の経験とそこで得られたものについて話をしていました。
サークル活動は講義などと違って、自分で自由に参加を決めることができます。新入生の時に勧誘を受けて学内サークルに入る人もいれば、自らの関心を追って学外のサークルに参加する人もいます。自分の障害には関係なくやりたいと思ったことに挑戦した人もいれば、パラスポーツやボランティアなど自らの障害をきっかけに活動に参加した人もいました。
障害に関係なく活動を楽しんだ
囲碁や将棋、器楽演奏などの文化系の活動は、比較的障害とは関係なく始めることができ、続けやすいものです。その活動を通じて、他大学の人や異なる世代の人達など、普段付き合いのない人たちとの交流を楽しむこともできます。
内部障害で幼い頃から身体が弱かった女性は祖父から習った囲碁を大学でも楽しんでいました。
一方、運動系のサークルは、障害によって参加できるものに制限が付くこともあります。それでもやってみたいと思うスポーツに挑戦して、たとえ他の人と同じようにできないことがあったとしても、夢中になって楽しい時を過ごした、と振り返る人たちがいました。
障害をきっかけとして活動を始めた
障害との関連が深いサークル活動といえば、いわゆる障害者スポーツがあります。しかし、それだけでなく、障害がある自身の体験をきっかけとして、他の障害のある人たちの支援をするボランティア活動に参加したという人もいました。
次の聴覚障害の男性は、最初、聴覚障害の学生が集まって行うダンスのサークルに入っていましたが、大学院では聞こえる人たちと踊ることを楽しんだ体験を話しています。
学外サークルの活動を楽しんだ
学内サークルだけでなく、大学の枠を超えたサークル活動に参加した人たちもいます。健常者中心の学内サークルに参加したものの、そこにはあまりなじめなくて、同じ障害のある学生が集まる学外サークルに居場所を見出した人もいました。
次の発達障害の男性は、演劇をやりたくて大学の演劇の授業に参加してみましたが、そこでの人間関係がよくなかったために、学外の演劇ワークショップに参加して、すっかりはまってしまった経験を語っています。
外で様々な音楽活動をするサークルに参加している吃音の男性は、サークルをとても楽しんでいることを話しています。
障害をもった後サークルが戻る場所だった
サークル活動は、活動そのものも以外にも、友人関係を築ける場でもあります(「大学での友人関係 」というトピックはこちら)。大学2年の春に交通事故で車椅子になり、のちにパラリンピックの代表選手になる男性は、サークルの仲間に声をかけてもらって、入院中からサークルが戻る場だったと考えていたことを話していました。
サークル活動が広がっていった
サークル活動は、活動を楽しむだけではなく、社会とつながったり、様々な人と交流するきかっけになったりすることもあります。次の肢体不自由の男性は、吹奏楽のサークルに打ち込んだ体験を次のように話しています。
2021年1月公開 2022年4月更新
認定 NPO 法人「健康と病いの語りディペックス・ジャパン」では、一緒に活動をしてくださる方
寄付という形で活動をご支援くださる方を常時大募集しています。

高校時代から引き続き、大学でも囲碁部に入っていた。他大学との対局や町中の碁会所、一般の大会での出会いを通じて、同じ学生でも雰囲気の違う人たちや全く世代の違う人たちと関わることができた
病気だからこれができないというのは嫌だったので、高校・大学通じて野球をやっていた。主治医からも「自分で管理できて体調がいいならしたいことをしたらいい」と言われた
それまで全く未経験だったがバスケットボールのサークルに入った。聞こえないことで周りが困ったかもしれないが、単に「鈍い人」みたいな感じでやっていて、自分はそれなりに楽しかった
ライフセービングに熱中し、夏は毎日海水浴場の監視活動、それ以外の時期も毎週末練習で海に行っていた。トランシーバーでのやりとりは難しかったが、できる範囲で頑張った
中学の時に始めた車椅子の50メートル走とスラロームを大学まで続けてやっていて、その中でたくさんのことを教わった
障害学生を多く受け入れる大学だったので、オープンキャンパスで障害のある在校生と話ができたらいいだろうと思い、オープンキャンパスの学生スタッフとして活動した
長い療養生活でパソコンに慣れていたので、大学ではノートテイクのボランティアサークルに参加した。廃部寸前だったが、1年生で部長になり卒業するまでに立て直すことができた
大学から大学院まで6年間、ダンスを楽しんだ。音楽は聞こえなくても踊れるのを発信するのが楽しく、特に大学院では健聴の人たちと一緒に踊り音楽の幅が広がって楽しかった(NEW)
学内の手話サークルに通ったこともあるが、健聴者ばかりで手話の歌の練習をする程度だったので、学外の聴覚障害学生のグループに参加して、コミュニケーションを取っていた(手話)
演劇を学ぶために入学した大学だったが、中の人間関係がよくなかったので、学外の即興芝居のワークショップに参加して表現する楽しさを学び、青春を味わうことができた
合唱とバンドとミュージカルができるインカレのサークルに入っているが、歌っている時は全くどもらず、楽器の演奏は話さないということもあり、とても活動を楽しんでいる(NEW)
