大学での友人関係

障害のあるなしにかかわらず、大学は、同じ学生の立場の人同士で、様々なかかわりがあります。ここでは、大学時代の他の学生や友人との関係について取り上げています。
インタビューでは、日常の中で友人と過ごした楽しい時間や、大事な友人との思い出、障害についてどう伝えるか、サポートしてもらった経験やそれにまつわる思いなどが話されました。

友人になるきっかけ

大学が高校までと違うのは、クラスが固定されていなかったり、一緒に授業を受ける人が授業ごとに変わったりするため、友人作りが難しいことです。
次の弱視の女性は、積極的に自分から周囲に話しかけていたと言っていました。

その一方で、専攻によっては、周囲の学生が障害や病気のことに関心を持ってくれるという場合もあります。
看護専攻の聴覚障害の女性は、ろう者であるかないかは関係なく、友達と過ごした楽しい日常生活を振り返っていました。

同じく看護専攻の内部障害の男性は、周囲も既に知識があるので、自分の病気のことを伝えやすかったと話していました。

また通信制の大学を選んだ肢体不自由の男性は、世代が違う人たちとの交流など、通信課程ならではの友人関係について話していました。

母親が介助でずっと側にいることで最初は友人が出来にくいと思っていた次の肢体不自由の男性は、徐々に周囲と話す機会が増えたと言っています。

中には次の発達障害の男性のように、入学当初、友人関係につまづいてしまったと話した人もいました。

友人関係の中でのサポート

授業以外でも長い時間を過ごす大学内では、友人からサポートされる機会や周囲に依頼する機会もあります。
車椅子の次の男性は、一緒に過ごすうちに自然に周囲がサポートしてくれるようになったと話していました。

一方で、次の聴覚障害の女性は、相手が友人であってもちゃんと自分のニーズを伝える必要があることを話していました。

また、次の内部障害の男性は、直接的なサポートというよりも、友人から理解されて、ちょっとした気配りがあったことについて話していました。

また、次の吃音の男性は、一緒に過ごす友人たちに、吃音のために言葉が出ないときは、何も言わずに時間だけくれればいいということを伝えていたと言います。

中には、次の視覚障害の男性のように、今振り返ってみると友人に依頼すれば良かったと思うことがあると話した人もいました。

次の車椅子の女性は、友人は介助者ではないということを心がけていると話していました。

障害と友人関係

自分の障害が友人関係に影響するかどうかは、当事者にとっては関心があることかもしれません。一つの答えがあるわけではありませんが、体験した人の感覚は様々です。
視覚障害の男性は、周りの友人たちは、自分に障害があることを特に気にしないような関わりだったという話をしていました。

次の発達障害の男性は、通信制のスクーリングの際に出会った人たちとは、全力でかかわっていたと話していました。

大学生活を振り返ると友人のことばかり出てくるほど楽しかったという肢体不自由の女性は、そういう感覚を持つのは、障害があるからかもしれないと話していました。

聴覚障害があったがなかなか診断がつかなかった女性は、障害が人にばれないように気を遣っていたことを話しています。

大事な友人の存在

時に大学で出会った友人の存在が、その人にとって大きな影響をもたらすこともあります。
次の車椅子の男性は、大学生活は大変だったが、友人がいたから続けられたという話をしていました。

聴覚障害の女性は、人と距離を置きたくなった時も、友人がそれを理解してくれたと話していました。

2021年11月公開 2022年4月更新

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