診断のための検査

ここでは、乳がんと診断されるまでに受けた検査に関する体験者の語りを紹介しています。しこりなどの異常を感じて病院に行くと、まず視触診が行われます。次に、マンモグラフィ、乳房の超音波検査(エコー)、MRIやCTなどの画像診断、そして診断を確定するために、直接しこりに細い針を刺して細胞を吸引して調べる穿刺(せんし)吸引細胞診や皮膚を切開して太めの針で組織(細胞のかたまり)を採って調べる組織診(生検)が行われます。

マンモグラフィは乳房を挟んで圧迫し、撮影するレントゲン検査です。マンモグラフィを受けた人の多くが痛みを伴うものだったと話しています。精神的な苦痛を感じた人もいました。また、40代までのほとんどの人たちがマンモグラフィだけでなく、超音波検査を受けていました。閉経前の年齢で乳腺が発達している場合にはマンモグラフィだけでなく、超音波検査を行うことで診断の精度が増すと言われています。

マンモグラフィ、乳房の超音波検査(エコー)などの画像診断を受けた後で、疑わしい所見があった場合、直接、しこりや画像上で異常がある部位に針を刺して細胞や組織(複数の細胞のかたまり)を採る検査が行われます。細めの針で細胞を採る検査を穿刺吸引細胞診と呼びます。組織を採る検査には、局所麻酔後に小さくメスで切開し、太めの針で組織を採って調べる針生検、画像で異常の見られたのが非常に小さい部分であった場合にマンモグラフィの画像を確認しながら確実に組織を採るマンモトーム生検、切開してしこりや異常の見られた部位を摘出して調べる摘出生検があります。

細胞診や生検の痛みについて、ほとんど感じなかったという人たちがいる一方で、非常に痛い経験だったと話していた人たちもいました。細胞診、生検の痛みについては、個人差がありました。

マンモグラフィや超音波検査の結果は比較的早く出ます。その場で結果を説明されたと話す人たちが多かったです。しかし、細胞診や生検の結果が出るまでは大抵の人たちが1-2週間の結果待ちの期間を過ごしていて、その間が非常に不安で辛い期間だったと語っていました。

ある女性は、検査結果を待つ間、精神的に不安定となり夫にあたったり、アガリクスなどの代替療法に走ったりしてしまったと話していました。また、右胸にしこりを見つけて、受診した結果、左胸にも異常が見つかり、両方が乳がんではないかと不安が大きくなり睡眠障害になってしまった人もいました。振り返ってみて、検査結果を待っている間は立ち向かうものが見えない状態で一番つらい時期だったと話しています。

通常、乳がんという診断がついた後、乳がんの広がり(乳房内やリンパ節、肺や肝臓、骨などの他臓器への転移があるかどうか)を調べる検査には、CTやMRI、骨シンチグラムなどがあります。これらの検査結果を待っている間が恐怖だったと語った人もいました。

医師から説明された検査結果の内容で、「石灰化」や「細胞診の結果の数字(1~5)」や「病理検査」が何を意味するのか、当時はわからなかったと話す人たちもいました。

検査でははっきりとした異常が出なかったのに、医師が「何か気になる」と言ったので、検査を重ねていくうちに診断がついた人がいました。1回の検査でははっきりとした結果が出ず、細胞診を複数回経験した、細胞診に加え組織を採って調べる生検を受けたという人たちは複数いました。1件目の病院で行ったマンモグラフィと細胞診ではっきりしたことがわからず、3ヶ月後にまた来るように言われて、不安で他の病院で再検査を受け、がんが見つかったという人もいました。

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