放射線療法

放射線療法は、乳房温存手術後の乳房内再発予防のために行われるほか、乳房を切除した場合も胸壁やリンパ節など周辺領域での再発を防ぐ目的で放射線照射を行うことがあります。また、骨や脳などに遠隔転移した病巣に対する治療としても行われます。

インタビューで放射線療法の体験について語った人たちの多くは、乳房温存手術を受けた後に、初期治療の一連の流れの中で放射線療法を受けた人たちでした。また、通常のエックス線による照射に加え電子線による追加照射を受けた人や、リンパ節転移があってわきの下や鎖骨付近にも照射をした人もいました。

※ブースト照射ともいい、全乳房照射後にがんを切除した部位やその周囲組織に追加照射することによって乳房内再発のリスクを減少させる目的で行われます(日本乳癌学会編2015年Web版ガイドライン「科学的根拠に基づく乳癌診療ガイドライン放射線療法」)。

※腋窩リンパ節は以下のようにレベルI、II、IIIのグループに分けられ、リンパ節転移は一般にレベルIからレベルII、さらにレベルIIIへ進むとされています。
レベルI:小胸筋外縁より外側のリンパ節
レベルII:小胸筋の後ろまたは大胸筋と小胸筋の間のリンパ節
レベルIII:鎖骨下の小胸筋内縁より内側のリンパ節

また、乳房を切除した後に、リンパ節の転移や断端部にがんが残っているのが見つかって、放射線療法を受けた人もいました。

一方、乳房以外の部位での再発に対する治療として、放射線照射を受けた人もいます。以下に紹介する人のほかに脳への転移がわかって全脳照射を受けた人や骨転移への照射によって痛みが軽減した人もいました(再発・転移の治療を参照)。

インタビューでは多くの人が通院で治療を受けていて、中には仕事をしながら治療を続けた人もいましたが、再発・転移の治療だったり他にも持病があったりして、入院して治療を受けた人もいました。また、通える病院が近くになくて入院した人もいます。手術を受けた病院に放射線治療の設備がなかったり、毎日通うには遠すぎたり、照射部位の関係で特殊な装置が必要になったりして、転院して治療を受けた人もいました。

放射線の照射自体は通常1~2分、照射中は痛みも熱も感じないので、治療そのものは楽だったという人が多いですが、毎日通わなければならないのが気分的に負担になったという人もいました。照射部位によっては治療前の位置決めが大変だったという人もいます。また、照射位置につけた印は、治療中は消すことができないので、襟ぐりから見えてしまったり、下着に色が移ったりするのが気になったという人もいました。

副作用については、人から聞いた話や家族の体験から強い不安を抱いていた人も何人かいましたが、実際にはそれほど副作用はなかったと話していました。

実際の副作用の体験としてインタビューで語られていたのは、治療中に出る急性反応としての日焼けのような皮膚症状が主で、一部に体のだるさ、白血球の減少を経験した人もいました。一方、治療後数ヶ月以上経ってから出てくる副作用(晩期障害)で、放射線肺炎を経験した人もいました。

※放射線治療の治療中あるいは終了後、比較的早期に出現する、放射線肺臓炎のこと

2018年9月更新

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