病院・医師の選択

乳がんの治療を受けるにあたって、どこの病院にかかるか、誰を主治医にするかは患者にとって重大な問題です。ここでは、インタビューを受けた人たちがどうやって治療する病院や主治医を決めたかについて紹介します。

インタビューに答えた多くの人たちが、自宅や職場から近いといった利便性、乳腺を専門で診る科があること、評判がいい、他の病気で診てもらっているので安心などの理由で、受診する病院を決めていました。

インタビュー協力者の中には、療養場所の問題について話す人たちもいました。たとえば都会で一人暮らしをしていた女性は、家族に心配されすぎることもつらいので、迷った結果、地元に帰らず一人で治療することにしたそうです。他にも、夫の単身赴任先を療養場所にして病院を探した人や最終的に引っ越しを決意した離島在住の女性もいました。また、住んでいる地域にはあまり多くの選択肢がなかったという人もいました。

何人かの人たちは、最初にかかった病院でそのまま治療を受けることを選択しています。ある人は、しこりに気づいたその日に近くの病院で検査を受けてがんと診断され、頭が真っ白になり、医師に促されるまま入院の予約をしたと話していました。

一方で医師から一度帰って考えることやセカンド・オピニオンを受けることを選択肢として提示された人たちもいました。その人たちの多くは、きちんと説明してくれた医師を信頼し、セカンド・オピニオンを受けることなく、その病院で治療を受けることにしていました。

最初にかかった病院で診断に疑問を感じたり、医療者の対応に不満を感じた場合、セカンド・オピニオンを受けた病院で治療を受けることを決めた人たちもいました。セカンド・オピニオンとは、病気の診断や治療法について、自分の主治医以外の医師から意見を聞いて、意思決定の参考にすることです。しかし、単に意見を求めるだけでなく、治療を受ける病院や主治医を選択することにも役立っていたようです。

最初にかかったところが婦人科や検査だけを行うようなクリニックである場合は、精密検査や治療を受けるための医療機関を紹介され、自分に合ったところを選んでいました。インタビューに協力した人の中には、治療する病院をどこにするか考える猶予がほしくて、あえて検診クリニックを選んで検査を受けたという人がいました。しかし、彼女は診察を担当した医師の対応がとても親身だったことで、その医師が常勤する病院で手術を受けることに決めたそうです。

インタビューに協力した多くの人が、誰を主治医として治療をお願いするかの決め手となったのは、医師の第一印象や人間性の感じられる対応、納得のいく説明だったと語っていました。遠方の病院であったとしても、信頼できる医師に診てもらうことを選択する人たちもいました。

治療を受ける病院として、設備や医療体制が整ったがん専門病院や大学病院などの大きな病院を選ぶ人たちもいれば、アットホームな治療環境で待たされることが少ない乳腺専門のクリニックを選んだ人たちもいました。クリニックで治療を受ける場合は治療や検査によっては複数の医療機関との連携が必要となってきます。何人かの人がクリニックで治療を受けることのメリット、デメリットについて語っていました。

乳がんの場合、治療は手術だけでなく、抗がん剤治療やホルモン療法などの補助療法を行うことが多く、医師との付き合いも長期にわたります。納得のいく治療を選択する上で、信頼のおける医師に出会うことが重要性だと多くの人たちが話していました。中には、医師の説明や対応に疑問を感じ、手術後に主治医を変えるという決断をした人たちもいました。ある女性は遠方の病院に通うという経験について話していました。

2017年2月更新

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