知ったきっかけと情報源

臨床試験・治験は全国各地で日々行われていますが、その情報はどのように患者(被験者候補)に届くのでしょうか。今回のインタビューに協力してくれた人たちが、どうやって自分に関係する臨床試験・治験の情報を得たのか、そのきっかけとその後の情報収集の方法についてご紹介していきます。(臨床試験・治験を知ったきっかけについては「臨床試験・治験に参加した理由」「臨床試験・治験にかかわる際の事前説明」の項も参照。)

主治医から紹介・打診される

私たちのインタビューでは、約半数の人が主治医からの紹介で臨床試験・治験を知ったと話していました。その中には、それまでに何通りかの治療を試して効果が得られなかったことから、残された選択肢の一つとして臨床試験・治験を提示されるケースがありました。セカンドオピニオンを求めて受診した先で、臨床試験・治験を紹介された人もいます。

一方、有効な治療法がないとか、副作用で従来の治療法が使えなくなったなどといった差し迫った状況で臨床試験・治験を紹介されたのではなく、たまたま臨床試験・治験の条件に合っていたということで、協力を打診された人もいました。

中には主治医ではなく、以前に治験に参加したときからの顔見知りのCRCに協力を求められたという人もいました。

新聞広告や院内掲示版などを通じて治験の募集を知る

医師やCRCなど医療関係者から直接働きかけられたのではなく、メディアや通院先の院内掲示板などで、自分の病気の治験が行われていることを偶然に知って参加したという人もいました。

ある人は、息子がかかっているアトピー性皮膚炎に関する新薬開発が進んでいることを聞いたことがあって、注意して新聞を見ていたときに治験の募集広告を見つけたそうです。新聞の広告には、治験を実施している病院も紹介されていました。

新しい治療法を紹介するテレビ番組で知る

テレビでたまたま自分の病気の新しい治療法を紹介する医療番組を見て、臨床試験・治験が行われていることを知った人もいました。

中には、テレビに自分と似たような症状の人が紹介されていて、自分は病気かもしれないと疑っていたところに、新聞に大きく「むずむず脚症候群」の治験広告が出たので、自分が病気なのか調べてみようと思って参加を思い立った人もいました。

インターネットで情報を探す

臨床試験・治験の情報をインターネットで探したという人もいましたが、普通に検索エンジンで検索するだけでは、なかなか適切な情報にたどり着くこと困難です。特に、どのような人が対象になっているのかという適格基準や除外基準、何人募集しているのかという目標症例数などは、臨床試験・治験の専門のサイトには載っていますが、一般の人はあまり知られていません。私たちのインタビューでも、それらのサイトで自分が参加できるものを探したというのは、製薬会社で働いている人やCRCの人たちでした。

2016年11月公開

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